公道のF1! アストンマーティン初の量産ミッドシップスーパーカー「ヴァルハラ」の開発テストが最終段階へ【新車ニュース】
アストンマーティンはこのほど、究極のドライバーズ・スーパーカーとして開発の大詰めを迎えている「Valhalla(ヴァルハラ)」の検証テストの模様を公開した。
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ヴァルハラは1079ps/1100NmのV8+PHEV
アストンマーティンは、公道とサーキットの両方で高いパフォーマンスを発揮し、スーパーカーの新たな基準を再定義するため、このヴァルハラを開発。車名のヴァルハラとは、北欧神話に登場する「戦死者の館(戦場で命を落とした勇者が集められる楽園のような場所)」という意味で、「V」から車名が始まる伝統が受け継がれている。
搭載されるのは、4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジン(828ps)に、計251psを発する3モーター(フロント2基+リヤ1基)を組み合わせ、システム総合で最高出力794kW(1079ps)、最大トルク1100Nm(112kgf-m)を引き出すプラグインハイブリッドシステム。0-100km/h加速は2.5秒を主張し、最高速は350km/hでリミッターが介入する。

アストンマーティン・ヴァルハラ|Aston Martin Valhalla
ヴァルハラは初めてづくしのモデルだ。アストンマーティン初の量産ミッドエンジン・スーパーカーであるとともに、EVモードで走行可能な初のプラグインハイブリッド量産車でもある。
そして、アストンマーティン史上最高のパフォーマンスを誇る4.0リッターエンジンは、フラットプレーンクランクを持つ特注のV8ツインターボを初めて採用。電気モーターとリヤ電子制御ディファレンシャル(E-diff)を備えた、新しい8速DCTの搭載も初となる。
さらに、フロントアクスルの最新型のツインモーターも初めての採用で、トルクベクタリングと前輪駆動システムに寄与する。
アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとF1で培ったパフォーマンス重視の手法とテクノロジー、目を見張るデザイン、スリリングなドライビングダイナミクスを融合したヴァルハラは、類まれな性能を誇るスーパーカーとして登場する。
世界999台限定で今年の第2四半期より生産開始

アストンマーティン・ヴァルハラ|Aston Martin Valhalla
このたび公開されたのは、英国の公道、そして欧州で車両開発プロジェクト向けの包括的な設計、エンジニアリング、検証サービスを提供しているスペインのIDIADA社が擁するバルセロナ近郊のテストコースにおいて、最終的な検証承認に向けたテスト走行する模様。テストコースでの走行は、アストンマーティンの開発ドライバーで3度のクラス優勝実績を持つダレン・ターナー氏が担当した。
ポディウムグリーンとライムグリーン、ヴァーダントジェイドとヴァルキリーゴールドの2タイプのカラーリングをまとったヴァルハラは、テストコースでも公道でも、余裕を感じさせる姿を見せる。

アストンマーティン・ヴァルハラ|Aston Martin Valhalla
IDIADA社のテストコースでは、高速周回路やウェットおよびドライハンドリング路など数カ所で行われ、ステアリング、アクティブ・エアロダイナミクス、ブレーキシステムの熱的性能に関する最終キャリブレーション承認が進められている。
サテンシンティラシルバーとライムグリーンというカラーリングで、公道を走行する姿が被写体に収められたもう1台のヴァルハラは、英国の路上で最終的なダンパーのキャリブレーションを行っている。
ビークルパフォーマンスとアトリビューツ(特性)を担当するサイモン・ニュートン取締役は、次のように述べている。
「エンジニアリングとダイナミクスのチームにとって、ヴァルハラをライバルたちと一線を画す存在にする前例のない動的性能の幅は、開発時に多くの新しい可能性をもたらしてくれました。ハイブリッドパワートレインが1079psと1100Nm という組み合わせを生み出すため、驚異的なパフォーマンスは発揮できて当然です。そのパワーを活用して洗練されたものにし、公道でもサーキットでも並外れたスーパーカーとするためには、アクティブ・エアロダイナミクスとインテグレーテッド・コントロール・システムの統合に不断の努力を要しました」
ヴァルハラは世界999台限定で、今年の第2四半期より生産が始まる予定だ。
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