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最終更新日:2023.06.19 公開日:2023.05.19

交通マナーの悪化? ウインカーを正しく出す心構えとは

なかなか改善しない交通ルールのひとつがウインカー出しだ。道路上で注意喚起を促す表記や、ウインカーの消し忘れ対策機能を搭載した車も登場しているが、改善には至っていない。正しくウインカーを出せる「技術」を持つ人の増加が必要だ。

文=くるくら編集部

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改善しないウインカー出しのルール

(c)tournee – stock.adobe.com

JAFが発表した「交通マナー」に関するアンケート調査結果で、交通マナーの悪い都道府県というものがたびたび話題に上がる。設問の中には、方向指示器(またはウインカー、合図、ターンランプなど)を出さずに車線変更や右左折する車が多い都道府県は? という項目があり、「とても思う」と「やや思う」を選んだ人の合計をみると、ワースト3は岡山県91.0%、香川県90.7%、徳島県87.5%で、地元の人が交通マナーの悪さを実感している。

では、他の地域はマナーがよいかというと、全国の平均値を見ても77.1%の人が悪いと感じていた。このアンケート調査は2016年6月と約7年前に実施されたものだが、現在も改善された感はあまりない。

JAFが2016年の6月に、全国の車ユーザー6万4677名を対象に行った交通マナーに関するアンケート調査。画像=JAF

分かりやすい例は、右左折する直前や、曲がっている最中、車線変更を行う際に一瞬だけウインカーを出す車だ。酷い場合、信号待ちしているときには出さず、青信号に変わってからウインカーを出す人や、終始ウインカーを出さないままの車を見かけることもある。

画像=広島県警察

ウインカーを出す理由は、周囲の道路利用者に対して次の行動を示すことで、追突・巻き込みなどの事故を避け、安全で円滑な交通を生み出すことだ。ウインカーは、右左折や転回をする地点の30m手前、同一方向に進行しながら車線変更をする際は、車線変更をする3秒前からウインカーを出し、進路変更が完了するまで継続する決まりがある。

また、右左折や転回・車線変更の際に合図が不十分な場合は「合図不履行違反」と見なされ、普通車の場合は反則金が6000円と、違反点数が1点加算される。

ウインカーの補助機能は微妙?

ウインカーレバーを半押しすると、3~5回まで自動的に点滅する「ワンタッチウインカー」機能。(c)崇正 魚谷 – stock.adobe.com

不十分な合図といえば、ワンタッチウインカー機能を搭載した車が国産車でも増えてきたが、この機能についても賛否の意見が分かれている。ワンタッチウインカーとは、ウインカーレバーを軽く押すだけで約3秒の間、ウインカーが3~5回点滅(車種で異なる)したあと、自動的に消灯するという機能だ(※既存の車の場合、レバーを軽く押している間だけ点滅)。本来は、車線変更時のウインカーの消し忘れに有効とされている機能だが、ワンタッチウインカーが点滅している約3秒の間に車線変更の開始~完了するには時間が足りないため、扱いづらいと指摘する声が挙がっている。

一瞬だけウインカーを出す人や、消し忘れが多い人にとってはよい機能かもしれないが、これまで問題なくウインカーを使えていた人にとっては、むしろ不便な自動機能と感じる人もいるようだ。たしかに、3~5回の点滅で右左折も車線変更も十分だと誤解する人が増えてしまうと、交通ルールを守らないひとはさらに増える可能性がある。ウインカー出さない問題がある中で、このあたりの機能はメーカーにしっかり検討してもらいたいとも思うが……。

マツダ「CX-30」のウインカーには「ディミングターンシグナル」が採用されている。既存の”カチッカチッ”という点滅ではなく、鼓動のような生命感ある光り方が特徴。かっこよく光るウインカーが増えれば、ウインカーを出さないドライバーも減るかもしれない。写真=マツダ

正しいウインカー出しは立派な技術!

保険会社のチューリッヒが2022年に実施した「あおり運転実態調査」では、あおり運転をされた経験があるドライバーのうち、自身のどんな行為があおり運転のきっかけとなったか? と質問している。これに対し「無理な車線変更をした」が24.4%で最も多い意見となっている。このことからも、自分本位の運転は例え事故が起こらずとも、周囲の道路利用者を困惑させたり苛立たせる原因となることを認識しなければならない。

正しくウインカーを出すことは、意識さえすれば誰でも守れるルールのはずだが、それができないドライバーが多数いて、かつ安全運転を阻害したり、あおり運転の要因になってしまっている。もはや、ウインカー出しは訓練して身につける「技術」になってしまったのかもしれない。どちらにしても、全ドライバーに確実に身につけてもらいたいものである。

2022年6月11日~6月13日に、1週間に1回以上運転している全国のドライバー2230人を対象に実施された、あおり運転に関する調査結果。画像=チューリッヒ

岡山県と香川県では2005年ころに、追突事故が多い交差点を対象に、交差点から30mの位置にウインカー出しを促進するマークを設置していた。岡山県では「星形合図マーク(写真左)」を、香川県では「オリーブマーク(写真右)」を導入。いずれも設置後に事故は減ったものの、香川県のある交差点では、右折時にウインカーを出す車は6割以下のままだったという(2006年当時)。画像=国土交通省

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