東武東上線「大山駅」の高架化で周辺道路はどう変わる? ノスタルジックな街並みも激変か。【道路のニュース】
東武東上線「大山駅」における駅と周辺路線の高架化に伴い、周辺のアーケード商店街や踏切のある昔ながらの景観が、いま大きく変わろうとしている。完成すれば8か所の踏切がなくなり、歩行者やドライバーにとっても街の利便性や安全性が大幅に向上する。いったいどのような再開発事業になるのだろうか。
大山駅周辺の連続立体交差事業とは?
東武鉄道東上線「大山駅」を中心に約1.6kmにわたる区間で進行中の連続立体交差事業。この事業は、現在地上を走っている一部路線を高架化し地上の道路と立体的に交差させ、交通渋滞を解消するとともに安全性や利便性を向上させるものだ。
計画区間は、下板橋駅から中板橋駅の間。住所でいうと板橋二丁目から仲町付近までとなる。事業費は約428億円(東京都約342億円、東武鉄道約86億円)とされており、2022年7月に東京都と東武鉄道が施行協定を締結。正式に事業がスタートした。
大山駅の連続立体交差事業で路線を高架化すると駅周辺8か所の踏切が撤去され、踏切前の車両の渋滞緩和や歩行者の利便性や安全性の向上に大きな期待が寄せられる。さらに、鉄道と駅舎をはさんで分断されていた街がひとつになり、新たなにぎわいにもつながりそうだ。
しかし、周辺は商店街と住宅街で家屋も密集している。どのようにして高架化の工事を進めていくのだろうか。
これからどうなる? 大山駅と周辺の工事
東武東上線「大山駅」の連続立体交差事業は、下り線と上り線の高架化に合わせ大山駅のホームも高架化される。
まずは、仮設線路の準備から。現上り線の北側に仮設の「仮上り線」を設置し、上り線をスライド。次に、現上り線の位置に「仮下り線」を設置し、下り線をスライド。計画路線上にある東上線を北側に移動する。
次に、現下り線のあった場所に下り線の高架を建設。高架が完成したら下り線を高架化して運行開始。そして、仮下り線があった場所に上り線の高架を建設。高架が完成次第、上り線も高架化して運行開始。これで元の位置で高架化が完了する。
大山駅でも、駅の南側と北側をつなぐ仮設地下道を設置し、下り線と上り線をつなぐ跨線橋を撤去したうえ、高架ホームの建設を開始する。これに伴い、下り線ホーム側の南口と上り線ホーム側の北口はなくなる。
かわりに、仮設地下道に接続するかたちで、上り線ホーム側に「遊座大山商店街」とつながる改札口と現在の東口付近に改札口を設ける。
東武鉄道は、東上線「大山駅」の連続立体交差事業の工事を今年度中に着手し、6年後の2030年の完了を目指すとしている。
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