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最終更新日:2020.06.04 公開日:2020.06.04

あおり運転に厳しくなった改正道交法が成立。施行は6月末の見通し

6月2日、あおり運転に対する罰則を強化した改正道路交通法が衆議院本会議で可決・成立した。これまで明確な定義がなかったあおり運転は「妨害運転」と規定され、最高で5年以下の懲役が科せられることとなる。施行は6月末からの見通しだ。

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あおり運転に厳しく。違反1回で免許取り消し対象に

© yamasan – stock.adobe.com

 近年、あおり運転により発生した死傷事故が社会問題化したことなどを受けて、罰則を強化した改正道路交通法が62日、衆議院本会議で可決・成立した。今までの道路交通法にはあおり運転を取り締まる規定はなく、「車間距離保持義務違反」や「安全運転義務違反」、刑法の「暴行罪」「危険運転致死傷罪」などが適用されていた。しかし、2日に可決・成立した改正道路交通法では、あおり運転を「妨害運転罪」として新たに規定。他の車両の通行を妨げる目的の車間距離不保持や急な割り込み、不必要な急ブレーキなど10類型があおり運転としてみなされ、取り締まりの対象となる。

【あおり運転の定義となる10類型】
・車間距離不保持
・急ブレーキ
・割り込み運転
・幅寄せや蛇行運転
・不必要なクラクション
・危険な車線変更
・パッシング
・最低速度未満での走行
・違法な駐停車
・対向車線からの接近

 違反による罰則も強化される。

 違反による罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。さらに高速道路などで相手車両を停車させるなど、著しく危険な行為に対しては酒酔い運転と同じ5年以下の懲役または100万円以下の罰金という、より重い処罰の対象となる。行政処分では、これらに違反すると事故を起こしていなくても一回で即免許取り消しになるという。

 6月末の法施行に向けて、違反点数と免許の欠格期間が定められる予定だ。検討されている内容は、違反点数が25点で欠格期間は2年、さらに悪質な場合だと35点で同3年になる。
 なお、危険運転の適用範囲を拡大する自動車運転処罰法については、改正案が528日に衆院本会議で可決されたところだ。参院に送付され、今国会で成立する見通しだ。成立すると、改正道路交通法違反の行政処分にくわえ、他の車両を妨害目的で停車させるなど、運転により人を死傷させる行為は危険運転として刑事処分の対象となる。

 警察庁が発表したデータによると、2019年に車間距離不保持で摘発された事例は15065件にのぼり、前年比では2040件増だという。悪質なあおり運転に厳罰化を望む声は大きく、その声が今回の改正道路交通法の成立につながったといえる。ただし、改正後も道路交通法に違反しているかを判断するためには「客観的証拠」がないと立証が難しい場合もある。ドライブレコーダーなどで、状況を記録できるような対策も必要だ。

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