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最終更新日:2023.07.06 公開日:2022.01.09

仏像大好き芸人みほとけがオススメする関東四大仏ドライブ旅!

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記事提供元/カエライフ

みなさん、大仏は好きですか? 巨像に、トキメいてますか??

こんにちは!この記事を書いているライターの木村衣里です!

カエライフ編集部から「関東近郊の大仏を巡ってきてください!」と連絡があり、改めて大仏について考えてみました。

だけど、そもそも大仏との接点なんて修学旅行くらいなもので、大仏リテラシーはゼロに等しい。旅先で寺社仏閣をお参りすることはあっても、大仏を意識したことはないし、おそらく、でっっかい大仏を前にして「でけー!! すげーー!!」と、見たまんまの感想しか言えません。

そんな心配を編集部に漏らしたところ、「大丈夫です! 今回は仏像好き芸人のみほとけさんが解説&オススメしてくれる大仏を巡ってもらうので!」と、心強い返答が。

みほとけ
2015年アイドルとしてデビューし、2016年ミス鎌倉を1年間務めた。年間100近いお寺を訪れており拝観した仏像は1,000 体を超える。尊敬するものに近づきたいという気持ちから自身を愛する仏に扮して表現する「仏モノマネ」をSNSで公開するなどしている。

Twitter: @mihotoke_chan

Instagram: @mihotoke_chan

今回は、仏像好き芸人として活動されているみほとけさんに大仏の魅力や楽しみ方を教えてもらいながら、オススメの四大仏を巡っていきます。

東京駅から出発です!

日本最大の巨大仏 本山東本願寺「牛久大仏」を目指す

zoom越しに大仏の魅力をアツく語ってくれるみほとけさん。お部屋の背景からして、もう本気度が違う

木村:みほとけさん、今日はよろしくお願いします!

みほとけ:よろしくお願いします!! 今日巡っていただくコースはこちらです。初心者の方にも楽しんでいただけるドライブルートを組んでみました! 実は関東には車でいける距離に素敵な大仏がたくさんあるんです。

今回の関東大仏巡りコース

  1. 牛久大仏(うしくだいぶつ)茨城県牛久市
  2. 東京湾観音(とうきょうわんかんのん)千葉県富津市
  3. 薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)千葉県安房郡
  4. 釈迦涅槃仏(しゃかねはんぶつ)千葉県館山市

木村:牛久大仏は日本で一番大きい大仏ですよね。さすがにわたしも知っています!
そもそも、今回巡る「大仏」や「観音」、「如来」にはどういった違いがあるんですか?

みほとけ:実は「大仏」も「観音」も「如来」も、どれも仏像であることに変わりはありません。じゃあなにが違うかというと、それぞれの階級が違うんです。

木村:階級……?

みほとけ:「如来」とは最高位の仏様で、すでに悟りを開いた状態。次に、如来になるため修行中の身である「菩薩(観音)」、3番目が今回巡る中にはありませんが、恐い表情をした「明王」、最後に七福神に代表される「天」です。

木村:へええ〜〜!! 仏様にも階級があるなんて知らなかったです。その違いを頭に入れておくだけでも、見え方が変わってきそうですね。

まずは牛久大仏を目指して、ひた走る

東京駅を出発してから1時間ちょっと。

高速を降りる直前あたりから、最初の目的地「牛久大仏」の頭が見えてきました。

牛久大仏が見えた瞬間、「でか〜」と口にしていた

どう見たって、でかい。街に対しての「異物感」満載な光景に思わず笑ってしまう

ということで、着きました! 牛久大仏です!!

N-BOXとともにパチリ。大仏と合うシックなブラウンに乗ってきました!

木村:みほとけさん、牛久大仏に到着しました! 牛久大仏、めちゃめちゃ大きいですね……! 車窓から見えた時も大きいなと思ったけど、近くに来るとかなりの存在感です。

みほとけ:大きさに圧倒される感じは、巨大仏ならではの魅力ですよね。わたしも、何度見ても「でかっ!」て思います(笑)。
大仏さまは屋外にいることが多いので、天候や周辺の自然の変化によって、いつ見ても違う表情をしているんです。何度見ても飽きずに感動できるのが、大仏の魅力だと思います。

ちゃんとお参りを済ませたら……

ドォーン! ついに牛久大仏とご対面です

木村:みほとけさん、牛久大仏の見どころはどんなところでしょう?

みほとけ:まずは、なんといってもこのデカさですよね。ブロンズ製の大仏としては世界一の高さがあります。

木村:たしかに。これはもう説明不要というか、見たら誰もが「でかい!」と感じる迫力があります。

みほとけ:大仏の見え方って、周辺環境によっても変わるんです。たとえば山の中にある大仏だと木と比べて大きく見えたり、丘の上なんかにある場合も下から見上げるので大きめに感じたりします。一方の牛久大仏は平地にあるうえ、周辺には比較になるようなものがなにもないんです。それなのに、全長120mの迫力がダイレクトに伝わってくるというか。

木村:正面に立った瞬間の圧がすごいですもんね。

みほとけ:あとは、とても整った顔立ちをされているのもポイントです。大仏って、サイズが大きくなればなるほど、大きくすることに制作のパワーを注ぐので、正直ディティールはそこまで……という場合も多いんです。でも、牛久大仏は体と顔のバランスも整っていて、下から見上げた時にかっこよく見えるように造形されています。

どこから見上げても目が合うようになっているのだとか

みほとけ:大仏様の中はビルみたいになっていて、いろいろな展示がされていたり、極楽浄土が再現されていたりと、こちらも楽しめますよ!

実物大の足の指が展示してあった。指先の高さがわたしの身長(160cm)とほぼ一緒

金色に輝く永代供養のフロアがあったり(許可を得て撮影しています)

胸の部分にあるスリットから周囲の景色が見られたり

写経体験もできる!

みほとけ:もし車でお越しになるなら、ぜひ大仏様の「後ろ姿」も見てほしいですね。
大仏様の後ろ姿って安心感があるというか、広くて大きくて、まるで父の背中を見ているような気持ちになるんです。思わず肩に飛び乗りたくなる良さがありますよ!

みほとけさんオススメの後ろ姿を見届けたら、次の目的地へ走ります

真っ白な巨大迷路「東京湾観音」

次にやってきたのは千葉県富津市にある「東京湾観音」。

下から見ても美しい…!

木村:みほとけさん! この観音様、真っ白ですね。すごく綺麗です!!

みほとけ:ですよね! 微笑んでいるようなお顔はすごく美人だし、腕にドレープのあるレースをかけているのもオシャレですよね。こういう風にドレスを着ているように見えるのは、飛鳥時代の観音様に多く見られる特徴ですね。

木村:東京湾観音の見どころ、ほかにも教えてください!

みほとけ:ここは胎内が楽しいですよ。最上部まで続くらせん階段を、自分の足で登っていくんです。背骨のような柱が一本通っていて、その周りをぐるぐると登っていくのですが、首より上は階段がかなり狭くなるので、ちょっとした冒険気分を味わえます。

全部で324段ある階段を登っていく

みほとけ:一番上までいくには15〜20分ほどかかるんですけど、階段の途中にこの観音様の造形を作った方の作品や仏像が飾ってあるので、飽きずに登れると思いますよ!
東京湾を一望できる眺めの良さも特徴なので、ぜひがんばって登ってみてください!

各階に七福神や木彫りの仏像がある。どれも東京湾観音の原型の作者である彫刻家・長谷川昴(はせがわこう)氏の作品

階段を登っていて、急に明るくなったと思ったら……

展望台に出ました! しかも目の前に観音様の指がある!!!

内側から観音様の「※白毫(びゃくごう)」に触れることもできる

※白毫…眉間のすこし上に生えている、右巻きに丸まった白く長く柔らかい毛のこと

天気が良ければ、東京湾を一望できる抜群のロケーション。晴れた日には青い空に真っ白な東京湾観音が映えるんだろうなあと想像が膨らみました。あいにく撮影時はどんより空だったので、晴れた日のリベンジを誓い、次の目的地へと出発です。

自然と一体化する 鋸山日本寺「薬師瑠璃光如来」

木村:次に向かうのは、日本寺ですね。こちらはどんな特徴がある大仏なんでしょう?

みほとけ:大仏には3つ種類があって、ブロンズ(青銅)、コンクリート、石製にわかれます。牛久大仏は青銅、東京湾観音はコンクリートでしたが、日本寺は石です。しかも、巨大な岩山を削って彫り出した仏様です。

木村:岩山から直接彫り出すって、めちゃめちゃ大変そう……!

みほとけ:1783年(天明三年)に、石工の大野甚五郎英令が27人の門徒と一緒に3年かけて彫刻したものが原型になっています。その後、昭和の時代に修復が行われて今のお姿になっているのですが、絶妙に風化していたり、傷んでいたりするんですよね。苔が生えてたり。そういう経年劣化が、いい味になっているんですよ〜!

木村:なるほど。自然と一体化し始めているというか、今まで見てきたのとは違う、ワイルドな風貌を想像しています。

案内図にもどでかく描かれた大仏

みほとけ:いい読みですね! 地図を見ていただくとわかる通り、日本寺の敷地はとても広いです。鋸山のほぼ半分が日本寺と言っていいほど広いので、全部見て回ろうと思うと一日がかりになると思います。
ただ、今回オススメした「薬師瑠璃光如来」のある大仏広場までは、一番近い管理所から5分ほどなので気軽に行けますよ!

階段を登って……

「大仏」看板に従って歩いていると

お、あれは頭かな……?

全長31.05mの大仏様が現れた!

木村:だんだんと自然に取り込まれているような大仏ですね。個人的にはこの自然と一体化した感じ、とても好きです!!

みほとけ:いいですよね!! 木々が生い茂っていることで迫力が増しているというか。
しかもこの薬師如来は、少年っぽい涼やかなお顔もいいんですよ。大仏のお顔の違いって馴染みのない方にはピンとこないと思うんですけど、この大仏は比較的わかりやすいと思います。

言われてみればたしかに……? お顔のふっくら感が幼さを引き立てている気がする

異国情緒あふれる 常楽山萬徳寺「釈迦涅槃仏」

いよいよ最後の目的地、萬徳寺に向かう

最後に訪れるのは千葉県館山市にある萬徳寺。「釈迦涅槃仏」、わたしは初見で読めなかったのですが、みなさんわかりますか……? 「しゃかねはんぶつ」と読みます。涅槃仏とはお釈迦様が入滅、つまり亡くなる直前の姿を表した仏像のこと。

木村:みほとけさん、ラストは立ち姿ではなく横たわった大仏なんですね!

みほとけ:そうです! ただ横になって休んでいるわけではなく、亡くなる瞬間、煩悩の火が吹き消えた境地にいるとても尊いお姿なんです。
静か〜に、穏やか〜に微笑み横たわる姿は見ていて癒されますし、立ち姿とはまた違った良さがありますね。

赤い看板が目印!!

うっそうと茂った木々の間を、すこし不安になりながらも進んでいくと……

いきなり現れた!! しかも、でかい……!

みほとけ:萬徳寺さんの釈迦涅槃仏は体長16mでブロンズ製。ブロンズ製の涅槃仏としては世界的に見てもかなりレアな大きさです。巨大な仏像が横たわっている姿はなかなかの衝撃体験ですよね。

木村:正直、サイズだけでいうと今日見てきた中で一番小さいはずなのに、すごく大きく感じますね。距離が近いからかな。

みほとけ:たしかに、立っていらっしゃる大仏を見上げるよりも、同じ目線上に横たわっているほうが大きく感じるかもしれないですね。

この大きさ、伝われっ……!!

みほとけ:こちらの涅槃仏は異国情緒あるエキゾチックなお顔立ちなんですよね。これはガンダーラ様式といって、2〜3世紀のインドから伝わる仏像の特徴です。
お参りの方法もインド式なので、ここはぜひ倣ってやってみてください。

まずはお線香を5本取って

正面にある線香台に線香を供え、手を合わせます

あとは、長いらせん状になっている台座を時計回りに三周します

一周するごとにどんどん近づく大仏様。遠くからだとわからなかった螺髪のディティールや、全長の大きさに目を奪われます

御御足に到着しました!

最後に、両手で三角形をつくり、足裏に額をあてて祈願します

お祈りが終わったら、あとは正面から直線的に降りてくるだけ。

周囲を歩きながら徐々に近づいていく過程で、これまでの大仏とは違う表情、ディティールに気づくことができるのがおもしろい!

みほとけさんの言っていた通り、鼻筋がシュッとしていてエキゾチックなお顔だち!

大仏様は、みんな違ってみんないい

木村:今回、みほとけさんのレコメンドで関東近郊の大仏を4つ回りました。正直なところ、大仏との接点って学生時代に修学旅行で奈良の大仏を見たくらいなので、今日一日楽しめるか心配だったんです。

みほとけ:かなり正直に話してくれましたね。

木村:でも、結果、めちゃーーめちゃたのしかったです!!!

みほとけ:あ、よかった! それはよかったです!! つまらないって言われたらどうしようかと……。

木村:大仏って、こんなに個性豊かだったんですね。それに、遠くから大きな大仏が見えた瞬間の「でかーっ!!!」という衝撃は、何度体験してもいいものでした。

みほとけ:うんうん。わたしも未だに、毎回新鮮な驚きと感動を与えてもらっています。それでいいんです。あれだけ大きな大仏様を目の前にすると、自分が小人にでもなったような感覚になりますよね。

木村:はい。圧倒的な大きさになにも言えなくなるというか。

みほとけ:仏像に関する知識って、歴史や難しいものもたくさんあるんです。だけど、初心者の方はそういうのは抜きに、まずは姿の面白さを堪能してもらえれば! 周りをぐるぐる見てみたり、胎内に入ってワクワクしたり。大仏様はなんでも受け入れてくださるので、好きなように楽しんでもらって大丈夫です!

さいごに

今日一日、さまざまな大仏を巡ってみて感じたのは、大仏様の圧倒的な存在感と偉大さ、畏敬の念でした。

取材のなかで「大仏がどんどん大きくなったのは、お釈迦様の存在の大きさ、人々の思いが込められているから」という話を聞き、妙に納得しました。

雄大な自然や満天の星空を目にした時、途端に自分の存在がちっぽけになるような、悩みが小さくなるような感覚。あれと似たものを、今回の取材を通じて感じたのです。

人は自分よりも圧倒的に大きい存在を目の前にすると、悟りを開くのかもしれませんね。

木村 衣里(きむら いり)

北海道函館市出身。Web系編集プロダクションを経て2018年7月に独立。フリーランスの編集ギルドチーム「Huuuu」所属、「東京銭湯 – TOKYO SENTO -」元編集長。全国を取材で飛び回りながらいろんなお風呂にはいるのが好きで、動物はもっと好き。この世で一番愛らしいのはカバだと思っています。

Twitter:@kimurairi

文/木村 衣里

監修/みほとけ

写真/高山 諒(ヒャクマンボルト)

※この記事は、カエライフに2021年10月4日に掲載されたものです。

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