カーディスプレイが驚異の進化! オシャレすぎる「ダブルビュー」の映像体験とは?【人とくるまのテクノロジー展2024】
ここ最近のクルマのインパネはタッチパネル式ディスプレイを採用したデジタル式か、物理スイッチを多用したアナログ式に分かれ、それぞれが進化の最中にある。今回はTOPPAN株式会社が開発した最新ディスプレイ「DOUBLE VIEW(ダブルビュー)」を“デジタル派”に向けて紹介する。
TOPPANの「ダブルビュー」がスゴイらしい。実際に見た感想は?
2024年5月22~24日にかけパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2024」では、3日間でのべ7万5972名が来場。この国内最大級の自動車技術展では、未来を意識した製品や技術がいくつも展示されていた。今回はその中でも筆者が事前情報で注目していたTOPPANの最先端ディスプレイ「ダブルビュー」について紹介したい。
TOPPAN株式会社環境デザイン事業部は住宅・非住宅向けの建材製品を扱い、魅力的な空間づくりを提案する部門だ。同社が開発したダブルビューは、空間に溶け込むインテリアディスプレイとして木目調の柄などが入った特殊化粧シート「ダブルビューフィルム」を使用。ディスプレイの存在を隠しながら、鮮明な映像表示を可能としたスタイリッシュなソリューションだ。同社では4月末から建築内装向けにダブルビューを製品化しているが、この技術をモビリティ向けに応用したモックアップを当イベントで初出展した。
筆者はまずTOPPANブースで壁と一体化したダブルビューを体験した。ここでは木目調の壁に動物や植物の動画が映し出されていた。自分の眼で確認した感想は、プロジェクターから投影された映像よりも輪郭や色味がはっきりとしているように感じた。それでいて、映像の背景には常に木目があるのが何とも不思議な感覚だった。ただし、スマホやタブレットPCほどの視認性はないので、小さな文字を読むような目的には適していないようにも思えた。
次に車載用ダブルビューのモックアップも確認してみたが、電装品の操作を行う中央のモニターも内装と一体化していたため、ダッシュボードのスッキリ感が際立っていた。スピードメーター等の細かな情報はステアリング上にまとまり、物理スイッチはどこにも見当たらない。
ちなみにダブルビューフィルムの柄は木目調だけではなく、金属柄、石目柄、カーボンなどの抽象柄も用意されており、センターコンソールなどにも採用できるという。
ダブルビューはどんな構造?
ダブルビューはどのような構造になっているのかというと、壁などにディスプレイを埋め込み、そこにダブルビューフィルムを貼ったカバーを装着するというシンプルな仕組みだ。
厚み0.001mmのダブルビューフィルムには、リアルな素材の表現と光を透過する印刷技術が盛り込まれている。このおかげで映像が映っていないときはフィルムそのものの柄が反射して見え、映像が流れているときは映像の反射の方がフィルムの柄より強く見えるのだそうだ。
なおフィルム越しでもタッチパネル操作は可能だが、タッチ操作の精度を含め、映像の輝度・解像度などはディスプレイそのものの性能に依存している。そのためダブルビュー越しの映像体験の質を上げるためには、ディスプレイを調整するか、より高品質のディスプレイを用意する必要があるという。
ダブルビューを標準搭載しているクルマはまだ存在していないそうだが、車内がスッキリして高級感が増すこの技術は、EVやラグジュアリーカーで需要がありそうだ。今後、実装されていくことを期待したい。
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