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最終更新日:2021.12.09 公開日:2021.12.09

ドライブレコーダーの事故映像からドクターヘリの出動を要請。東京海上日動など2023年度に導入へ

ドライブレコーダーを使った救急自動通報システムの開発が進められている。東京海上日動火災保険、救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)、プレミア・エイドの3法人が2023年度に導入を予定する、ドラレコの事故映像をもとにドクターヘリの出動を要請する新サービスとはどのようなものなのだろうか。

文=くるくら編集部

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交通事故負傷者の救命・後遺症軽減のため、交通事故時にドクターヘリの迅速な出動を目指す。©kelly marken– stock.adobe.com

「救急自動通報システム」(D-Call Net)って何?

 東京海上日動火災保険、救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)およびプレミア・エイドの3法人は共同で、ドライブレコーダーで取得した交通事故の映像をもとに、救急や病院にドクターヘリの出動を要請する救急自動通報システム「第2種 D-Call Net」について、2023年度の導入を目指すと発表した。

 そもそも、救急自動通報システムとは何だろうか。「第2種」とあるように、第1種にあたるものは、すでに導入されているのをご存じだろうか。

 交通事故負傷者の救命・後遺症軽減のため、交通事故時にドクターヘリの迅速な出動要請のための通報をすることができる「救急自動通報システム」(D-Call Net)は、2018年から運用を開始。2021年9月末時点で約300万台の乗用車が搭載している。

 これまでの救急自動通報システム(第1種 D-Call Net)は、車載の事故情報計測・記録装置(EDR)から自動送信されたデータをアルゴリズムにかけて瞬時に予測。算出された死亡重傷確率に基づき、コールセンターのオペレーターが車両位置情報、死亡重傷確率などを通話内容とともに消防機関とドクターヘリ基地病院に通報・連携して、ドクターヘリの迅速な出動ができる仕組みだった。

 今回3法人は、救急自動通報システムのさらなる普及と、通信型ドライブレコーダーを活用したサービスのさらなる高度化を目指し、業界初となる”画像活用型”の救急自動通報システムとして「第2種 D-Call Net」の構築を開始する。

「第2種 D-Call Net」では何が進化した?

第2種 D-Call Netにおける、ドクターヘリの出動要請通報イメージ<資料提供=東京海上日動火災保険>

 第2種 D-Call Net は、東京海上日動火災保険が運用している任意自動車保険の付帯サービスである事故自動通報サービスを土台とした性能向上により、これまで搭載が困難であった軽自動車をはじめとする国内の乗用車などのほぼ全ての既販車(二輪自動車や原動機付自転車以外)にも搭載できるようになるという。

 また、新車に装着される、いわゆる第1種 D-Call Net よりも優れている点として、通信型ドライブレコーダーからの事故瞬間時の映像が利用できるということがある。これにより、事故時の歩行者や自転車など交通弱者の状況も通報対象にできるため、ドクターヘリの出動要請の要否判断に大きく寄与することになると期待されている。

 なお、第2種 D-Call Net は、2022年度に一部のドクターヘリ基地病院と消防機関における試験運用を経て、2023年度からは全国において順次本格運用を予定している。

2023年度の運用開始を予定する第2種 D-Call Net。後付が可能なのと、映像をもとに状況を判断するのが第1種との大きな違いだ。<資料提供=救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)>

2018年から運用している救急自動通報システム(第1種 D-Call Net)の発動方法について<資料提供=救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)>

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