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最終更新日:2020.03.12 公開日:2020.03.12

防災対策にキャンピングカー購入を考える人が7割超え。調査結果から窺える防災意識の高さ。

一般社団法人日本RV協会(以下、JRVA)は、「キャンピングカーで防災を考える」アンケート調査で災害時のキャンピングカー使用に対する関心度を発表した。キャンピングカーは防災対策にどのように効果的か、調査結果とともに見ていこう。

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東日本大震災でのキャンピングカー活用の模様 出典:一般社団法人日本RV協会

 近年、多発する自然災害の中で、メディアの特集や自治体の取り組みなどで防災対策を目にすることが増え、防災意識の高まりも感じられるようになった。JRVAが実施した調査から窺える防災に対する実態をもとに、キャンピングカー活用の可能性について考えてみよう。

普段から防災対策をしている人は全体の約7

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 今回の調査は、JRVAのHP閲覧者とジャパンキャンピングカーショー2020の来場者の中から、キャンピングカーを所有している、またはキャンピングカーに興味を持っている人を対象に実施された。まず、「普段から防災セットを用意するなどの防災対策をしているか」という質問では、7割近くの人が普段から何らかの防災対策をしていると回答している。防災対策といえば、市販の防災セットを用意するだけではなく非常食として缶詰めなどの備蓄、また家族間での安否確認や避難場所確認なども含まれるだろう。そうした備えが7割にも浸透してきている結果には、防災意識が向上しているという具体的な事実として捉えることができる。

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 そんな中、「災害時に大切だと思うこと」を聞いた質問では、最も大切だと思うことは「場所」で23.9%だった。次いで僅差で「水」「電源」となったが、それらを使用するにも、まず場所が必要であることは事実である。まずは安心して身を落ち着けられる場所を確保したい、という回答が多いことは納得の結果であった。

災害時のキャンピングカー活用の期待大。ほぼ全員が活躍すると回答

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 さて、前項の結果を踏まえた上で「キャンピングカーは災害時に活躍すると思うか」という質問の結果を見てみよう。実に97.5%とほとんどの人が、災害時のキャンピングカー活用へ期待を寄せていることが明らかとなった。

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 キャンピングカー活用に対する期待の内訳については、ここでも「場所」が34.9%で最も多い。確かに避難所のプライバシー問題などは、災害のたびに多々取り上げられている。仙台市が東日本大震災後の2012年に実施した「東日本大震災に関する市民アンケート調査」でも、避難所で今後配慮してほしいことの1位に「間仕切りによるプライバシーの確保」が挙がっていた。寝食を行うにもまずは独立した「場所」が必要だという意識の高さが、災害時にはキャンピングカーを利用したいと、より思わせるのだろう。

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 続いて、実際に「防災のためにキャンピングカーを購入したいと考えたことがあるか」の問いに対して「はい」と回答した人は77.3%だった。相変わらず高い数値ではあるが、これは防災対策としての活用を期待する人の割合よりも2割低い結果である。これについては、次の質問の回答から理由が導き出せそうだ。

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 購入を考えていない理由として最も多かったのは、「コストが高い」で約4割だった。次に多かった理由「置く場所を確保できない」20%を見ても、キャンピングカーならではのサイズ感がネックとなっているようだ。また、普段利用する乗用車と2台購入することを想定すると、 “コスト” と “置き場所” のどちらも悩ましい課題であるといえよう。

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 購入を考えたことがある人でさえも、6割を超える人がレジャー利用を主と考えているようだ。あくまでも、いざという時には防災面でも活用したいと思っていることが明らかとなった。防災意識が世間に浸透しているとはいえ、防災対策のためだけにキャンピングカーを購入するという考えは、やはり一般的とは言い難いようだ。

災害時に身内以外にキャンピングカーを貸し出せる人は4割弱

出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカーで防災を考える」アンケートより

 災害時にキャンピングカーを避難所として活用したい人が多いことが明らかとなったが、それはあくまでも個人的な利用に限られるようだ。「災害時にキャンピングカーを身内以外に貸し出すことができるか」という質問に対しては、4割弱の賛同しか得られていない。自分たちの被災に備えたい気持ちは高く、一方他人に貸し出すことに抵抗があるという考え方が根強いようだ。

 2018年に発生した北海道胆振東部地震では、日本で初めて道内全域に及ぶブラックアウトが起きた。また、2019年には台風15号による千葉県を中心とした停電で全域復旧に数週間を費やすなど、被災時の電源確保の重要性が際立っている。
 今回の調査からは、そんな世の中のニーズに沿った理想的な避難場所のひとつとして、キャンピングカーの新たな利用価値の可能性を多くの人が感じていることが分かった。最近は、軽自動車のキャンピングカー “軽キャンパー” など、比較的安価で日常使いしやすいモデルも多数登場している。より気軽なモデルのキャンピングカーを購入する際には、防災対策の側面から車種を選ぶのも良いかもしれない。

【「キャンピングカーで防災を考える」アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:①日本RV協会ホームページ閲覧者
     ②ジャパンキャンピングカーショー2020来場者
※上記から、キャンピングカーを所有している、または興味を持っている人を対象とした。
調査方法:①Webアンケート
     ②ジャパンキャンピングカーショー2020来場者会場アンケート
調査期間:①2019年12月18日~2020年1月17日
     ②2020年1月31日~2020年2月2日

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