スズキの「ジムニー サバイブ」・ダイハツの「コペン クーペ」など!【東京オートサロン2019】(6)
1月11日から13日まで開催された国内最大のチューニングカー・カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2019」(幕張メッセ)。 国内メーカーの主な展示車両をまとめる第6弾は、スズキ・ダイハツ編。 両メーカーの最新車種やコンセプトモデルなどを取り上げる。
東京オートサロン2019の会場全体を見回して各所で見かけたのが、20年ぶりのフルモデルチェンジで4代目となったスズキの軽4WD車「ジムニー」と、その排気量アップ版の小型4WD車「ジムニー シエラ」だ。スズキのブースでも「ジムニー」と「ジムニー シエラ」のコンセプトモデルが展示されていた。
ジムニーは4WDとして頑丈さを確保すべく、1970年に誕生した初代から一貫してラダーフレームを採用してきた。今回の4代目では、ラダーフレームを強化。左右のフレームをつなぐ新開発の「Xメンバー」を中央部分に採用し、そのすぐ前と、フレーム後端にもクロスメンバーを追加し、先代の約1.5倍のねじり剛性が実現されている。
さらに、アプローチアングルを高めるなどの狙いがあるFRレイアウト(フロントエンジン・リアドライブベースの4WD)、機械式副変速機による3段階(2WD・4WD高・4WD低)のパートタイム式4WD、堅牢さと高い接地性と広い対地クリアランスが特徴の3リンクリジッドアクスル式サスペンションも初代から受け継がれる特徴だ。
コンセプトモデルの「ジムニー サバイブ」はその4WDとしての性能をさらに突き詰め、極限の状況において、厳しい自然環境の中を走り続ける力強さ、孤高の世界観をイメージした1台となっていた。
オーナーの頼れる相棒というコンセプトの「ジムニー シエラ ピックアップ スタイル」
1977年10月に初代「ジムニー」を海外展開するため、排気量を797ccにアップして小型車とした「SJ20型」が登場。通称「ジムニー8」と呼ばれ、これが後の「ジムニー シエラ」系列の初代となる。その後、1993年5月に登場した2代目に含まれる「JB31型」に初めて「ジムニー シエラ」の車名が冠せられた。この時のエンジンは排気量1298cc・水冷4サイクル直列4気筒の「G13B型」を搭載。ちなみにこの時期は「シエラ」が小型車「ジムニー」の車名として固定していたわけではなく、「ジムニーワイド」といった車名もあった。
その後、一度「シエラ」の名は途絶えるが、1998年1月に登場の3代目のうちのひとつである「JB43型」が2000年代初頭に改名し、その名が復活。現行の4代目では、軽「ジムニー」と区別するために小型車の車名として固定された。現代では、「ジムニー シエラ」は世界194か国・地域で販売され、国内のみの「ジムニー」と合わせると、累計288万台が販売されている。
イメージカラーであるイエローの究極を求めた「スイフトスポーツ イエローレブ」!
「スイフト」は世界158の国・地域において累計600万台以上を販売する(2018年2月時点)、スズキの主力コンパクトカー。元々スポーティな一面を有するが、さらにスポーティさを求めたのが「スイフトスポーツ」だ。そんな「スイフトスポーツ」のイメージカラーはチャンピオンイエロー。それをさらに進化させ、究極のイエローを表現したというのが、ショーモデル専用の車体色”高彩度イエローパール”だ。高彩度イエローパールで塗装された「スイフトスポーツ イエローレブ」は、とても鮮やかで目を引く1台だった。
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続いて、ダイハツのクルマたち!
ダイハツの目玉は軽スポーツ「コペン」シリーズ! 2016年のコンセプトモデルが限定200台で受付開始!!
ダイハツブースの中央に3台が並んで展示されていたのが、軽オープンスポーツカー「コペン」のコンセプトモデルや限定車など。2014年6月にフルモデルチェンジして2代目となった現行モデルは、高剛性の新骨格構造「D-Frame」、内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」などを特徴とする。また、3種類の”意匠”(性能や装備が異なるのではなく、外装が異なる)として「ローブ」、「セロ」、「エックスプレイ」が用意されていることも特徴だ。
DRESS-FORMATIONとは、ドアを除く樹脂製の外装や、ヘッドランプなどの灯火器類を別の意匠のものに有償交換することができる機構(「ローブ」と「セロ」の間で可能)。D-Frameに外装が取り付けられている構造によって実現した仕組みで、発表当時は量産車として世界初だった。
その仕組みを利用し、今回も外装を変更した「コペン」が展示された。そのひとつが「コペン セロ スポーツ プレミアム」。”親しみやすさと躍動感の融合”をコンセプトとした「セロ」をベースとし、”厳選されたプレミアムアイテムを身に纏う、大人のための「コペン」”として開発された。
そしてもう1台が、東京オートサロン2016でダイハツが出展した「コペンクーペ」の限定市販モデル。こちらも「セロ」をベースとしており、CFRP(カーボン)製ハードルーフを装着した2ドアクーペスタイルの1台だ。2016年の出展時に好評を博したことから、今回限定200台で市販化されることとなった。
ちなみに、もう1台はTOYOTA GAZOO Racingによる走りを追求したコンプリートカーブランド「GR」のうち、エントリー向け「GR スポーツ」のコンセプトモデル「コペン GR スポーツ コンセプト」。こちらは東京オートサロン2019のリポート記事1本目『トヨタ&モデリスタ&TRD編:「スープラ」や「センチュリー GRMN」など!』で紹介した。トヨタブースではホワイトだったが、ダイハツブースでは鮮やかなレッドのボディカラーだった。
新型「ミラ トコット」がホットハッチに!? 「スポルザ」
昨年6月に登場した、ダイハツのかつての人気車種「ミラ」の名を冠した完全新型軽自動車「ミラ トコット」。こちらも「コペン」と並んでスポットが当てられていた。ダイハツの軽自動車のエントリーモデルである「ミラ イース」と同等のボディサイズで、若い女性ユーザーを中心とした幅広い層をターゲットとした車種である。「トコット」は”TOCOT”と書くが、”自分らしさの表現”を意味する「To Character」、”安全・安心・運転しやすさ”を意味する「To Convenience」に着想を得た造語だ。
しかしそんな「ミラ トコット」を、若い男性向けとした攻撃的なデザインとしたのが「ミラ トコット スポルザ」。1985年10に登場し、若い男性層を中心に支持を得た「ミラターボ TR-XX」を思わせるホットハッチスタイルとなっているのが特徴だ。
リアには翼端板を備えたオリジナルのルーフエンドスポイラーを装着。さらに、フロントバンパー、サイドストーンガード、リアバンパー、ブラックインナーヘッドランプ、ドアミラーカバー、スポーツマフラーなどがオリジナルパーツに交換されていた。さらに16インチアルミホイールを装着し、サスペンションも調整されて車高がローダウン。また、インテアリアもMOMO製のオリジナルステアリングやスポーツペダルなどが装着されていた。
ダイハツでここは外せない! 軽トラの雄「ハイゼット トラック」のコンセプトカーも登場
個人商店や農家、林業、漁業など、日本の各地で活躍する軽トラック。現在では生産メーカーも減り、車種も少なくなったが、東京オートサロンでは毎年軽トラックのカスタマイズカーが何台も出展されている。ダイハツの「ハイゼット トラック」シリーズは1960年に初代が発売され、これまで第10代を数えるロングランシリーズだ。ダイハツはそんな「ハイゼット トラック」ベースのカスタマイズカーを2台出展した。
ひとつは、「ハイゼット トラック マルシェ」。マルシェとは”marche”と綴り、フランス語で「市場」を意味する。同車は乗り付けて、その場で露店としてすぐさま活動できることをコンセプトとした1台だ。オリジナルパーツとして、フロントロアスカート、サイドパネル、リアロアスカート、ルーフラック、そしてウッド調トラックベッド(荷台)が装着されていた。
そしてもう1台が「ハイゼット トラック ジャンボ」をベースとした、「ハイゼット トラック ジャンボ カリフォルニア工務店」。カリフォルニア工務店とは、東京は目黒区に事務所を構える、従来の建築業界の常識にとらわれない自由な発想で、顧客のイメージする「夢」を提案し、ほかがマネできない理想の空間作りを行うことをモットーとしている工務店だ。遊びと仕事を両立するアクティブ系トラックとして、ダイハツと同工務店とのコラボレーションにより誕生した。
軽トラのカスタマイズは日本独自の文化であることから、海外からの来場者の注目を集めていたという。別記事『海外からの来場者は、日本のクルマ文化をどう感じる?【東京オートサロン2019】』に詳しい。