現代版のケンメリ「NEO スカイライン」がお披露目! 丸目4灯のレトロな顔つきに注目【東京オートサロン2025】
カスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」にて、丸目4灯のフロントフェイスが特徴的な“現代のケンメリ”こと「NEO SKYLINE(ネオ スカイライン)」が公開された。懐かしさと新しさを感じさせる車両は、どんな思いを持って製作されたのだろうか。
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「ネオ スカイライン」は4代目スカイラインのオマージュだった!
カスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」にて、懐かしさと斬新さをあわせ持つ独特なスタイリングの車両「NEO SKYLINE(ネオ スカイライン)」が展示されていた。
「ネオ スカイライン」は、自動車整備やカスタマイズ等を学ぶ専門学校「日産京都自動車大学校」の学生によって“現代のケンメリ”をコンセプトに製作されたクルマ。CV35型スカイラインクーペをベース車両にして、大幅なカスタムが加えられている。
コンセプトの通り、1972年に発売された4代目スカイライン(C110型)をオマージュ。丸目4灯のレトロなフロントフェイス、サイドからリアにかけて跳ね上がる個性的なサーフィンライン、そしてリアにはリング型の4灯テールランプ(LED)というケンメリの要素が取り入れられていながらも、若者の手によって現代風に再解釈がなされているのが特徴だ。
なお、車名の“NEO(ネオ)”には、30代から50代と幅広い年代に向けた思いが込められているという。「N」は50代の人に昔のケンメリを思い出して懐かしさ(Nostalgia)を、「E」は忙しい日々を過ごす40代の人にツーリングカーならではの快適性で運転を夢中(Enthrall)になって楽しむ気持ちを、「O」は現代のクルマに見慣れた30代の人に斬新さと独創性(Originality)を感じてもらいたいのだとか。
ケンメリのパーツはほとんど使わず、オリジナルのパーツを製作。
同車を製作した自動車整備科のリーダー小西さんによると「コンセプトを具現化するために、クルマ全体を通して、ケンメリ本来のパーツはほとんど流用していません。自分たちで型をとってパテで成形したり、部分的には3Dプリンターで製作しています」という。
例えばボンネットは骨組みこそCV35型のパーツを一部使っているものの、外装はベニア板で型をとり、そこにFRPを貼り付けて、さらにそれを剥がしてパテで成形するという工程を踏んで作られているそう。
また、3Dプリンターで作ったのは特徴的なグリル周りで、プリンターで出したパーツ8個をくっつけて、塗装して製作したのだとか。
特に苦労したポイントを小西さんに聞くと「やはり特徴的なサーフィンラインです。L字のアルミ材で型をとったFRPを使用し、パテで面出しをしているのですが、固定方法で手間取ったり、左右を全く同じにしないと見栄えにも問題が生じるので調整に時間がかかりました」と答えてくれた。
なお、ボディカラーは学生が考えたオリジナルカラー「トモアキブルー」。ケンメリのブライトブルーメタリックをベースに、新たにパールを加え、懐かしさの中にも新しさを表現している。
シートカバーのロゴ刺繍やGTバッジにもこだわり!
インテリアでは、日産の純正シートカバーなどを製作する企業「サンショウ」の協賛を受けてオリジナルのシートカバー、内張りなどが採用されている。
「シートカバーの真ん中にはボディカラーと合わせたブルーを使い、アクセントで黒いラインを入れました。また、背もたれ部分にあるロゴの刺繍もこだわりのポイントです! ここは深い赤色にするか黒色にするかですごく迷いました」と楽しそうに話す小西さん。
最終的に深い赤色を選んだ理由は「6代目のスカイランであるR30型 RSグレードのエンジンヘッドカバーが深い赤色だったので、そこから着想しました」とのこと。
ケンメリのみならず、歴代のスカイライン全てに敬意を払いたいとの思いもあるようで、刺繍されたロゴの「NEO」という字体はR34型 スカイラインのエンジンヘッドカバーから採用。筆記体の「SKYLINE」は、ハコスカ ツードアハードトップのリアフェンダーエンブレムから採用したという。
他にもリアのGTバッジは現行のRV37型 スカイライン NISMOのものをブルーに塗り替えて使用するなど、各所にさまざまなスカイラインの要素が散りばめられていた。
過去の名車や現行車へ敬意を払いながらも、新しいものを作りたいという強い情熱が感じられたネオスカイライン。展示を見たオーディエンスにもきっと懐かしさと新しさを感じさせてくれたのではないだろうか。製作を担当した学生たちの今後の活躍にも期待したい。
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