トップレベルの安全性を持つクルマ! トヨタ「ヴォクシー・ノア」とスバル「ソルテラ」がファイブスター賞を獲得
自動車の安全性能を評価する「JNCAP」において、トヨタ ヴォクシー・ノアと、スバル ソルテラ(トヨタ bZ4X)が、最高評価にあたるファイブスターを獲得した。今年からより厳しい試験項目が加わったJNCAP。その試験項目や、試験映像、試験の裏側を見ながら、日本のクルマの安全性への努力がどれほど素晴らしいかを再認識し、クルマ選びの参考にしよう。
JNCAPとファイブスター賞
ファイブスター賞を決める「自動車アセスメント(JNCAP)」とは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が実施している、自動車の安全性能評価のことだ。1995年から毎年実施され、新車販売される車種から試験対象車種を選考し、安全性能に関するさまざまな試験を実施し、結果を公表している。
2022年度からは走行する自転車に対してのブレーキ性能試験が追加され、予防安全性能(91点満点)、衝突安全性能(100点満点)、事故自動緊急通報装置(8点満点)の、計199点となっている。統合した評価が199点満点中158.23点以上、かつ予防安全性能と衝突安全性能が共にAランクで、事故緊急通報装置を備えていると、最高評価の★★★★★(ファイブスター)が与えられる。
トヨタのヴォクシー・ノアが93% (186.44 / 199点)、続いてスバル「ソルテラ」と、ソルテラの姉妹車であるトヨタ「bZ4X」が93% (186.16 / 199点)に達し、ともに「ファイブスター賞」を獲得している。(※2022年11月13日時点)
ヴォクシー・ノアの安全性能
以下は、トヨタによるヴォクシー・ノアの安全性能の説明。
■予防安全性能
ヴォクシー・ノアは、従来よりもセンサーの検知範囲が広がった。歩行者や自転車に加えて、交差点での車両や自動二輪車との出合頭事故なども想定。対応する事故範囲を広げた衝突被害軽減ブレーキなど、複数の予防安全システムをパッケージ化して標準装備している。また、踏み間違いなどによる衝突被害を軽減する、加速抑制装置を装備。歩行者や自転車を検知して加速を抑制する、低速時加速抑制機能も追加している。
■衝突安全性能
サードシートまで守る6つのSRS エアバッグに、全方位コンパティビリティボディ構造で、万が一の衝突時に乗員の傷害低減に貢献する。
■事故発生時の救助
事故時にエアバッグが開いた場合、自動で専門オペレータに接続して警察や救援機関に通報するための、車載通信機を標準装備。車両データから重傷確率を推定し、ドクターヘリの出動を要請するという、先進事故自動通報システムにも対応している。
ソルテラの安全性能
以下は、スバルによるソルテラの安全性能の説明。
■予防安全性能
ブレーキ制御等による衝突回避支援機能を含めた予防安全システム「SUBARU Safety Sense」を標準装備。進路上の車やバイクだけでなく、交差点で対向する自動車・自転車・歩行者など幅広い対象物を検知し、事故の未然防止や被害軽減に貢献。
■衝突安全性能
BEV専用プラットフォームとしてトヨタと共同開発したe-SUBARU GLOBAL PLATFORMを採用。衝突時の衝撃をボディ全体で分散・吸収するマルチロードパス構造により、乗員の安全性を確保し、バッテリーなどの高電圧を有する部品に対しての保護性能を高めている。また、高強度な超高張力鋼板を多用し、高い衝突安全性能と軽快な走りを両立させる車両重量の軽量化を実現している。
■事故発生時の救助
エアバックが作動するような大きな事故の際、オペレーターへ自動で接続し警察や消防への通報、事故の状況に応じて緊急車両の派遣に対応するサービス機能を搭載。
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JNCAPの舞台裏を紹介!
自動車安全性能試験の裏側もスゴイ!
国土交通省とNASVAはJNCAPのメイキング映像も公開している。動画では車の衝突安全試験で使用されるダミー人形の繊細な造りや、試験の精度を高めるための車両や装置の位置調整を行う様子を確認できる。特に、衝撃試験で破損した車両の予備パーツを何度も差し替えるシーンは、想像以上に手間がかかっていることがわかるので、ぜひ視聴してみて欲しい。
今年のファイブスター「大賞」はどうなる?
ファイブスター賞の中でも最も高い得点を得た車両には、ファイブスター「大賞」が与えられる。2021年度は13車種でJNCAPが実施され、スバル「レガシィ アウトバック」が、190点満点中185.02点(97%)を獲得し、見事、頂点の座に輝いた。
日本で最も安全なクルマと言えるファイブスター賞だが、今回に続く車両の登場や、さらにその中で頂点となるファイブスター大賞は、どのクルマになるのか、続報を楽しみに待ちたい。