運転中に大地震が起きたらどうする? 正しい対処法と避難の仕方
「地震大国」と言われる日本では、クルマの運転中に大地震が発生する可能性が十分にあります。そのような場合、どのような行動をとるべきなのでしょうか。
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大地震が起きたら! クルマを左側に寄せることが大事

大地震が発生した場合、まずはクルマを左側に寄せて停車させることが大事。
記事の画像ギャラリーを見る2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震、そして2024年の能登半島地震など多くの地震が発生し、「地震大国」と言われる日本では、いつ何時、大地震が発生するか分かりません。「大地震」の定義は「マグニチュード7以上」とされていますが、2000年以降に限っても、少なくとも10回以上の大地震が記録されています。
一方、日本は世界有数の自動車大国でもあり、日々多くのドライバーがクルマを走らせています。つまり、日本ではクルマの運転中に大地震に遭遇する可能性が少なくないということです。
では、運転中に大地震が発生したらどのような行動をとればよいのでしょうか。警察庁はWebサイト上で「大地震が発生したときに運転者がとるべき措置」として、下記のようなことを紹介しています。
- 急ハンドル、急ブレーキを避けるなど、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止させること。
- 停止後は、カーラジオ等により地震情報や交通情報を聞き、その情報や周囲の状況に応じて行動すること。
- 引き続き車を運転するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに十分注意すること。
- 車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動しておくこと。やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたままとするか運転席などの車内の分かりやすい場所に置いておくこととし、窓を閉め、ドアはロックしないこと。
- 駐車するときは、避難する人の通行や災害応急対策の実施の妨げとなるような場所には駐車しないこと。
クルマを道路の左側や道路外の場所に止める理由は、救急車、消防車、自衛隊車両などの緊急車両が通行するスペースを確保するためや、災害応急対策の妨げにならないようにするためです。
道路脇にクルマを放置しても駐車違反にならない?

「緊急避難」に該当するケースでは、駐車禁止の道路にクルマを放置しても駐車違反に問われる可能性は低いという。
では、緊急時とはいえ道路上や駐車禁止の場所にクルマを放置してもいいのでしょうか。
結論から言えば、大地震の場合には駐車違反などに問われる可能性は低いようです。これは、刑法第37条に「緊急避難」という項目があり、「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない」と規定されているからです。
つまり、適切な避難行動を取るために道路上にクルマを放置した場合は、一般的に「緊急避難」に該当する可能性が高いのです。
ただし、「緊急避難」に該当するかどうかは状況によって異なるため、自己判断をすべきでないという点には注意が必要です。周囲の状況をよく観察し、ラジオやスマートフォンなどで地震情報や交通情報を収集して、状況に応じて行動するようにしましょう。
大地震が発生した際に何よりも重要なのは、自身の安全確保です。そのためには、普段から大地震が発生した場合の行動についてイメージし、いざという時にパニックに陥らないように対処法を確認しておきましょう。
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