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最終更新日:2023.04.04 公開日:2023.04.04

第50回 東京モーターサイクルショーを振り返る。国内バイク4メーカーの方向性を確認!

過去最大の出展者数・出展規模(166者・1,018小間)で開催された第50回 東京モーターサイクルショー。3日間の開催での総入場者数は13万9,100人で、前年比で112.7%増という盛り上がりを見せた。今回は、イベントのまとめとして国内バイク4メーカーの様子を五十音順に紹介する。

文・写真=くるくら編集部

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Kawasaki ブース

 カワサキブースの中央ステージに設置されていたのは、大阪モーターサイクルショーで世界初公開となった新型の「ELIMINATOR(エリミネーター)」だ。400ccはここ数年では減少しつつあるクラスという印象があったが、復活したエリミネーターを皮切りに、400ccクラスが充実する可能性もある。実際に車両に触れて跨がれる展示スペースでは、Ninja、Z、W、ヴェルシスなどの人気シリーズが揃っており、お馴染みのカワサキグリーンカラーを採用したモデルが多数出展されていた。

 今回の新作を含めると、カワサキの現行モデルは750cc以上が16モデル、401~750ccが6モデル、251~400ccが7モデル、126~250ccが9モデル、125cc以下が2モデルとなる。

写真左が、ドライブレコーダーを標準搭載し、ヘッドライトカウルを追加した「エリミネーター SE」、価格は85万8000円。写真右上が「エリミネーター」で、価格は75万9,000円。ロー&ロングなボディのどっしりとしたクルーザースタイルと思いきや、車体重量は176kgと軽量で、スポーツ的な操作も楽しめる。ともに水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒。

スーパーチャージドエンジンを搭載するスーパーモデル「Ninja H2 SX SE」価格は305万8,000円。会場内通路側に目立つように、専用のディスプレイフレーム内に展示されていた。

写真左は4月8日に発売開始のZシリーズのフラッグシップモデル「Z H2 SE」ニューカラー&グラフィックモデルで、価格は225万5,000円。写真右はカワサキが正規取り扱いを行っているイタリア・ビモータ社の「KB4」が1台のみ展示されていた。KB4はNinja 1000SX用の並列4気筒エンジンを搭載した特別仕様。

SUZUKI ブース

 「踏み出そう ー鼓動たかめてー」をブースのテーマとしていたスズキ。新発表モデルの「GSX-8S」、「V-STROM(Vストローム)800 DE」、「BURGMAN STREET(バーグマン ストリート)125 EX」をはじめ、22車両が展示された。

 ブース内でひと際目立つ位置に展示されていたのが、イエローカラーが特徴的な「Vストロームシリーズ」だ。Vストロームはオンロード・オフロードを問わずに楽な姿勢で乗り続けられるスポーツアドベンチャーモデルで、新作の800 DEは新開発のコンパクトな並列2気筒エンジン(775cc)が搭載され、エンジンのみの展示もあった。また、同じエンジンを搭載したロードスポーツモデルのGSX-8Sも登場し、注目を集めていた。

発色の良いイエローが目を惹くVストローム三兄弟。手前が初発表モデルの「800 DE」で価格は132万円、中央が「1050 DE」で価格は171万6,000円、奥の「SX(250cc)」は参考出品。

日本自動車殿堂において「GSX 1100S KATANA」が2022年に歴史遺産車として登録。そのリニューアルモデルである「KATANA」が特設スペースに展示され、シート試乗待ちの行列を作っていた。現行モデルのKATANAの価格は160万6,000円。

写真左はエンジンとフレームがVストローム800 DEと共通の、今回新たに発表された「GSX-8S(775cc)」で、価格は106万7,000円。写真右も今回発表されたコンパクトスクーターの「バーグマン ストリート 125EX」で価格は31万7,900円。写真=スズキ

次のページでは、
ホンダのブースを紹介!

Honda ブース

 最も入場待ちが長かったホンダでは「HondaGO BIKE LAND」をテーマに、38モデルの車両を並べて体験型ブースを展開。ブースの中央には円形ステージにバイクが設置され、メリーゴーランドの要領でバイクの疑似走行体験を楽しめる「ホンダゴーランド」では、来場客が童心に返って試乗を楽しんでいた。

 注目モデルはアドベンチャースポーツの「XL750 TRANSALP(トランザルプ)」と、「CL250/500」、電動スクーターの「EM1 e:(イーエムワン イー)」だ。往年の名機「CL」が復活する形となり、トランザルプはマルチパーパス(多目的)というカテゴリーで過去に扱っていたモデルだが、当時は多目的=中途半端なバイクとしてマニアック扱いされた時期があったが、ユーザーの価値観も変わり時代が追い付いたことで、復刻が待ち望まれていたモデルだ。
※電動スクーターのイーエムワン イーについては別の記事で紹介予定。

かつて市場への登場が早すぎたと言われたトランザルプが復活。水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒エンジンを搭載。発売は5月25日を予定しており、販売価格は126万5,000円。

こちらも復活となった名車でスクランブラータイプの「CL250」。シート下に配置されたアップマフラーやセミブロックパターンタイヤがスクランブラーらしさを演出。シート高は790mmと低く、足つきも良好。このモデルも人気が出そうだ。CL250の発売は5月18日予定で価格は62万1,500円。

写真左はCL500にETC2.0車載器キットやパニアバッグなどを装着してツーリングの利便性を向上させたツアースタイルで、車両本体の価格は86万3,500円。写真右はCL250にヘッドライトバイザーやアップフェンダー、ナックルガードなどの純正アクセサリーを装着したクロススタイル。

YAMAHA ブース

 ヤマハのブースは「#ヤマハではじまるバイクライフ」と、「#あつまれヤマハ乗り」という、バイク初心者と往年のヤマハバイクファンへの呼び掛けをテーマに、計33台の車両を展示。注目すべきは、免許取得から間もない若者や、リターンライダーに向けて125cc、155cモデルのラインナップが充実することだ。市販予定車としてストリートのMT-125、ネオレトロのXSR125、スポーツのYZF-R125、YZF-R15(155cc)がステージ上に並び、来場客を驚かせた。MTシリーズは250cc~1,000ccまで現行で5モデルがラインナップされているが、ここに125ccの末弟が加わる形となる。150cc以下は高速道路は走れないが、通勤、通学、街乗りで大活躍する原付二種に狙いを定めたこれらのモデルに対し、ユーザーがどのように反応するのか、非常に興味深いところだ。

スポーツバイク「Rシリーズ」のエントリーモデルとなるであろう「YZF-R125」のアクセサリー装着車。日本での仕様や価格は不明。

欧州・アジアですでに人気のMT-125。こちらはノーマルのシアンカラー。

外装キット「THE FIRST Ténéré BODY KIT」を装着した「Ténéré700(テネレ700)」。テネレ700は欧州では累計4万台以上を売り上げている人気のアドベンチャーバイクで、本体価格は134万2,000円。

人それぞれの「ちょうどいい」が見つかる

 今回の展示会で驚いたのは、各ブースを見終えた後、そういえば原付ってあった? と感じたほど、原付モデルの展示は印象が薄かったことだ。そしてそれは国内4社のEVモデルにも言えることなのだが、そのあたりは別の記事で紹介する。

 小型二輪免許で乗れて、一般道を時速60kmまで出して走れる125ccは、これまではスクーターのようなシティコミューターが支えてきたが、ホンダのモンキー125、Dax125、CT125、グロムなどの登場により、気軽に乗る楽しみ方が注目されるようになった。ここにヤマハも参戦することで、新規バイクユーザーがさらに増えそうな予感がする。

 中型バイクでは250ccが変わらず人気で、ここ数年は車検が必要な400ccモデルは次々と姿を消していったが、カワサキのエリミネーターが復活したことで、400ccもちょうどいいバイクとして盛り上がる可能性がある。

 大型バイクは700~800ccモデルがますます充実した。そこに現れたホンダのCL500も面白いところを突いてきた。かつて中途半端と言われたクラスがこうして充実してきたということは、バイク業界そのものが潤い、活気があるということだ。あとは、新作・現行モデルが欲しいときに在庫があれば最高なのだが……。

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