三遠南信道の難所「青崩峠道路」はいつ開通する? トンネル工事も大詰めで「分断国道」の解消に期待。【いま気になる道路計画】
国土交通省中部地方整備局の飯田国道事務所は、三遠南信自動車道「青崩峠道路」のトンネル工事の進捗について、2024年9月30日時点で内側をコンクリートで覆う「覆工」の作業が99%完了していることを発表した。この道路が開通すれば国道152号に2か所ある不通区間、いわゆる「分断国道」のひとつが解消される見通し。開通の目途は立っているだろうか?
青崩峠道路の開通はもうすぐ?
国土交通省中部地方整備局の飯田国道事務所は、三遠南信自動車道「青崩峠道路」のトンネル工事について2024年9月30日時点で、内側をコンクリートで固める「覆工」 の作業が99%完了していることを発表した。難所として知られる「青崩峠トンネル」は昨年5月に貫通。現在も開通に向け、覆工や照明などの設置、舗装の工事を進めている。
三遠南信自動車道は起点の長野県飯田市から終点の静岡県浜松市までを結ぶ延長約100kmの高速道路で、そのうち長野県と静岡県を縦に結ぶ一部の区間は国道152号と並行している。
起点の長野県上田市と終点の静岡県浜松市をつなぐ国道152号は、急峻な地形と脆弱な地盤のため道路整備を進められなかった2か所の不通区間を抱えている。このような車両の通行できない区間を持つ国道は「分断国道」として知られている。
国道152号の不通区間のひとつが「青崩峠」だ。長野県と静岡県の県境にまたがる「交通の要衝」でありながら、車両は急勾配と急カーブの連続する兵越峠のルートを強いられてきた。
この課題を解消するため1983年(昭和58年)に事業化されたのが「青崩峠道路」だった。脆弱な地盤のため青崩峠にトンネルをとおすことはできず、迂回路の市道を活用するルートを選定したものの、脆弱な地盤に阻まれ工事を進められなくなった。その後、土木技術が発展したことで、青崩峠にトンネルをとおす検討をしたうえ、2019年(平成31年)に「青崩峠トンネル」の着工に至った。
青崩峠道路の開通の目途について、飯田国道事務所に問い合わせたところ、トンネルも貫通し覆工も99%完了しているものの、設備や舗装の工事にも時間を要するため、現段階で開通の時期は未定という。引き続き、工事の進捗を見守っていきたい。
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