全国初ETC決済のドライブスルー。多目的活用に向け検証が活発化
ETCを高速料金の決済以外に活用しようという動きが活発化している。NEXCO中日本はその一環として、日本初のETC決済可能なドライブスルー試験運用を8月3日から実施している。また、専用サイトで試験運用モニターも募集中だ。
ETC多目的利用サービス拡大が狙い
高速道路や有料道路の料金支払いに利用されているETCを、様々な分野で活用しようというETC多目的利用の動きが活発化している。その一つとして、ドライブスルーにおけるキャッシュレス決済の試験運用が8月3日から開始された。NEXCO中日本が日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(以下、KFC)など4社と実施するこのサービスは、2013年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」で示された方針にもとづき、ETC多目的利用サービスの拡大に向けた取り組みのひとつだ。
参加する会社は、KFCの他、沖電気工業株式会社(民間利用のETCアンテナ開発)、ソニーペイメントサービス株式会社(ETCクレジットカード決済代行)、株式会社メイテツコム(各ETC対応システム機器の連携システム構築)、そしてNEXCO中日本(ETC無線のセキュリティ管理)だ。これら各社の技術とノウハウの結集により、ネットワーク型ETC技術(※1)を活用することで、セキュリティが確保された安全なシステム運用を、比較的安価に実現するめどが立ったことから、実店舗での試験運用に至った。
※1 店舗や駐車場などに設置した路側機と、別の場所に設置したセキュリティ機能を有した情報処理機器を通信ネットワークで接続し、路側機の情報を一括処置する。路側機のセキュリティ機能を簡易にできるため、コストを抑えながら、ETCカードを用いた決済の安全性も確保できる技術のこと。
ETC多目的利用サービスによるドライブスルーは日本初の試みで、期間は11月30日まで。実施店舗は神奈川県にあるケンタッキーフライドチキン相模原中央店のみで、専用サイトにて試験運用モニターの募集も開始している。
今回実施されるシステムの仕組みは、ドライブスルーにETCアンテナを設置し、店舗スタッフが代金を端末に入力することで、ETC車載器に挿入されているETCカードで決済するというもの。キャッシュレス化による利便性向上や決済処理の効率化などの効果を検証し、今後のETC多目的利用サービスの普及促進に役立てることが狙いだ。
【試験運用モニター登録方法】
応募期間:2020年7月29日~11月13日
実施期間:2020年8月3日~11月30日
①専用サイト(https://etc-regist.meicom.jp/)のフォームにメールアドレスを記入して送信。
②「モニター会員登録案内」メール受信後、以下項目を登録。
・氏名
・住所
・連絡先
・クレジットカード情報
・ETC情報
※登録後、約1週間で利用可能