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最終更新日:2019.01.29 公開日:2019.01.29

スズキの「ジムニー サバイブ」・ダイハツの「コペン クーペ」など!【東京オートサロン2019】(6)

1月11日から13日まで開催された国内最大のチューニングカー・カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2019」(幕張メッセ)。 国内メーカーの主な展示車両をまとめる第6弾は、スズキ・ダイハツ編。 両メーカーの最新車種やコンセプトモデルなどを取り上げる。

「ジムニー サバイブ」。道なき荒野を行く、冒険家の頼もしい相棒というイメージでまとめられたコンセプトモデル。

 東京オートサロン2019の会場全体を見回して各所で見かけたのが、20年ぶりのフルモデルチェンジで4代目となったスズキの軽4WD車「ジムニー」と、その排気量アップ版の小型4WD車「ジムニー シエラ」だ。スズキのブースでも「ジムニー」と「ジムニー シエラ」のコンセプトモデルが展示されていた。

 ジムニーは4WDとして頑丈さを確保すべく、1970年に誕生した初代から一貫してラダーフレームを採用してきた。今回の4代目では、ラダーフレームを強化。左右のフレームをつなぐ新開発の「Xメンバー」を中央部分に採用し、そのすぐ前と、フレーム後端にもクロスメンバーを追加し、先代の約1.5倍のねじり剛性が実現されている。

 さらに、アプローチアングルを高めるなどの狙いがあるFRレイアウト(フロントエンジン・リアドライブベースの4WD)、機械式副変速機による3段階(2WD・4WD高・4WD低)のパートタイム式4WD、堅牢さと高い接地性と広い対地クリアランスが特徴の3リンクリジッドアクスル式サスペンションも初代から受け継がれる特徴だ。

 コンセプトモデルの「ジムニー サバイブ」はその4WDとしての性能をさらに突き詰め、極限の状況において、厳しい自然環境の中を走り続ける力強さ、孤高の世界観をイメージした1台となっていた。

「ジムニー サバイブ」のリアビュー。現在、スペアタイヤをバックドアの外に備えるスタイリングを標準とする4WD車はあまりなく、「ジムニー」シリーズぐらい。細身の緊急用スペアタイヤではなく、実際に装着されているものと同じタイヤなので、交換した後もすぐさま同じ走りが可能。車重が増すために燃費などの面では不利だが、荒野ではパンクして立ち往生したら命にかかわる可能性もあるため、頼もしいポイントだ。

「ジムニー」は初代「LJ10型」が1970年に登場。以来、軽4WDとして守られてきた伝統のひとつが、ラダーフレームだ。スズキブースでは、フレームも展示されていた。またLJ10型の空冷エンジンを水冷に切り替えた「LJ20型」については、別記事『【トヨタ博物館 クラシックカー・フェス 2018】(5)1970年代前半:クラウン、フェアレディ、グロリア、ff-1、ジムニーなど!』で、走行動画と共に紹介した。

オーナーの頼れる相棒というコンセプトの「ジムニー シエラ ピックアップ スタイル」

「ジムニー シエラ ピックアップ スタイル」。DIYなどの趣味や生活のさまざまな場面で、4WDとしての性能と荷台の利便性を必要としている人の頼れる相棒というイメージして開発されたコンセプトモデル。

 1977年10月に初代「ジムニー」を海外展開するため、排気量を797ccにアップして小型車とした「SJ20型」が登場。通称「ジムニー8」と呼ばれ、これが後の「ジムニー シエラ」系列の初代となる。その後、1993年5月に登場した2代目に含まれる「JB31型」に初めて「ジムニー シエラ」の車名が冠せられた。この時のエンジンは排気量1298cc・水冷4サイクル直列4気筒の「G13B型」を搭載。ちなみにこの時期は「シエラ」が小型車「ジムニー」の車名として固定していたわけではなく、「ジムニーワイド」といった車名もあった。

 その後、一度「シエラ」の名は途絶えるが、1998年1月に登場の3代目のうちのひとつである「JB43型」が2000年代初頭に改名し、その名が復活。現行の4代目では、軽「ジムニー」と区別するために小型車の車名として固定された。現代では、「ジムニー シエラ」は世界194か国・地域で販売され、国内のみの「ジムニー」と合わせると、累計288万台が販売されている。

スズキ ジムニー シエラ ピックアップ スタイル|suzuki jimny siera pickup style

「ジムニー シエラ ピックアップ スタイル」のリアビュー。「ジムニー」シリーズの現行モデルは国内ではクローズドボディのみが販売されており、ピックアップトラック型は存在しない。ただし、需要がある海外の国や地域では、現地でボディが改造されてピックアップトラック型が販売されている。

イメージカラーであるイエローの究極を求めた「スイフトスポーツ イエローレブ」!

「スイフトスポーツ イエローレブ」。今回、「ジムニー サバイブ」、「ジムニー シエラ ピックアップ スタイル」と共に、スズキブースで参考出展された1台。”究極のイエロー”と銘打たれた”高彩度イエローパール”で塗装されている。

 「スイフト」は世界158の国・地域において累計600万台以上を販売する(2018年2月時点)、スズキの主力コンパクトカー。元々スポーティな一面を有するが、さらにスポーティさを求めたのが「スイフトスポーツ」だ。そんな「スイフトスポーツ」のイメージカラーはチャンピオンイエロー。それをさらに進化させ、究極のイエローを表現したというのが、ショーモデル専用の車体色”高彩度イエローパール”だ。高彩度イエローパールで塗装された「スイフトスポーツ イエローレブ」は、とても鮮やかで目を引く1台だった。

「スイフトスポーツ イエローレブ」のリアビュー。スズキのモータースポーツ活動というと2輪のイメージが強いが、かつてはWRC世界ラリー選手権の下位カテゴリーであるジュニアWRCなどにもワークス参戦しており、「スイフト・スーパー1600」などで戦った。そのときのイメージカラーの1色がチャンピオンイエローだった。今回はより鮮明で、なおかつ光の反射がきらびやかなパール系の高彩度イエローパールで塗装された。

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続いて、ダイハツのクルマたち!

ダイハツの目玉は軽スポーツ「コペン」シリーズ! 2016年のコンセプトモデルが限定200台で受付開始!!

「コペン セロ スポーツ プレミアム」。シックで落ち着いたイメージでまとめられていた。オリジナルパーツはフロントグリル、サイドメッキモール、ブラックインナーヘッドランプなど。そのほかは純正アクセサリーが装着されている。

 ダイハツブースの中央に3台が並んで展示されていたのが、軽オープンスポーツカー「コペン」のコンセプトモデルや限定車など。2014年6月にフルモデルチェンジして2代目となった現行モデルは、高剛性の新骨格構造「D-Frame」、内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」などを特徴とする。また、3種類の”意匠”(性能や装備が異なるのではなく、外装が異なる)として「ローブ」、「セロ」、「エックスプレイ」が用意されていることも特徴だ。

 DRESS-FORMATIONとは、ドアを除く樹脂製の外装や、ヘッドランプなどの灯火器類を別の意匠のものに有償交換することができる機構(「ローブ」と「セロ」の間で可能)。D-Frameに外装が取り付けられている構造によって実現した仕組みで、発表当時は量産車として世界初だった。

 その仕組みを利用し、今回も外装を変更した「コペン」が展示された。そのひとつが「コペン セロ スポーツ プレミアム」。”親しみやすさと躍動感の融合”をコンセプトとした「セロ」をベースとし、”厳選されたプレミアムアイテムを身に纏う、大人のための「コペン」”として開発された。

「コペン セロ スポーツ プレミアム」のリアビュー。下で紹介した「コペンクーペ」のリアビューと比較すると、ホワイトのルーフのバックパネル(リアウインドー部分)のラインが大きく異なるのがわかる。「コペン」のルーフは電動式で、約20秒で開閉が可能だ。ルーフはトランクフードが開いてそこに収納される。

 そしてもう1台が、東京オートサロン2016でダイハツが出展した「コペンクーペ」の限定市販モデル。こちらも「セロ」をベースとしており、CFRP(カーボン)製ハードルーフを装着した2ドアクーペスタイルの1台だ。2016年の出展時に好評を博したことから、今回限定200台で市販化されることとなった。

  ちなみに、もう1台はTOYOTA GAZOO Racingによる走りを追求したコンプリートカーブランド「GR」のうち、エントリー向け「GR スポーツ」のコンセプトモデル「コペン GR スポーツ コンセプト」。こちらは東京オートサロン2019のリポート記事1本目『トヨタ&モデリスタ&TRD編:「スープラ」や「センチュリー GRMN」など!』で紹介した。トヨタブースではホワイトだったが、ダイハツブースでは鮮やかなレッドのボディカラーだった。

「コペンクーペ」。HKS製のスポーツマフラーおよびサスペンションキットがディーラーオプションとして設定されており、展示車両はそれらを装着していた。またホイールも鍛造の16インチアルミ製に。インテリアは、MOMO製ステアリングホイールなどが装着されていた。

「コペンクーペ」のリアビュー。バックパネルは固定されており、クローズドボディ。その代わり、リアウインドーが大きく上方に開けられる構造となっていた。「コペンクーペ」は東京オートサロン2019の初日である1月11日から専用サイトでの応募受付をスタート。2月11日18時までの1か月間限定で、応募者が200名を大きく超えると抽選となる。

新型「ミラ トコット」がホットハッチに!? 「スポルザ」

「ミラ トコット スポルザ」。若い女性をメインターゲットとして誕生した「ミラ トコット」が攻撃的な顔つきとなっていた。ちなみに「スポルザ」は”SPORZA”と書く。

 昨年6月に登場した、ダイハツのかつての人気車種「ミラ」の名を冠した完全新型軽自動車「ミラ トコット」。こちらも「コペン」と並んでスポットが当てられていた。ダイハツの軽自動車のエントリーモデルである「ミラ イース」と同等のボディサイズで、若い女性ユーザーを中心とした幅広い層をターゲットとした車種である。「トコット」は”TOCOT”と書くが、”自分らしさの表現”を意味する「To Character」、”安全・安心・運転しやすさ”を意味する「To Convenience」に着想を得た造語だ。

 しかしそんな「ミラ トコット」を、若い男性向けとした攻撃的なデザインとしたのが「ミラ トコット スポルザ」。1985年10に登場し、若い男性層を中心に支持を得た「ミラターボ TR-XX」を思わせるホットハッチスタイルとなっているのが特徴だ。

 リアには翼端板を備えたオリジナルのルーフエンドスポイラーを装着。さらに、フロントバンパー、サイドストーンガード、リアバンパー、ブラックインナーヘッドランプ、ドアミラーカバー、スポーツマフラーなどがオリジナルパーツに交換されていた。さらに16インチアルミホイールを装着し、サスペンションも調整されて車高がローダウン。また、インテアリアもMOMO製のオリジナルステアリングやスポーツペダルなどが装着されていた。

「ミラ トコット スポルザ」のリアビュー。翼端板のついたルーフエンドスポイラーに目が行くが、下部の2本出しマフラーと、ナンバープレート下にある整流板のついたリアディフューザーも注目だ。

“クールな大人女子のため”というコンセプトの「ミラ トコット エレガント」。「ミラ トコット」本来のターゲットが若い女性であることを考えると、正統派といえるカスタマイズ。フロントバンパーやドアミラーカバー、サイドモールなどがオリジナルパーツで、そのほか純正アクセサリーも複数装着されていた。

ダイハツでここは外せない! 軽トラの雄「ハイゼット トラック」のコンセプトカーも登場

 個人商店や農家、林業、漁業など、日本の各地で活躍する軽トラック。現在では生産メーカーも減り、車種も少なくなったが、東京オートサロンでは毎年軽トラックのカスタマイズカーが何台も出展されている。ダイハツの「ハイゼット トラック」シリーズは1960年に初代が発売され、これまで第10代を数えるロングランシリーズだ。ダイハツはそんな「ハイゼット トラック」ベースのカスタマイズカーを2台出展した。

 ひとつは、「ハイゼット トラック マルシェ」。マルシェとは”marche”と綴り、フランス語で「市場」を意味する。同車は乗り付けて、その場で露店としてすぐさま活動できることをコンセプトとした1台だ。オリジナルパーツとして、フロントロアスカート、サイドパネル、リアロアスカート、ルーフラック、そしてウッド調トラックベッド(荷台)が装着されていた。

「ハイゼット トラック マルシェ」。ダイハツブースの物販販売を実際に担っていた。コンセプトは”毎日を、おしゃれに、楽しく、にぎわうワークトラック”。女性向けのかわいいピンク系とホワイト系によるツートーンのカラーリングだが、この塗装もオリジナル。

 そしてもう1台が「ハイゼット トラック ジャンボ」をベースとした、「ハイゼット トラック ジャンボ カリフォルニア工務店」。カリフォルニア工務店とは、東京は目黒区に事務所を構える、従来の建築業界の常識にとらわれない自由な発想で、顧客のイメージする「夢」を提案し、ほかがマネできない理想の空間作りを行うことをモットーとしている工務店だ。遊びと仕事を両立するアクティブ系トラックとして、ダイハツと同工務店とのコラボレーションにより誕生した。

 軽トラのカスタマイズは日本独自の文化であることから、海外からの来場者の注目を集めていたという。別記事『海外からの来場者は、日本のクルマ文化をどう感じる?【東京オートサロン2019】』に詳しい。

「ハイゼット トラック ジャンボ カリフォルニア工務店」。荷台のサーフボードが目立つが、その横のフレームには作業着が吊してあるという、遊びも仕事もまとめてこれ1台で、というコンセプト。フロントバンパー、ロールバー、サイドステップなどがオリジナルパーツとして装着されている。

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