京急電鉄が浮き上がって見える案内表示「錯視サイン」を羽田に設置。
「トリックアート」などで、静止している図形が動いて見えたり、平面な絵が飛び出して見えたりする目の錯覚を「錯視」という。そんな錯視を活用したユニークな案内表示が京急電鉄で採用された。
まるで立体! 錯視サインは何のため?
京浜急行電鉄株式会社(東京都港区:以下京急電鉄)は1月28日、羽田空港国際線ターミナル駅に、目の錯覚を活用した案内表示「錯視サイン」の設置を開始した。「錯視サイン」は、実物の看板と異なり、床に貼り付けた絵が立体的に見えるだけで実際は平らなので、凹凸が無く、歩行の障害となることはなく、ハッと目を引く案内を行うことができるという。
同駅の改札内コンコースに設置された「ホーム行きエレベーター」の場所を示す錯視サインは、まるで長い四角柱が床に横たわっているように見えるもの。その手前には、床のタイルがはがれて穴が開いたように見える矢印も設置されている。
同社によると、この錯視サインは、羽田空港からの訪日外国人利用者に、エレベーター利用を促すことで、同駅構内における効率的な旅客誘導やエスカレーターでの手荷物落下による事故の防止を目的としているという。
錯視作品展やフォトスポットも!
錯視サイン近くの壁には、京急電鉄の車両が壁から飛び出して見えるトリックアート「飛び出す!赤い電車とけいきゅん」も設置された。こちらは、記念撮影のフォトスポットとして利用して欲しいそうだ。
さらに、5月6日までの期間限定で、世界的錯視研究の第一人者である杉原厚吉氏(明治大学先端数理科学インスティテュート所長で特任教授)による錯視作品展「杉原厚吉のふしぎ?錯視展」を開催。鏡に映すと形が変わって見える不思議な立体「不可能立体作品」を展示している。
錯視サインは、従来の案内表示のように設置場所の高さや電源などを考慮しなくていいというメリットもある。今回の設置で大きな効果が出れば、錯視サインを導入する場所が増えていくかもしれない。