軽自動車・新車販売台数ランキング2019!N-BOXが5年連続トップ。
一般社団法人 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)は、2019年(1~12月)の軽乗用車の新車販売台数を発表した。トップはホンダ・N-BOXで、5年連続の首位戴冠となった。
2019年の新車販売台数(軽自動車)は3年ぶりのマイナス
2019年1~12月における軽自動車の新車販売台数は、全体で191万346台(前年比99.3%)と3年ぶりのマイナスとなった。
車種別で見ると軽乗用車は、147万9205台(前年比98.9%)と微減。一方、軽貨物車は43万1141台(前年比100.6%)と3年連続で増加した。
軽貨物車のうちボンネットバンは5万2543台(前年比155.0%)で増加。キャブオーバーバンは19万6034台(前年比93.9%)。トラックは18万2564台(前年比98.3%)でともに減少した。
軽自動車の中で唯一、ボンネットバンが販売台数を大きく伸ばしたのは、2018年7月に発売されたホンダ・N-VANの販売好調による影響が大きい。実にボンネットバンの販売台数のうち約86%をN-VANが占めているのだ。
N-VANは、N-BOXで開発されたプラットフォームをベースとしたトールワゴンタイプの商用車。燃料タンクを車両中央(前部座席下)に配置したことにより、広い室内空間を実現。助手席側のセンターピラーを廃したことにより、長尺物などの積み下ろしやすさが向上するなど、商業車としての使い勝手と快適性を兼ね備えたことで人気を獲得したようだ。
2019年メーカー別新車販売台数ランキング
次に2019年におけるメーカー別の新車販売台数(軽自動車)を見てみよう。
1位はダイハツで61万5240台(前年比100.6%)と僅かながら販売台数を伸ばし、5年連続のトップとなった。
一方、2位のスズキは57万3986台(前年比97.8%)と微減。主力のスペーシアと2018年7月にフルモデルチェンジしたジムニーは販売台数を伸ばしたが、それ以外の車種が振るわなかった。
3位のホンダも36万4833台(前年比98.7%)と微減。主力のN-BOXの人気は相変わらずだが、N-WGNが大きく販売台数を落とした。このスズキとホンダの販売台数減は3年ぶりである。
車名別新車販売台数ランキング トップ10
次に2019年における車名別の新車販売台数(軽自動車)をランキング形式で見てみよう。
1位:ホンダ・N-BOX 23万3500台(前年比104.8%)
1位は、ホンダ・N-BOXで販売台数は23万3500台(前年比104.8%)と前年より増加。2位以下に約7万8000台の差をつけて5年連続で首位をキープする結果となった。ちなみに乗用車でトップのトヨタ・プリウスの販売台数が12万5587台なので、N-BOXは乗用車全体でも首位である。
2位:ダイハツ・タント 17万5292台(前年比128.4%)
2位は、ダイハツ・タントで昨年の3位から1ランクアップ。販売台数は17万5292台(前年比128.4%)と大幅に増加させた。
タントは2019年7月にフルモデルチェンジ。プラットフォームを40kg軽量化し、エンジンにマルチスパーク(複数回点火)を採用するなどして低燃費化された。また、安全運転支援システムも刷新。衝突被害軽減ブレーキ、オートハイビームに加えACC(アクティブクルーズコントロール)、レーンキープコントロール、パーキングアシストなどを標準搭載したことが功を奏したようだ。
3位:スズキ・スペーシア 16万6389台(前年比109.4%)
3位は、スズキ・スペーシアで16万6389台(前年比109.4%)と前年よりを増加したが、2位のタントの伸び率に押される形で昨年2位からランクダウンして3位となった。
スペーシアは、2017年12月のフルモデルチェンジ以降、大きな刷新はない。2位のタントにACCが標準装備されたことで、トップ3の中で唯一ACCを標準装備していない(※)クルマとなったことがランクダウン要因かもしれない。
※スペーシアカスタムの最上位グレードのみ標準装備
4位:日産・デイズ 15万7439台
4位の日産・デイズは15万7439台(前年比111.3%)と増加。昨年の順位をキープした。
デイズは2019年3月28日にフルモデルチェンジして発売以来、6か月連続で前月比110%以上と販売台数を上積み。それ以降は失速したが結果としてトップ5入りを果たした。
5位:ダイハツ・ムーヴ 12万2835台(前年比90.4%)
5位のダイハツ・ムーヴは12万2835台(前年比90.4%)とトップ5のなかで唯一販売台数が減少した。
ムーヴは2017年にマイナーチェンジして販売台数を伸ばしたが、それ以降に大きな刷新はなく、2018年から2年連続で販売台数を落とした。
軽自動車のトールワゴン人気は継続!
ランキングを見てみると軽自動車のトールワゴン人気は継続しているようだ。トップ10にランクインした車種のうち、実に7台がトールワゴンだった。
7車種のうちトップ3は、すべて全高が1700mmを超えるトールワゴン(スーパーハイトワゴン)で後席にスライドドアを配している。残り4車種のトールワゴンは、全高1680mm以下とトップ3よりもわずかに高さが低いトールワゴン(ハイトワゴン)で、後席は普通のヒンジドアである。
同じトールタイプでも車内空間が一回り大きく、スライドドアの利便性を持った車両が人気だったことがハッキリと分かる結果であった。さらに4位までにランクインした車種は、普通・小型乗用車でトップであった「プリウス」を超える新車販売台数を誇っており、この人気は乗用車全体の潮流ともいえよう。2020年に、このトールワゴン人気を打ち破る車種は現れるのだろうか? 新車販売台数の動向を見守りたい。