【自動車カメラマンの旅のしおり】自転車も一緒に。JALが開始した新サービスの中身とは。前編
2018年6月22日、JAL(日本航空)は自転車輸送用の受託手荷物専用ボックスを開発し、8月より自転車愛好家向けにサービスを行なっていくと発表しました。
飛行機の旅でこのサービスを利用すると、わずかな手間で自分の自転車を預けられ、旅先では慣れ親しんだ自分の自転車で観光できるようになります。コレ、多くの人にとって旅のバリエーションが増える嬉しいサービスではないでしょうか。
どうやって自転車を運ぶの?
今回開発された「SBCON(エスビーコン)」と名付けられた自転車輸送用受託手荷物専用ボックスは、JALとせとうち観光推進機構、S-WORKSの3社により共同開発されたものです。当面は8月より実施される一部の国内線ツアー商品向けサービスに限定されるようですが、JALでは将来的にはツアー以外でも利用できるよう準備を進めていく予定とのことです。
「SBCON(エスビーコン)」はこのように自転車を収納します
これまでも、自転車を分解して輪行バッグに収納し、飛行機と自転車を組み合わせた旅を楽しむ自転車愛好家はいました。一方で筆者のように「風光明媚な旅先なら風を感じながら自転車で走ってみたいなぁ」、なんて漠然とした憧れ程度の思いしか持っていない者にとっては、それはハードルが高かったのです。でも、このサービスであれば一気に現実味を帯びてくる気がします。
レンタサイクルを利用するのも一つの手ですが、必ずしも都合のいい場所に借りたい車種があるわけではありません。自分の自転車で海にかかる橋を風を感じながら渡ってみたり、牧場の匂いを感じながら走ったりと、旅先の空気を体全体で感じながら過ごす旅はとても楽しそうです。
旅客機で、手荷物や自転車以外にも運んでいるものがあった!
車ほどの行動範囲はありませんし、天候にも左右されやすい自転車ではありますが、レンタカーでの旅とは違う魅力を感じます。日常生活でも、ふだん自動車で通り過ぎる道を自転車で走ってみると新しい発見があるように、旅先でも素敵な発見がありそうです。
ところで、このように輸送における新しいサービスを展開し続けるJALですが、自動車の輸送はどうしているのかご存知ですか?
実は、2010年に経営破綻したJALは経営再建にともなう機材整理のため、同年秋に貨物専用機を全て手放し、今も一機も保有していません。そのような状況の中、JALはいつも我々が利用している旅客機で車を運ぶという離れ業を繰り出します。その詳細は後編で。
2018年9月18日(自動車カメラマン・高橋学)
高橋学(たかはしまなぶ):フォトグラファー。1966年北海道生まれ。スタジオに引きこもって創作活動にいそしむべくこの世界に入るが、なぜか今ではニューモデル、クラシックカー、レーシングカーなど自動車の撮影を中心に活動中。日本レース写真家協会(JRPA)会員。