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最終更新日:2025.07.17 公開日:2025.07.25

イラストレーターいとうみゆきの クルマのおうちで埼玉一周の旅 vol.5 夏の便りを届けに〜西部地域編〜

海外でのクルマ旅を綴ったエッセイが話題となり、多くのファンに支持されるイラストレーター・いとうみゆきさん。ワーキングホリデーをきっかけにニュージーランドを訪れ、車中泊生活を経験したことからその魅力に取り憑かれたそう。そんないとうみゆきさんの新たな旅にフォーカス! いとうさんの故郷である埼玉県を舞台に、愛車でさまざまなスポットを巡っていきます。第5回目は、「夏の便りを届けに」をテーマに、埼玉県の西部地域の一部である川越比企郡を旅していきます。夏ならではの景色や食、体験を通じて地域の魅力を届けていきます!

漫画=いとうみゆき

編集=望月 祐 (LIG)

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記事提供元/カエライフ

 

夏を感じる旅にいこう

冷房が効いた家を出る瞬間の、一瞬で熱気に包まれる感じ。

家の鍵をかけながら、「ああ、また夏が始まってしまったなあ……」と少しだるい気持ちになってしまいます。暑い日差し、蒸し蒸しした空気。

今年も夏がやってきました。

暑さに弱い私にとって、夏は苦手な季節です。憂鬱な気持ちでポストを開けると手紙が一通入っていました。差出人はいつもの文通相手。私と反対で、夏になるとテンションが上がる人からの手紙です。手紙は、どこか涼しいところで読もう。とりあえずサコッシュに放り込んで、今日も駐車場へ向かいます。

まだお昼前だというのに、車内はすでに熱気に包まれていました。エンジンをかけたらすぐに冷房! 今日ばかりは音楽よりも先に冷房! 冷房が優先です!

暑いのは嫌いだけど、熱された車内にじんわりと冷たい空気が満ちていく感じは、いいんだよなあ。暑すぎるから憂鬱なだけで、夏のことは嫌いじゃないのです。だから今日は、夏にワクワクする曲を流そう。苦手な暑さもひっくるめて、夏が楽しくなっちゃうような定番曲……鎮座DOPENESS×環ROY×U-zhaanによる『サマージャム’95』!

炎天下でも快適に移動できる「白くま(いとうみゆきさんのクルマの愛称)」がいれば、アホみたいに暑い今年の夏もなんとかなるはず。そして、旅の途中に見つけた楽しい思い出話を、手紙に書いて送ろう。

夏のいいところを探しにいく、埼玉旅のはじまりです!

今回巡るのは、埼玉県西部地域の一部である川越比企地域。

小江戸で有名な川越市、坂戸市・鶴ヶ島市・毛呂山町・越生町・東松山市・滑川町・嵐山町・小川町・川島町・吉見町・鳩山町・ときがわ町……それから埼玉県唯一の村、東秩父村を含む地域です。

①東松山市_島田橋〜木造コトコト橋〜

旅の始まりに、橋を渡ります。

橋を渡るということはふたつの場所を繋ぐことであり、違う世界に行くこと。だから大切なことなんです。……というと、なんだか大層なことのようですが、遊園地に入るときに大きなゲートをくぐるとワクワクしますよね。そのときと同じ気持ちになるんです。

橋を渡ると、「始まるぞ!」という気持ちになるから通ってみただけ。

島田橋

でも、この橋はちょっと変わった橋なのです。

坂戸市と東松山市を繋いでいる島田橋は、最近では見かけない木造の橋! しかもこの橋、横幅1.8m(重量制限1.5t)のクルマなら通行することも可能なんです。つまり軽自動車である「白くま」は渡れるということ……!?

そっとポールをすり抜けて、ゆっくり進みます。

白くまの横幅は1.5mぐらいなので余裕なのですが、両脇に立っている黄色と黒のポールがあまりに近くてちょっとだけ不安になってしまいました。

コトコト音の鳴る橋を渡っているとなんとも言えないドキドキを感じます。狭さに緊張しているからか、旅の始まりにワクワクしているからか……?

島田橋
住所:〒350-0211 埼玉県坂戸市島田98-7

②滑川町_国営武蔵丘陵森林公園〜一面に広がるひまわり畑〜

お昼に近づくにつれ、太陽が高くなってきました。

田植えも終わり、ぐんぐん伸びていく美しい緑色の稲たち。田んぼの横を走っていると、なんだか私まで元気になってきます。

車窓の向こうに広がる光と影のコントラストがとても綺麗で、どんな景色も映画の1シーンみたいに見えてしまう。流れていく自然の色たちとキラキラ(すぎる)太陽、ひんやり心地よい車内に流れる音楽、クルマを運転する楽しさ……全部が相まった夏のドライブはちょっとした魔法がかかっている気がします。

しばらくすると景色が変わり、森のなかに入りました。

ここには全国で初めて誕生した国営公園、国営武蔵丘陵森林公園があります。クルマから降りて少しだけ園内を散策。そしてすぐにヘロヘロ。気温を見ると、34℃……。もう本当に、夏にはいつでも降参しているし白旗を降っているので、少しだけでも気温を下げて欲しいです……。「早く秋が来ればいいのにな」と思ってしまいます。

だけど、スイカとか素麺とかプールとか入道雲とか、そういう夏の定番みたいなものには惹かれてしまう。ワンピース一枚で外に出られる気軽さに少しだけ心が躍る。

花畑に咲くひまわりも、テンションが上がる夏の象徴のひとつです。

国営武蔵丘陵森林公園
住所:〒355-0802 埼玉県比企郡滑川町山田1920
営業時間:9:30〜17:00(3/1~10/31)、9:30〜16:30(11/1~11/30)、9:30〜16:00(12/1~2月末日)
定休日:不定休(HPにてご確認ください)
入園料(税込):大人(高校生以上)一般 ¥450、シルバー(65歳以上)¥210、中学生以下無料
※団体割引、2日間通し券、年間パスポートなどあります。
電話:0493-57-2111(管理センター)
X(旧Twitter) @musashi_shinrin
駐車場:あり(HPにてご確認ください)

③ときがわ町_かき氷山田屋〜小川のほとりのかき氷〜

公園の景色を楽しんだあとは、暑さがさらに増してくる時間帯になったのでひと休み。
ときがわ町にあるかき氷屋さんで、自家製シロップのかき氷をいただきます。

駐車場からお店までは山道を通ります。ちょっとした距離を歩きながら、ますます冷たいものが楽しみでしょうがなくなって……緑で囲まれた小さな入口を抜けて坂道を下ると、かき氷屋さんがあらわれました。

券売機で券を買ったら、小窓で受付をします。券と商品の受け渡しのときだけ開く、小窓でのやりとり。秘密の取引みたいで面白かったです。

シロップは一番人気の自家製「いちごみるく」、氷の種類は「天然氷」を選びました。

いちごみるく ¥900(税込)、天然氷は+250円

いちごみるく ¥900(税込)、天然氷は+250円

もっと豪華なかき氷もたくさんあったのですが、シンプルでありながら美味しそうないちごを選びました! ツヤツヤで果肉がごろっと入った、いちごシロップ。本当に可愛い色をしています。

舌先でふわっと広がる氷の冷たさと濃厚ないちごの甘さ。ほろっとした感触の後、とろける感じがたまらなくて、夢中で食べてしまいました。とっても美味しかったな〜。

今日はとても暑く、クルマのなかでもクーラーをつけていないと汗ダラダラの日(移動中も涼しく快適に過ごせるところがクルマ旅のいいところ! )でしたが、小川のそばのテラス席はとても涼しくてびっくり。

川の音も木漏れ日も気持ちがよくて、かき氷は美味しくて……暑さを抜けてふっと落ち着ける、いい時間でした。

冷たいかき氷に涼しいテラス席のおかげで、身体の内と外が一気にひんやり。ずっと車内でクーラーに当たっているのも身体に悪そうだから、たまにはこんな時間があってもいいなあ。

かき氷 山田屋
住所:〒355-0357 埼玉県比企郡ときがわ町田中575-1
営業時間:12:00〜15:30L.O(平日)、11:00〜15:30L.O(土日祝)
定休日:不定休(HPにてご確認ください)
X(旧Twitter) @yamadaya2011
facebook @yamadaya.kakigoori
駐車場:『田中』の交差点を通り越し約1キロ先、瀧山橋を越えすぐ右側に当店駐車場が有ります。
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