環八通りをアンダーパスする練馬の「平和台トンネル」、開通半年後の整備効果は? 【道路のニュース】
東京都は2025年1月21日、練馬区「平和台トンネル」の開通から半年後の整備効果を発表した。平和台駅前と交差する環八通りをアンダーパス化したことで、周辺道路の渋滞はどれくらい緩和したのだろうか?
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所要時間の短縮と周辺道路の渋滞緩和
昨年2月26日に開通した「平和台トンネル」。東京メトロの平和台駅前で環八通りをアンダーパス(立体交差)して渋滞の緩和を図ったものだ。
開通から約1年が経過した1月21日、東京都は平和台トンネルの開通半年後の整備効果を発表した。果たして、周辺の渋滞は緩和されたのだろうか。さっそく、結果を見てみよう。
※開通前の調査日は2019年(平成31年)2月27日(水)、開通後の調査日は2024年(令和6年)10月22日(火)でいずれも12時間平均
開通後の所要時間短縮効果
川越街道の「新大宮バイパス入口」交差点から、平和台駅そばの「開進第一小北」交差点間における所要時間を開通前後で比較してみる。
今回の発表によれば「新大宮バイパス入口」→「開進第一小北」で8分55秒から4分37秒となり、約4分の短縮。さらに逆方向では、12分13秒から3分52秒と約8分も大幅に短縮にした。
<所要時間短縮事例>
新大宮バイパス入口→開進第一小北 (至都心方面)
[開通前] 8分55秒 → [開通後] 4分37秒
→約4分短縮
開進第一小北→新大宮バイパス入口(至埼玉方面)
[開通前] 12分13秒 → [開通後] 3分52秒
→約8分短縮
開通後の交通量減少効果
続いて、環八通りと川越街道の交通量を開通前後で比較してみる。環八通り(平和台駅前交差点)と川越街道(練馬北町陸橋交差点)の交通量は、共に約2割減少したことがわかった。
<交通量減少事例>
環八通り(平和台駅前交差点)の交通量
[開通前] 約2万9400台 → [開通後] 約2万4500台
→約2割減少
川越街道(練馬北町陸橋交差点)の交通量
[開通前] 約2万6000台 → [開通後] 2万1500台
→約2割減少
平和台トンネルの開通によって所要時間の短縮や交通量の減少を実現している。このことから、周辺の交通の流れは改善されており、一定の整備効果があったといえるだろう。
周辺の道路ユーザーの感想は?
東京都建設局は平和台トンネル周辺の居住者や事業者にアンケートを実施し、開通後の利用状況を詳しく調査した。
Q. 開通前に比べて、「平和台駅前交差点」を通過する時間は短縮したと感じるか?(自動車・バイク)
A. 95%の利用者が旅行時間の短縮を実感
(短縮したと思う81%、やや短縮したと思う14%)
Q. 歩道を利用した感想は?(複数回答可)
A. 多数の方が歩行者・自転車の安全性等を実感
(安全・快適な歩道空間30%、安全な通学路10%、歩行者の安全性19%、自転車の安全性14%)
居住者や事業者の意見
地域の居住者や事業者は平和台トンネルの開通後、交差点の渋滞緩和を実感するのと同時に、環八通りの交差点で信号待ちすることなく、アンダーパスでスルーできるので快適になったという意見が見られた。
平和台トンネルとつながる放射第35・36号線
それでは、平和台トンネルとつながる放射第35号線と第36号線の整備状況はどうだろう。放射第35号線は練馬区早宮(開進第一小北付近)で南下し目白通りをまたいで環七通りに、放射第36号線は練馬区早宮(開進第一小北付近)から南東に向かい環七通りに突き当り、そこから要町通りを経て山手通りに接続する都市計画道路だ。
現在、第36号線の練馬区早宮(開進第一小北付近)から環七通りまでは事業中。第35号線の練馬区早宮(開進第一小北付近)から環七通りまでは未事業のままとなっている。この2事業が進めば、環七通りや川越街道のさらなる渋滞の緩和につながることが期待される。
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