首都高・神奈川7号横浜北西線の横浜青葉JCTの最高度地点付近から、横浜青葉ICを向いて撮影。連絡路は床版が敷き終わり、これからその上にアスファルトが敷設される段階。
今回公開された首都高・神奈川7号横浜北西線(K7北西線)の現場3か所のうち、東名高速と接続する横浜青葉JCTと、北八朔地区のトンネル内は、2018年11月にも報道公開されている。比較できるよう、1年前の画像も併せて掲載する。
K7北西線の全体図。横浜青葉JCTで東名高速と、同ICで厚木街道(国道246号)と、そして反対側の横浜港北JCTで第三京浜および首都高・神奈川7号横浜北線と接続する。第1弾では、横浜青葉JCT、横浜青葉IC(出入口)、そして横浜青葉JCTと発進縦坑(トンネル入口)の中間にある横浜青葉本線料金所を紹介する。首都高配布の報道向け資料より。
横浜青葉JCTの各連絡路はこれからアスファルトを敷設
横浜青葉JCTは、K7号北西線と東名高速が接続するJCTだ。なおかつ、横浜青葉ICも隣接しているので、いくつもの連絡路が行き交う複雑な構成となっている。
横浜青葉JCTの模型。首都高配布の報道向け資料をもとに、(1)~(3)の撮影ポイントを編集部で追記した。JCTの最高度地点は(1)の辺り。
そして下の2点は、横浜青葉JCTのほぼ同じ地点から同じ静岡方面を向いて撮影した画像だ。2019年10月時点で、各連絡路などは床版(白い部分)の設置が終わり、これからこの上にアスファルトが敷設されるところである。
2018年11月の報道公開時に、横浜青葉JCTの最高度地点(JCT模型の(1)の辺り)で静岡方面を向いて撮影したもの。左側に見えるのが東名高速。左手前が東京方面で、奥側が静岡方面。この時点で連絡路の橋桁は数か所を除いてかけ終わっていたが、床版はまだ設置されていなかった。
2019年10月現在の横浜青葉JCTの最高度地点よりやや下がった辺り(JCT模型の(2)の辺り)で静岡方面を向いて撮影。白く見えるのが床版で、この上にアスファルトが敷設される。
最高地点から、横浜港北JCT方面(料金所やトンネルの入口がある方向)に少し下った辺り(JCT模型(3)の辺り)で撮影。
上画像と同じ位置から望遠で料金所の周辺を撮影。赤い鳥居のような建築物は、K7北西線(下り)から東名高速へ向かうためのNEXCO中日本の料金所。トンネルの入口がある北八朔地域は田畑が広がる地域だ。
横浜青葉ICはK7北西線用に一部ゲートを撤去中
厚木街道(国道246号)と接続する横浜青葉ICの現場公開は行われなかったが、横浜青葉JCTの最高地点から望むことができた。K7北西線用の料金所は横浜青葉JCTを超えてトンネルの手前にあるため、K7北西線用に3~4番の料金所は撤去される。下の2点の画像はおおよそ同じ地点から撮影した2018年11月時点と2019年10月時点の料金所。
2018年11月時点の横浜青葉IC。この時点でまだ工事は始まっておらず、正面に見える木に隠れているふたつのゲートがK7北西線用の入口となり、料金所は撤去される。撮影地点はJCT模型(2)の辺り。
2019年10月現在。木がすでになくなっており、JCT上からでも料金所が見通せるようになった。
2019年10月現在はゲートの撤去作業が進む。
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続いては横浜青葉本線料金所を紹介!
横浜青葉本線料金所は建設の真っ最中
横浜青葉JCTと北八朔地区のトンネル入口のおおよそ中間に位置するのが、新設される横浜青葉本線料金所だ。ここは2018年11月時点では現場公開が行われず、今回が初めてである。この辺りから橋桁ではなく盛り土になり、まだ舗装されていないため、砂利道である。また建設資材も各所に置かれ、重機も稼働していて、まさに建設の真っ最中だった。
横浜青葉本線料金所の概要図。平面図は、左が横浜青葉IC・JCT側で、右がトンネル(港北JCT)側。首都高配布の報道向け資料に、(A)~(F)の撮影ポイントを編集部で追記した。
横浜青葉本線料金所。概要図(平面図)の(A)地点で撮影。右がK7北西線(下り)⇒東名のNEXCO中日本の料金所。中央が、横浜青葉IC入口からのK7北西線用の首都高料金所、左が、東名⇒K7北西線(上り)のNEXCO中日本の料金所。
首都高料金所のアップ。
K7北西線(下り)⇒東名の連絡路(概要図のピンク色)。(B)地点で本線料金所に背を向けて撮影。この先が、1ページ目の上から2・3番目の画像で見えている連絡路につながる。ここら辺はアスファルトが敷設されている。
横浜青葉ICとつながる連絡路(概要図の青色)。(C)地点で本線料金所に背を向けて撮影。1ページ目の撮影地点(横浜青葉JCTの最高地点)はこの先だ。
(D)地点、横浜青葉IC出口とつながる連絡路の下り車線側で、本線料金所の方を向いて撮影。橋桁区間と盛り土区間の接点だ。
東名高速⇒K7北西線(上り)の連絡路(概要図の緑色)。(E)地点で本線料金所に背を向けて撮影。右手を流れるのは鶴見川。
(F)地点で撮影したこの連絡路は通常使用されるものではなく、概要図のグレーの「排出路」。違反車などはここを通って高速道路から一般道に降ろされる。また右のグレーの建物は首都高職員のための休憩所。休憩所の陰には、NEXCO中日本の計算所も建設されている。
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続いてはトンネル(地下区間)!
発進立坑も天井がふさがれ、各種防災設備も設置されつつあるトンネル内
今回は、横浜青葉本線料金所から横浜港北JCT方面へ進み、北八朔地区の入口からトンネル内へ入った。首都高配布の報道向け資料をもとに作成。
K7北西線のトンネル(地下)区間はおよそ4.1km。全長7.1kmなので、トンネル区間は6割弱となる。トンネルの内径は11.5m、トンネル下端から3分の1ほどの高さに床版が設置されており、その上にアスファルトが敷設される。床版の下には、避難通路が設けられている。
概要図の(a)地点、北八朔換気所の下辺りで、横浜港北JCT側を向いて撮影。まだアスファルトが敷設されておらず、床版がむき出しとなっている。
4.1kmのトンネル区間のうち、3.9kmがシールドマシンによって掘られ、そしてセグメントがはめられてできたシールドトンネル区間となる。下画像は、シールドマシンを降ろすために開けられた発進立坑。上下線共に、日程をずらして2017年3月に横浜港北JCT方面へと向かって掘り進み始めた。2018年9月に横浜港北JCTに近い、到達立坑まで掘り抜いた。
2017年3月の報道公開で、シールドマシン発進の様子を発進立坑の上から撮影。シールドマシンを地下に降ろすため、発進立坑は巨大。シールドマシンはパーツごとに分割して降ろされ、地下で組み立てられた。
2018年11月の報道公開時の発進立坑の底にて。
概要図の(b)地点、発進立坑跡をトンネル内から撮影。天井がふさがれているが、巨大なスペースはそのまま残されている。また、上下線の間もふさがれている。
トンネル内で火災が発生した場合、首都高・神奈川7号横浜北線などでも採用されている、床版の下に設けられた避難通路を利用することになる。また、すでに各種防災設備も設置が進んでいた。
通常、避難通路へは非常口のすべり台を使うが、ところどころに消防隊員などが利用するための非常階段もある。今回は、すべり台で避難通路に降りて、この非常階段で車道部に戻ってきた。
トンネル区間は2層構造になっており、下3分の1のスペースが避難通路。天井は床版。火災などが発生した際にはここを通って避難する。避難通路は気圧を高く設定することで、有毒ガスなどが侵入しない仕組み。
25m間隔で設置されている自動火災検知器。このほか、50m間隔で、押しボタン式通報装置、水噴霧設備、消火器・泡消火栓を設置。100m間隔ではテレビカメラおよび非常電話、200m間隔の拡声放送スピーカーなどが設置されている。
(b)地点の発進立坑近辺から入口方面を撮影。このあともアスファルトの敷設や各種防災設備の設置など、完成まで作業はいくつも残されており、工事が各所で進む。
2018年11月時点と比較すると完成が近づいているが、これからも作業が続く。2020年3月まで半年であることを考えると、この後も急ピッチで作業が進められていくものと思われる。