ぺしゃんこの「空き缶」が100万円!? クルマに轢かれた驚きのアート作品とは?
クルマに轢かれた空き缶を集めたアート展「缶轢展」CAN・REKI・TENが、4月21日から東京の表参道で開催される。
クルマに轢かれた「空き缶」がアート作品に
クルマに轢かれた空き缶を集めたアート展「缶轢展」CAN・REKI・TENが、4月21~23日の3日間、東京の表参道にて開催される。
「缶轢 CAN-REKI」は、クルマに轢かれた空き缶の潰れたカタチをそのまま楽しむアート。作者は、空き缶アーティストの名雲康晃氏。名雲氏は2010年から活動を開始し、これまで約2000点に上るさまざまな形の空き缶を集めてきた。今回は、その活動の中で見出した、選りすぐりの約30点が展示販売される。一番高額な作品は、100万円もの値段が付けられているという。
空き缶アートを始めたきっかけ
名雲氏が空き缶アートを始めたのは、東京のとある駐車場でクルマを停めようとしたところ、「カチャ」という音がして缶を轢いていると感じたことがきっかけだという。潰れた缶を拾うと、それはコカ・コーラのボトル缶だった。缶をよく見ると、センターにロゴがあり、ボトルキャップも閉まった状態だったという。偶然にしては出来すぎたその姿に美しさを感じ、銀座の画廊で額装してもらったことが、空き缶アートとの出会いだという。
空き缶アートの魅力は?
潰れた缶には、何度もクルマに轢かれたことでしか出せない味わいがあるという。また、轢かれたタイミングにより、潰れているのに何故か立体的に見えたりするものなど、目を見張るような形を備えた空き缶もあるのだとか。
それから、空き缶を拾う場所によって、缶の種類が異なるのも魅力のひとつ。駐車場付近には缶コーヒーが多く、繁華街では缶ビールやエナジードリンクが圧倒的に多い。一方で野菜ジュースの缶は、ほとんど落ちていないという。「轢かれた空き缶は今の世相を反映しており、その摩訶不思議に魅せられて、日々作品を拾い集めている」と名雲氏は言う。
空き缶アートは、「誰がどんな気分で飲み物を飲み、路上に捨てたのか」また、「空き缶を轢いたクルマは、どこへ向かったのだろう」など、考えるきっかけをくれる。そこには、同じ時間を生きる誰かの人生が浮かび上がってくるはずだ。見知らぬ誰かを想う時間をくれるのも、このアートの魅力だ。
循環型アート
空き缶アートは、廃棄物をゴミとして捨ててしまうことなく、新しい価値を持った作品にしている地球に優しいアートと言える。このような取り組みは、クリエイティブリユース、廃材アート、エコアート、リサイクルアートとも呼ばれており、今後の循環型社会を考える上でも重要な、新しい取り組みのひとつと言えるだろう。
気になる方は、ぜひ会場を訪れてみてはいかがだろうか。
【展示会概要】
「缶轢展」CAN・REKI・TEN
会期:4月21日~23日 13:00~18:00
住所:東京都港区南青山5-4-46内田ビルRF
アクセス:表参道駅 徒歩4分
入場:無料