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最終更新日:2022.12.16 公開日:2022.12.16

0秒精算の次世代パーキングが好調。便利なうえに、設置も簡単安価。

精算機を必要としないAIパーキングが全国で少しずつ増えている。駐車場サービスや街づくりを行う株式会社Raku-Pは、2022年11月に0秒精算が特長の新しいパーキングサービスを開始し、サービス開始後1か月で会員数が1,000人を突破した。0秒精算を実現させた「Raku-P」から、次世代パーキングの姿をみてみよう。

文=原田磨由子
画像・動画=Raku-P

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次世代パーキングはシンプルゆえに優秀!

 「AIパーキング」という新スタイルの時間貸駐車場が次々と誕生している。以前にも「1分1円パーキング」を紹介したことがあったが、このようなAIパーキングの大きな魅力は「利用者にも経営者にも優しい仕組み」であることだ。

 空地の有効活用として一時期、低リスクゆえにコインパーキング経営を始めたという土地のオーナーが増えていた。しかし、実際に利益を出すことはそう甘くはなく、利用者の需要と設定料金の見極めは非常にシビアで、投資コストの回収がうまくいかないという経営者が続出していた。そうした状況を打破すべく、登場したのがAIパーキングである。

 AIパーキングはロック板や精算機の設置が不要で、カメラとPCを搭載した小さな設備で完結しているのが特徴だ。そのため、既存のコインパーキングと比べて初期費用を圧倒的に抑えられることが可能になっている。運用コストについても、精算機やロック板の故障などのトラブルがなくなり、メンテナンス費用を大きく削減できる。また、万が一トラブルが起きても、現場への緊急出動を要さず、遠隔でも解消できるケースが多いことも管理のしやすさに貢献している。

 そして、初期費用と運営コストを削減できることで、利用者に対してもお得なサービスを提供できるようになる。この相互作用が、AIパーキングが注目される理由だ。

2つの「Raku-P」を紹介!

 今回紹介するAIパーキング「Raku-P」では、パーキングとしての設備はカメラとPCを搭載したポールに、看板だけで完結するため、初期費用が既存のコインパーキングよりも30%~90%削減できるというから驚く。このRaku-P事業は今年の10月から広島でスタートし、すでに福岡・山口・岡山・愛知・東京・神奈川で、Raku-PとRaku-P Lightを合わせて23か所で稼働している。会員数は1,000人を突破し、現在も開設準備が進んでいる。

 Raku-PとRaku-P Lightはどのように使うか、それぞれ見てみよう。

■Raku-Pの場合
 このRaku-Pの強みは「0秒精算」で、クルマを停める際も、精算する際にも、特に何もせずに自宅のように入出庫が可能となっている。これは、カメラが常にナンバープレートを撮影することで、ナンバープレートとクレジットカード情報をAIが紐づけし、入出庫を自動で管理しているからこそ実現できるサービスだ。

 利用にあたっては、Raku-P会員か、非会員かで決済方法が変わるので注意したい。結論から言うと、0秒精算を利用するなら、会員登録が必須となる。非会員の場合は、QRコードを読み込んで決済方法を選択し、その場で決済する必要がある。

 AIパーキングを利用したいだけなら非会員でも問題はないと思うが、会員登録は事前にナンバープレートとクレジットカードの登録を行う程度で、500円分として使える500ptが付与されるうえ、利用するたびにポイント還元もされるため、会員登録を済ませておいた方が賢明だ。

Raku-Pの特徴。シンプルな構造のおかげで、1台分しかスペースがないような場所でも土地活用ができる。

 駐車場の空き状況はサイトから検索することでリアルタイムで確認することも可能だ。ちなみに筆者のように「駐車場は現地で探す」派が世の中には多いと信じているが、20代以下の世代は「事前に検索」派の方が多いらしく※、事前登録や空き状況を調べる仕様は、まさに次世代向けということなのだろう。

 現在実働しているRaku-Pや、空き状況はこちらから➡https://raku-p.jp/service/
駐車場の選び方で世代が分かる? 時間貸駐車場アンケート結果より

しっかりと駐車枠を確保できれば路面もアスファルトである必要がない。



■Raku-P Lightの場合
 Raku-P Lightは、「均一料金」と「予約が可能」が特徴のパーキングだ。こちらはRaku-Pのように自動で精算することはできないが、設置コストがRaku-Pよりも低いため、利用者への還元として設定料金をさらに低くすることが可能となっている。会員も非会員も利用手順が同じなのも人気の理由だろう。AIパーキングの存在を知らない人が多いのだから、まずは体験してもらって、慣れてきたら0秒精算のRaku-Pを……という考えのオーナーもいるのだろう。実際にRaku-P Lightの方が全国での設置数も多いようだ。

Raku-P Lightの特徴。周辺のパーキングより設定価格が安い。予約サービスは会員限定。

 ロック板もなく、そのまま精算せずに出ることができてしまう仕様にも関わらず、今のところ、Raku-Pでの違法駐車は現時点で0件だという。理由は利用車のナンバーをカメラとAIによって管理されることで、不正はできないと理解する人が多いからだろう。ちなみに不正駐車をすると当然、ナンバープレートと車両はAIによって記録され、通報される。次回以降は駐車しようとしても未精算のままだとアラートが鳴動し、利用を拒否される仕組みになっている。

出庫する際も、オンライン決済で精算することができるので、車から降りる必要がない。

知って得する、知らぬと得せぬ? 次世代サービス

 既存のコインパーキングでは、新500円玉、一万円札などが対応しておらず、自動販売機で両替目的で飲料を購入したり、自分のクルマを停車させた枠番を忘れて往復したり、前の人が精算に苦戦してなかなか出庫できなかったりと、時間貸駐車場ゆえの不便さを感じたことがある人もいるのではないだろうか? AIパーキングなら、それらの問題はすべて解消してくれるだろう。

 Raku-PのようなAIパーキングは、キャッシュレス決済に慣れた人なら違和感なく利用できる便利なサービスだ。今後の普及を期待したい。

Raku-Pの目指す街作りは、ただ駐車するだけでなく、街と街をつなげる役割、人と人とが会える場所にする。これまでにない駐車場の可能性にRaku-Pはチャレンジ、駐車場から移動に新たな価値を提供する”街づくり”への貢献を目指している。

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