2018年に最も売れたクルマはどれ? 新車販売台数ランキング(普通&小型乗用車 編)
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)は1月10日、2018年1~12月の期間における車名別の新車販売台数(軽自動車を除く)を発表した。今年は首位争いに大きな動きがあった。2年連続で1位に輝いたトヨタ・プリウスに代わって躍り出たのは、日産のノートだ。
2018年の新車販売台数は、3年ぶりの減少
2018年(1~12月)の新車販売台数(軽自動車を除く)は、普通乗用車と小型乗用車の合計が289万5454台(前年比98.4%)で、2015年以来、3年ぶりのマイナスとなった。
普通乗用車が158万2828台(前年比102.2%)と3年連続のプラス成長だったのに対し、小型乗用車は131万2626台(前年比94.1%)と数を落とした。
2018年(1月~12月)新車販売台数 | |||
車種 | 本年累計 | 前年累計 | 前年比(%) |
普通乗用車 | 1,582,828 | 1,548,214 | 102.2 |
小型乗用車 | 1,312,626 | 1,394,796 | 94.1 |
計 | 2,895,454 | 2,943,010 | 98.4 |
【メーカー別ランキング】
販売台数のほぼ半分をトヨタが占める
メーカー別の年間新車販売台数では、前年比94.8%と数字を落としながらもトヨタが150万3197台と、2位日産の41万4129台(前年比94.8%)に大差をつけて首位を獲得。以降はホンダ、マツダが続く。
一方、度重なる不祥事に見舞われたSUBARUは11万9330台(前年比82.8%)と大きく落ち込み、6位に転落。12万3285台(前年比118.8%)を販売し、軽自動車以外も好調が続くスズキに5位の座を受け渡した。それ以外に前年と順位の変動はない。
メーカー/新車販売台数ランキング | |||
順位(前年) | メーカー名 | 台数 | 前年比(%) |
1(1) | トヨタ | 1,503,197 | 94.8 |
2(2) | 日産 | 414,129 | 105.3 |
3(3) | ホンダ | 363,565 | 96.0 |
4(4) | マツダ | 179,277 | 104.9 |
5(6) | スズキ | 123,285 | 118.8 |
6(5) | SUBARU | 119,330 | 82.8 |
7(7) | 三菱自動車 | 43,802 | 136.6 |
8(8) | ダイハツ | 35,212 | 125.5 |
【車名別ランキング】
2018年に最も売れたクルマは、日産・ノート
日産・ノート e-POWER
車名別では、日産・ノートが初の首位を獲得。13万6324台(前年比98.1%)を販売した。2位にはトヨタ・アクアが12万6561台(前年比96.2%)で前年同様に好調を維持した。前年首位のトヨタ・プリウスは、11万5462台(前年比71.8%)で3位に入った。大きく数字を落としたプリウスは昨年12月のマイチェンで、不評だったフロントマスクを大幅に刷新。巻き返しを図る。
ランキング中唯一のBEV、日産・リーフは35位にランクイン。2万5722台(前年比152.0%)を販売した。今年1月には、アメリカ・ラスベガスで開催された「CES(情報・家電見本市)」で、航続距離を約40%向上させたリーフe+を発表しており、販売台数をさらに伸ばす予定だ。初代モデルを2010年に販売して以降、リーフの累計販売台数はグローバルで38万台を突破。世界で最も販売台数の多い電気自動車となっている。
車名別/新車販売台数ランキング | ||||
順位 | 車名別 | メーカー名 | 台数 | 前年比(%) |
1 | ノート | 日産 | 136,324 | 98.1 |
2 | アクア | トヨタ | 126,561 | 96.2 |
3 | プリウス | トヨタ | 115,462 | 71.8 |
4 | セレナ | 日産 | 99,865 | 118.3 |
5 | シエンタ | トヨタ | 94,048 | 97.1 |
6 | ヴォクシー | トヨタ | 90,759 | 102.3 |
7 | フィット | ホンダ | 90,720 | 92.6 |
8 | カローラ | トヨタ | 89,910 | 116.1 |
9 | ヴィッツ | トヨタ | 87,299 | 96.7 |
10 | ルーミー | トヨタ | 86,265 | 109.6 |
11 | フリード | ホンダ | 84,121 | 80.6 |
12 | C-HR | トヨタ | 76,756 | 65.4 |
13 | タンク | トヨタ | 73,799 | 104.2 |
14 | ヴェゼル | ホンダ | 59,629 | 92.7 |
15 | アルファード | トヨタ | 58,806 | 139.1 |
16 | ステップワゴン | ホンダ | 56,872 | 122.4 |
17 | ノア | トヨタ | 56,719 | 101.1 |
18 | インプレッサ | SUBARU | 54,194 | 74.1 |
19 | クラウン | トヨタ | 50,324 | 173.0 |
20 | エクストレイル | 日産 | 50,304 | 100.9 |
21 | デミオ | マツダ | 48,182 | 97.7 |
22 | パッソ | トヨタ | 47,871 | 88.3 |
23 | ハリアー | トヨタ | 44,952 | 76.5 |
24 | ソリオ | スズキ | 44,884 | 90.2 |
25 | ヴェルファイア | トヨタ | 43,130 | 93.0 |
26 | エスクァイア | トヨタ | 40,224 | 91.7 |
27 | CX-5 | マツダ | 38,290 | 92.0 |
28 | スイフト | スズキ | 36,628 | 95.3 |
29 | CX-8 | マツダ | 30,701 | 1,093.7 (2017年12月発売) |
30 | クロスビー | スズキ | 30,624 | 1,930.9 (2017年12月発売) |
31 | ランドクルーザーW | トヨタ | 29,416 | 130.3 |
32 | シャトル | ホンダ | 28,789 | 102.4 |
33 | フォレスター | SUBARU | 28,751 | 144.2 |
34 | トール | ダイハツ | 25,982 | 120.0 |
35 | リーフ | 日産 | 25,722 | 152.0 |
36 | カムリ | トヨタ | 21,295 | 112.9 |
37 | シビック | ホンダ | 18,287 | 416.7 |
38 | アクセラ | マツダ | 17,767 | 68.8 |
39 | CX-3 | マツダ | 17,036 | 112.2 |
40 | オデッセイ | ホンダ | 16,670 | 80.0 |
41 | レヴォーグ | SUBARU | 15,685 | 68.0 |
42 | デリカD5 | 三菱 | 13,502 | 104.1 |
43 | マーチ | 日産 | 12,122 | 84.9 |
44 | エクリプスクロス | 三菱 | 11,592 | (2018年3月発売) |
45 | プレミオ | トヨタ | 11,306 | 79.7 |
46 | アウトランダー | 三菱 | 9,143 | 120.4 |
47 | エスティマ | トヨタ | 9,062 | 65.2 |
48 | ハイエースワゴン | トヨタ | 9,048 | 94.1 |
49 | ブーン | ダイハツ | 9,025 | 145.1 |
50 | NX 300h | トヨタ | 8,712 | 185.1 |
【メーカー内ランキング】
トヨタ:レクサスが絶好調!
レクサス NX 300h
日本国内での年間販売台数289万5454台の内、そのほぼ半分の150万3197台を販売したトヨタ。TOP10圏内にはなんと7台のクルマがランクインしている。トヨタの中で最も多く販売したモデルは2017年6月にマイナーチェンジを実施したアクアで126,561台(前年比96.2%)。日産・ノートには僅差で破れたが、車名別ランキングで2位につけた。
一方、興味深いのはレクサスだ。今回発表された自販連の集計では、レクサスはトヨタとして含まれるので車名別ランキングには登場しないが、いちブランドとして数えた場合、年間で55,096台(前年比120.8%)を販売。2017年の45,605台から1万台近くも上積みした。
LSやESなど、新型モデルの投入も数を伸ばした大きな要因のひとつと考えられるが、22位(車名別50位)に入ったNX 300hは、500万円を軽く超える高価格帯のSUVにもかかわらず年間8000台強を販売している。
またレクサスは、NXの弟分であるUXを昨年11月に発表。わずか1か月で約8800台(月販目標台数900台)を受注しており、翌年はNXを抜いてランキングに登場することは間違いないだろう。
なお参考データとして、ドイツ御三家の2018年の販売台数を記すと、メルセデス・ベンツが6万7554台(前年比99.0%)、BMWが5万982台(前年比97.1%)、アウディが2万6473台(前年比93.4%)と、驚くことに全てが前年比割れであった。これら減少分は、一部の顧客がレクサスに流れたとも十分に考えられる。
トヨタ/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(2) | アクア | 126,561 | 96.2 |
2(3) | プリウス | 115,462 | 71.8 |
3(5) | シエンタ | 94,048 | 97.1 |
4(6) | ヴォクシー | 90,759 | 102.3 |
5(8) | カローラ | 89,910 | 116.1 |
6(9) | ヴィッツ | 87,299 | 96.7 |
7(10) | ルーミー | 86,265 | 109.6 |
8(12) | C-HR | 76,756 | 65.4 |
9(13) | タンク | 73,799 | 104.2 |
10(15) | アルファード | 58,806 | 139.1 |
11(17) | ノア | 56,719 | 101.1 |
12(19) | クラウン | 50,324 | 173.0 |
13(22) | パッソ | 47,871 | 88.3 |
14(23) | ハリアー | 44,952 | 76.5 |
15(25) | ヴェルファイア | 43,130 | 93.0 |
16(26) | エスクァイア | 40,224 | 91.7 |
17(31) | ランドクルーザーW | 29,416 | 130.3 |
18(36) | カムリ | 21,295 | 112.9 |
19(45) | プレミオ | 11,306 | 79.7 |
20(47) | エスティマ | 9,062 | 65.2 |
21(48) | ハイエースワゴン | 9,048 | 94.1 |
22(50) | NX 300h | 8,712 | 185.1 |
年間販売台数 | 1,503,197 | 94.8 |
日産: ノート購入者の7割はe-POWERを選択!
1970年の日産・サニー以来、48年ぶりに上半期の販売台数で首位に輝いたノート。その勢いは止むことなく、年間を通して13万6324台(前年比98.1%)を販売。ノートとして初めて新車販売台数の年間ランキング1位を獲得した。
その販売に大きく貢献したのが、電動パワートレインの存在だ。実際に購入者の約7割がノート e-POWERを選択した、と日産は説明。ノート e-POWERは、2016年11月の発売から2018年12月までの国内累計販売台数で、20万台を達成している。
日産/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(1) | ノート | 136,324 | 98.1 |
2(4) | セレナ | 99,865 | 118.3 |
3(20) | エクストレイル | 50,304 | 100.9 |
4(35) | リーフ | 25,722 | 152.0 |
5(43) | マーチ | 12,122 | 84.9 |
年間販売台数 | 414,129 | 105.3 |
ホンダ:シビックの復活。安定のフィット
ホンダ・シビック
ホンダの新型シビックは18,287台を販売。前年比416.7%と大きく伸びたが、その理由はシビックが2017年9月に販売を開始し、集計期間が短かったため。ホンダの売れ筋は今年もフィットで、90,720台(前年比92.6%)を販売した。
ホンダ/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(7) | フィット | 90,720 | 92.6 |
2(11) | フリード | 84,121 | 80.6 |
3(14) | ヴェゼル | 59,629 | 92.7 |
4(16) | ステップワゴン | 56,872 | 122.4 |
5(32) | シャトル | 28,789 | 102.4 |
6(37) | シビック | 18,287 | 416.7 |
7(40) | オデッセイ | 16,670 | 80.0 |
年間販売台数 | 363,565 | 96.0 |
マツダ:広島のベストセラー、デミオ
マツダ・デミオ
マツダで最も多く販売されたクルマは、コンパクトカーのデミオ。4代目となる現行モデルは2014年9月に登場。2018年8月のマイナーチェンジの際に、ガソリンエンジンはこれまでの1.3リッターから、1.5リッターに拡大された。デビューから4年が経過した今でも、年間5万台弱を販売するマツダのベストセラーモデルである。
マツダ/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(21) | デミオ | 48,182 | 97.7 |
2(27) | CX-5 | 38,290 | 92.0 |
3(29) | CX-8 | 30,701 | 1,093.7 (2017年12月発売) |
4(38) | アクセラ | 17,767 | 68.8 |
5(39) | CX-3 | 17,036 | 112.2 |
年間販売台数 | 179,277 | 104.9 |
スズキ:”軽”以外も魅力的!
スズキ・クロスビー
年間販売台数は前年比118.8%の12万3285台と絶好調だった2018年のスズキ。2017年12月に販売を開始した「クロスビー」は、ワゴンとSUVを融合させた新ジャンルの小型クロスオーバーワゴンとして注目を集め、3万624台を販売した(月販目標台数2000台)。
スズキ/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(24) | ソリオ | 44,884 | 90.2 |
2(28) | スイフト | 36,628 | 95.3 |
3(30) | クロスビー | 30,624 | 1,930.9 (2017年12月発売) |
年間販売台数 | 123,285 | 118.8 |
SUBARU:米国では引き続き好調!
SUBARU インプレッサ
国内における年間販売台数は11万9330台(前年比82.8%)と、2ケタのマイナスとなった2018年のSUBARUだが、最大のマーケットである米国では過去最高の68万台(前年比105%)を販売。また世界合計の販売台数では、こちらも過去最高となる106万3000台(+0%)を記録した。2019年はさらなる成長を目指し米国で70万台、世界合計では108万台を計画している。
SUBARU/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(18) | インプレッサ | 54,194 | 74.1 |
2(33) | フォレスター | 28,751 | 144.2 |
3(41) | レヴォーグ | 15,685 | 68.0 |
年間販売台数 | 119,330 | 82.8 |
三菱:根強い人気のデリカD5
三菱・新型デリカD5
かつて三菱といえばパジェロが代名詞の時代もあったが、いま最も売れているモデルは「デリカD5」だ。2018年は13,502台(前年比104.1%)を販売した。2018年11月に発表された新型は現在予約受付中。今後は新旧モデルが併売されるということで市場はどう反応するのか、来年の結果が楽しみな1台でもある。
三菱/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(42) | デリカD5 | 13,502 | 104.1 |
2(44) | エクリプスクロス | 11,592 | (H30年3月発売) |
3(46) | アウトランダー | 9,143 | 120.4 |
年間販売台数 | 43,802 | 136.6 |
ダイハツ:好調のトール
ダイハツ・トール
2016年11月の発売以来、売れ続けているダイハツ・トール。軽自動車で培ったパッケージング技術を小型乗用車に落とし込み、コンパクトながらもゆとりある空間を実現している。販売台数は前年比120%の2万5982台を記録した。
ダイハツ/新車販売台数ランキング | |||
順位(車種別) | 車名別 | 台数 | 前年比(%) |
1(34) | トール | 25,982 | 120.0 |
2(49) | ブーン | 9,025 | 145.1 |
年間販売台数 | 35,212 | 125.5 |