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クルマ最終更新日:2024.05.30 公開日:2024.05.29

ポルシェ、新型「911(992型後期)」を発表! 初の電動ターボハイブリッドシステム搭載で走りはどう変わる?

ポルシェが新型「911(992型後期)」を発表した。最大の目玉は、911史上初となるハイブリッドモデル「911カレラGTS」の登場だ。新開発の「T-ハイブリッド」は911の走りに何をもたらすのか?

文=原アキラ

写真=Porsche AG

ポルシェ 911カレラGTS|Porsche 911 Carrera GTS

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911初のハイブリッドモデルを世界初公開

独ポルシェは5月28日、新開発の3.6L水平対向エンジンに電動ターボチャージャーと電気モーターを組み合わせた初の公道走行可能なハイブリッドモデルの911である「911カレラGTS」と、刷新した3.0L水平対向ツインターボエンジンを搭載した「911カレラ」をワールドプレミアした。

911カレラGTSが搭載する軽量でパワフルなハイブリッドシステムは「T-ハイブリッドシステム」の名で呼ばれる。搭載する新開発の電動ターボチャージャーは、コンプレッサーとタービンの間に電気モーターを組み込んだもので、瞬時にターボチャージャーの速度を上げることでブースト圧を即座に上昇させることができる。この電気モーターはジェネレータとしても機能し、最大11kW(15PS)の電力を発生。このエネルギーは排気ガスの流れから取り出される。電動ターボチャージャーはウェイストゲートがないため、従来のツインターボに代わって1つのターボチャージャーのみで使用が可能になるのがミソだ。

911カレラGTSのドライブトレイン。ハイブリッドモデルとしながらも、先代モデルからの重量増加はわずか50kgという。

さらに、8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)に組み込まれた40kW/150Nmの永久磁石同期モーターがエンジン出力をサポート。バッテリーは従来の12Vタイプと同じサイズ/重量ながら、最大1.9kWhのエネルギーを蓄えつつ400Vの高電圧で作動するものを搭載。エアコンプレッサーを電動で駆動することでベルト駆動が省略でき、エンジンのコンパクト化が可能になったおかげで、排気量を0.6L増加させることに成功した。

その3.6L水平対向エンジンは、電動アシストなしで357kW(485PS)の出力と570Nmのトルクを発生し、システム合計では398kW(541PS)/610Nmを公称。先代比で45kW(61PS)の出力アップにより、0-100km/h加速3.0秒、最高速度312km/hを実現している。

もう1台の911カレラは、刷新された3.0L水平対向ツインターボエンジンを搭載し、290kW(394PS)の出力と450Nmのトルクを発生。そのパフォーマンスは0-100km/h加速4.1秒(スポーツクロノパッケージ仕様車は3.9秒)、最高速度は294km/hとなっている。

縦に配置された5枚のアクティブ冷却エアフラップ。

進化したスポーティな足回りとエクステリア

911カレラGTSはサスペンションも包括的に見直され、高速走行時の安定性と回転半径を小さくすることを目的としたリアアクスルステアリングを初めて標準装備した。またポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)アンチロール安定化システムをT-ハイブリッドシステムの高電圧システムに統合することで、電気油圧制御システムの使用が可能となり、作動の柔軟性と精度がさらに高まった。GTSモデルでは可変ダンパーシステム(PASM)を備えたスポーツサスペンションと10mm下げた車高がその特徴になっている。

エクステリアは、フロントでは標準装備の4灯グラフィックのマトリックスLEDヘッドライトと専用バンパーが特徴だ。外側から見えるバンパー左右の5つの縦に配置されたアクティブ冷却エアフラップと両側に隠れたフラップが、必要に応じて開閉することで空気の流れを制御する。ホイールは19/20インチ、または20/21インチで、計7つのデザインを用意している。

新型911のインテリア。911では初となるフルデジタルコックピットとエンジンのスタートボタンが採用された。

911初のフルデジタルコクピットを採用

クーペモデルは標準では2シーターとして設計されており、必要であれば追加料金なしで2+2にアップグレードできるという。メーターパネルは911初のフルデジタルとなり、12.6インチの曲面ディスプレイは、レヴカウンターを中央に配した伝統的なポルシェ5連メーターをはじめ、最大7種類の表示方法が可能になった。

また、ドライビングモードのカスタマイズ性やドライバーアシスタンスシステムの操作性が大幅に改善されたポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)システムは、10.9インチの高解像度センターディスプレイで操作できる。ただし重要なコントロールエレメントがステアリングホイールとその周囲に直接配置されるのはポルシェのお約束で、ドライビングモードスイッチ、ドライバーアシスタンスレバーのほか、911では初となるスタートボタン(ステアリング左側)が含まれる。

モデルラインアップは、911カレラが後輪駆動のクーペ(1694万円)とカブリオレ(1943万円)、911カレラGTSではクーペ(2254万円)とカブリオレ(2503万円)のほか、その4輪駆動モデル(2365万円と2614万円)とタルガ(4輪駆動、2615万円)までが用意される。

ポルシェ 911カレラGTS|Porsche 911 Carrera GTS

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