100円ショップの安さの秘密!赤字覚悟の商品はどれ?
コンビニのような便利さとリーズナブルから、我々の生活に密着し、なくてはならない存在になった100円ショップ。ほとんどの商品が100円で販売されているが、なぜ100円で販売できるのだろうか? ローソンストア100に聞いてみた。
生鮮商品や飲料、加工食品などほとんどの商品を「100円(税込108円)」で販売している100円ローソン。買い物をしていて「これがなんで100円なの?」と不思議に思うような商品に出会ったことはないだろうか? 今回は、株式会社ローソンストア100(東京都品川区)が1月21日に発表した情報をもとに100円ショップの安さの秘密を紹介したい。
【その1】不揃いを混ぜることで安くなる
どの家庭の冷蔵庫にも必ずといっていいほど入っているであろう「タマゴ」。朝食の目玉焼きやお弁当のタマゴ焼きなど万能な食材だけあって、価格には敏感になる食品のひとつだ。
ローソンストア100では、指定された農場で採れたタマゴが6個入って100円である。100円で販売できる秘密は「サイズ無選別」にあるという。通常「S」「M」「L」といったサイズの選別があるが、同社のタマゴにはそれがない。ひとつのパックの中に、さまざまなサイズのタマゴが入っているのが安さの秘密なのだ。パックごとの重量で品質を統一しているという。
【その2】1社独占発注で安くなる
「ドレッシング」は、いろいろな味を常備しておくと、食生活が一気に華やかになる便利な調味料。さまざまな味を揃えておきたいが価格が気になるところ。同社では、ドレッシングも100円で各種揃えている。
同社のドレッシングを100円で販売できる秘密は、1社のメーカーに集約して製造しているから。メーカーでは計画製造が可能になり、工場を効率的に稼働。安定的に売上が見込めることから、コストダウンに繋がるそうだ。同社では、ドレッシングと同じメーカーで「レモン果汁」も製造している。価格はもちろん100円。
このように、1社のメーカーに製造を集約することで安くなる商品は、小麦粉やお好み焼きなどの「粉もの」もあるそうだ。
【その3】大手メーカーの混載で輸送費が安くなる
同社の人気商品「ルーさんの甘辛キムチ」は、味の評価の高いルー家の秘伝のタレを使ったキムチを韓国から輸入している。海外からの商品はいかに輸入コストを抑えるかがポイントだが、どのようにしているのだろう。
その秘密は、キムチメーカー「美山」を通じて輸入すること。美山が販売している他の商品と同じコンテナに乗せて輸入することで、運送費を抑えることができているという。
【その4】具材の共用で安くなる
同社の人気商品である、「具のせおにぎり」が100円で販売できる秘密は、おにぎり工場で、サンドイッチやお弁当などの商品も製造しているから。鶏肉を使用したお弁当を作ったら、おにぎりの具も親子丼というように、食材を共有してコストダウンしているという。
同社のおにぎりの中で根強い人気を誇るという「かき揚げおにぎり」を例にとると、かき揚げの食感をさっくりさせるために、レタスの外側部分を使用し、内側部分はサンドイッチに使用している。さらに、かき揚げを、お弁当のおかずにも使用するなど無駄のない商品開発がなされているという。
【その5】実は赤字である
「果汁100%ジュース」は、他の商品とは少し違うパターン。1リットル入った果汁100%のジュースが100円で販売できるのは、なんと「赤字覚悟」だから。圧倒的にお買い得な商品を置くことで、ユーザーが店舗に足を運ぶ理由となる布石であるという。そしてさらに驚くべきことに、このような赤字覚悟の商品は他にいくつも存在しているという。
初解禁! 2月発売の新おにぎり
同社は、毎月3~4種類の新おにぎりを発売している。問い合わせたところ、まだどこにも発表されていない新おにぎりが「ソーセージおにぎり」であることを教えてくれた(2月13日発売)。ソーセージおにぎりは、ボロニアソーセージ(太さ36㎜を超えるソーセージ)を薄切りにして、ブラックペッパーを利かせたごはんを豪快に覆った、洋風おにぎりだという。
また、同社に今回なぜ100円の秘密を発信したのか尋ねてみると「毎月季節ごとのテーマを設けてニュースを発信していたが、このような情報は社内では当たり前になってしまい、今まで発信して来なかった。多くのメディアの取材で『どうして100円で商品化できるのか』という質問があり、理由を話すと『初めて知りました。面白い!』などの反応があった。そのため、もっとこういった情報を発信しなくてはと感じた」という。
自分にとって当たり前のことが他人にとっても当たり前だとは限らないとよく言うが、100円の秘密は、ユーザーにとってまだまだ当たり前ではないだろう。100円の秘密の続報に期待したい。