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最終更新日:2025.04.18 公開日:2025.04.18

東京〜千葉をつなぐ新ルート「新湾岸道路」が誕生? 完成したらどうなるのか【いま気になる道路計画】

新湾岸道路の起点となる外環道 高谷JCT。

東京と千葉をつなぐ新たな高速道路「新湾岸道路」の構想が注目を集めています。「京葉道路」「東関東自動車道」に続く、第3のルートが完成すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

新湾岸道路の起点となる外環道 高谷JCT。

文=大門道子

資料=国土交通省 関東地方整備局 千葉国道事務所、千葉県

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東京と千葉をつなぐ「新湾岸道路」構想ってなに?

新湾岸道路の整備イメージ

新湾岸道路は、外環道 高谷JCT付近を起点としたルートが想定されている。

東京と千葉をつなぐ新たな高速道路として注目を集める「新湾岸道路」は、東京外かく環状道路(外環道) 高谷JCT付近を起点とし、東京湾の沿岸部を経て、京葉道路 蘇我ICおよび館山道 市原IC付近までをルートとして想定する高規格道路の構想です。

新湾岸道路構想の背景には、千葉県湾岸地域の交通混雑が慢性的になったことがあります。

該当地域では通勤・通学時間帯を中心に交通量が集中して渋滞が頻発しています。新湾岸道路有識者委員会の資料によると、京葉道路や国道14号、357号などでは県平均の1.7倍以上の渋滞損失時間が発生。特に、国道357号の船橋市、千葉市(美浜区~中央区)では、渋滞損失時間が20万人時間/年・km以上の区間が連なっています。

もし新湾岸道路が整備されれば、湾岸地域を東西に貫くルートとして機能して、既存の道路における混雑の緩和。さらに、産業施設や物流拠点が集中している東京湾沿岸部における、物流の効率化にも寄与するようです。

具体的なルートや完成時期については、まだ検討段階ですが、事業の実現に向けて国や関係自治体による協議が着実に進められています。

美しい景観を損ねるというデメリット

東京湾三番瀬の写真

新湾岸道路整備により、周辺環境へマイナスな影響があるのではと懸念する声も少なくない。

新湾岸道路の整備に対して多くのメリットが期待されている一方で、景観への影響や環境問題を懸念する声も少なからず上がっています。

東京湾沿岸部は、関東の富士見百景に登録されるような美しく開放的な眺望が楽しめる場所です。そこに高架道路や構造物が建設されることで、景観が大きく変わってしまうと懸念されているため、海側では「海への眺望景観の保全」、陸側では「広大な田園景観の保全」が求められています。

さらに「三番瀬(さんばんぜ)」の環境問題も懸念点です。三番瀬は、市川市と船橋市の沖に広がる浅海域(浅瀬や干潟)で、数々の魚貝や水鳥の生息地となっている他、海苔養殖漁業やアサリ漁などの漁場でもあります。新たな道路の整備によって、こうした環境が破壊される恐れがあるといわれています。

新湾岸道路構想の起点が外環道 高谷JCTと接続し、船橋市から習志野市の沿岸部を南下し、三番瀬を避けるようなルートがとられているのはそのためです。

もし将来、新湾岸道路ができれば、京葉道路と東関東道に次ぐ「第3のルート」として、東京と千葉を結ぶ都市間のアクセス性が向上します。同時に、国道357号、14号など、周辺の道路での慢性的な渋滞も緩和されるでしょう。新湾岸道路構想の進捗に引き続き注目していきたいところです。

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