第50回 東京モーターサイクルショーを振り返る。国内バイク4メーカーの方向性を確認!
過去最大の出展者数・出展規模(166者・1,018小間)で開催された第50回 東京モーターサイクルショー。3日間の開催での総入場者数は13万9,100人で、前年比で112.7%増という盛り上がりを見せた。今回は、イベントのまとめとして国内バイク4メーカーの様子を五十音順に紹介する。
Kawasaki ブース
カワサキブースの中央ステージに設置されていたのは、大阪モーターサイクルショーで世界初公開となった新型の「ELIMINATOR(エリミネーター)」だ。400ccはここ数年では減少しつつあるクラスという印象があったが、復活したエリミネーターを皮切りに、400ccクラスが充実する可能性もある。実際に車両に触れて跨がれる展示スペースでは、Ninja、Z、W、ヴェルシスなどの人気シリーズが揃っており、お馴染みのカワサキグリーンカラーを採用したモデルが多数出展されていた。
今回の新作を含めると、カワサキの現行モデルは750cc以上が16モデル、401~750ccが6モデル、251~400ccが7モデル、126~250ccが9モデル、125cc以下が2モデルとなる。
SUZUKI ブース
「踏み出そう ー鼓動たかめてー」をブースのテーマとしていたスズキ。新発表モデルの「GSX-8S」、「V-STROM(Vストローム)800 DE」、「BURGMAN STREET(バーグマン ストリート)125 EX」をはじめ、22車両が展示された。
ブース内でひと際目立つ位置に展示されていたのが、イエローカラーが特徴的な「Vストロームシリーズ」だ。Vストロームはオンロード・オフロードを問わずに楽な姿勢で乗り続けられるスポーツアドベンチャーモデルで、新作の800 DEは新開発のコンパクトな並列2気筒エンジン(775cc)が搭載され、エンジンのみの展示もあった。また、同じエンジンを搭載したロードスポーツモデルのGSX-8Sも登場し、注目を集めていた。
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ホンダのブースを紹介!
Honda ブース
最も入場待ちが長かったホンダでは「HondaGO BIKE LAND」をテーマに、38モデルの車両を並べて体験型ブースを展開。ブースの中央には円形ステージにバイクが設置され、メリーゴーランドの要領でバイクの疑似走行体験を楽しめる「ホンダゴーランド」では、来場客が童心に返って試乗を楽しんでいた。
注目モデルはアドベンチャースポーツの「XL750 TRANSALP(トランザルプ)」と、「CL250/500」、電動スクーターの「EM1 e:(イーエムワン イー)」だ。往年の名機「CL」が復活する形となり、トランザルプはマルチパーパス(多目的)というカテゴリーで過去に扱っていたモデルだが、当時は多目的=中途半端なバイクとしてマニアック扱いされた時期があったが、ユーザーの価値観も変わり時代が追い付いたことで、復刻が待ち望まれていたモデルだ。
※電動スクーターのイーエムワン イーについては別の記事で紹介予定。
YAMAHA ブース
ヤマハのブースは「#ヤマハではじまるバイクライフ」と、「#あつまれヤマハ乗り」という、バイク初心者と往年のヤマハバイクファンへの呼び掛けをテーマに、計33台の車両を展示。注目すべきは、免許取得から間もない若者や、リターンライダーに向けて125cc、155cモデルのラインナップが充実することだ。市販予定車としてストリートのMT-125、ネオレトロのXSR125、スポーツのYZF-R125、YZF-R15(155cc)がステージ上に並び、来場客を驚かせた。MTシリーズは250cc~1,000ccまで現行で5モデルがラインナップされているが、ここに125ccの末弟が加わる形となる。150cc以下は高速道路は走れないが、通勤、通学、街乗りで大活躍する原付二種に狙いを定めたこれらのモデルに対し、ユーザーがどのように反応するのか、非常に興味深いところだ。
人それぞれの「ちょうどいい」が見つかる
今回の展示会で驚いたのは、各ブースを見終えた後、そういえば原付ってあった? と感じたほど、原付モデルの展示は印象が薄かったことだ。そしてそれは国内4社のEVモデルにも言えることなのだが、そのあたりは別の記事で紹介する。
小型二輪免許で乗れて、一般道を時速60kmまで出して走れる125ccは、これまではスクーターのようなシティコミューターが支えてきたが、ホンダのモンキー125、Dax125、CT125、グロムなどの登場により、気軽に乗る楽しみ方が注目されるようになった。ここにヤマハも参戦することで、新規バイクユーザーがさらに増えそうな予感がする。
中型バイクでは250ccが変わらず人気で、ここ数年は車検が必要な400ccモデルは次々と姿を消していったが、カワサキのエリミネーターが復活したことで、400ccもちょうどいいバイクとして盛り上がる可能性がある。
大型バイクは700~800ccモデルがますます充実した。そこに現れたホンダのCL500も面白いところを突いてきた。かつて中途半端と言われたクラスがこうして充実してきたということは、バイク業界そのものが潤い、活気があるということだ。あとは、新作・現行モデルが欲しいときに在庫があれば最高なのだが……。