長時間ドライブ前には車両点検を!押さえておきたいポイント!
JAFロードサービスによるタイヤの空気圧測定の様子。
JAFは、帰省などで長距離を運転する機会が増えるお盆期間にトラブルが発生しないよう、ドライバーへ運転前の車両点検を行うよう呼びかけている。
お盆期間中の高速道路の救援要請は
1位「タイヤのパンク」2位「燃料切れ」
JAFロードサービス救援依頼実施数(2017年8月11日~20日の10日間)。
JAFが昨年のお盆期間中(2017年8月11日~20日の10日間)に実施したロードサービスは7万6797件にのぼる。その内、高速道路での救援要請理由の1位は「パンク・バースト」(1323件:全体の34.5%)、2位が「燃料切れ」(407件:全体の10.6%)であった。特にバーストは空気圧不足で発生することもあるため、運転前のチェックを行うことである程度予防が可能である。
長距離運転でのトラブルを減らすために、気を付けておきたいポイントはどのようなところだろうか?
1 タイヤの空気圧は適正か?
タイヤバーストによって停止した軽自動車。高速道路では事故の原因になりやすい。
どんなクルマもボディを支えているのはタイヤ。その地面との接地面積はタイヤ1本あたりハガキ約1枚分と小さく、それだけにタイヤの空気圧と残り溝の点検は安全運転と大きく関係する大切なポイントである。
空気圧が低くなった状態で走行すると、乗り心地が悪くなったり、ハンドルが取られたりするなど車両の走行安定性が損なわれるだけでなく、スタンディングウェーブ現象が発生しバーストする危険性も高まる。それに、タイヤの接地面積が大きくなって転がり抵抗も大きくなり燃費も悪くなる。指定空気圧であることをチェックしてから長距離ドライブに出発したい。
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燃料切れに要注意!高速道路上のガソリンスタンドは減っている!
2 燃料は十分に入っているか?
高速道路のガソリンスタンドは減少しているので、早めの給油を心掛けたい。
国土交通省の調べ(2015年4月時点)では、高速道路で100㎞以上もガソリンスタンド(GS)のない「空白区間」が、全国で83か所に上ることが分かっている。GSの減少は全国的な傾向で、高速道路100㎞当たりのGSの数は2005年で2.6か所だったのが、2015年は2.3か所に減っている。
大型連休の期間や人気観光地周辺の高速道路では、大規模な渋滞が発生することが多く、特に注意が必要だ。また夜間は閉店しているGSもあるので、ドライバーは高速道路を走行する時期や場所、時間帯を考えて早めの給油を心がけたい。
警告灯が点灯したら、高速道路上で燃料切れになってもいつでも路肩に寄せられるよう、一番左側の車線を走る。ガス欠になるとアクセルを踏み込んでも抜けるような感じになるので、すぐにハザードランプを点け、後続車に注意しながら慌てずに道路の左側に寄せるなどの対応をして頂きたい。
停車後は、速やかに停止表示器材などを設置し、ガードレールの外側など安全な車外に避難してから、キロポスト表示で自車位置を確認し、JAFに連絡して欲しい。
3 バッテリーあがりに注意!
出発前にバッテリーの点検を行おう。古いバッテリーは特に充電容量が少なくなりやすい。
JAFによると、お盆期間中の一般道路での救援依頼の1位は「過放電バッテリー」(21251件:全体の29.13%)である。特にエアコンを多用する季節は注意が必要。エアコン自体はエンジンの力で動く車が多いが、風を送り出すファンは電気で回るので、エアコンを強くするとやはり電気をたくさん使うことになる。さらに、ゲリラ豪雨が降ってきてワイパーをフル稼働、更にヘッドライトを付けたとなれば電力の消費はかなり大きくなる。
バッテリーの電気は自然に生み出される訳ではなく、エンジンの回転で発電機を駆動しバッテリーに蓄積している。このため、渋滞にはまってエンジンの回転数がアイドリング時並みに下がると、電気を作る量と使う量の不釣り合いからバッテリーがあがることもある。特にバッテリーが弱っていると、その可能性が高くなるので、普段からバッテリーの点検を心がけておきたい。
長距離運転の機会が増えるこの季節、車両点検をしっかり行うことで、事前にトラブルの予防をしておきたい。
▽JAFクルマ何でも質問箱「タイヤの空気圧点検と充填方法」
http://qa.jaf.or.jp/check/daily/01.htm
▽JAFユーザーテスト「空気圧不足でも起きるタイヤのバースト」
http://movie.jaf.or.jp/details/56.html
▽JAFクルマ何でも質問箱「高速道路の燃料切れの危険性とは?」
http://qa.jaf.or.jp/drive/highway/02.htm
▽JAFクルマ何でも質問箱「バッテリー上がりの原因と症状、点検方法とは?」
http://qa.jaf.or.jp/check/cause/01.htm
▽JAFクルマ何でも質問箱「クルマのバッテリー上がりと応急処置」
http://qa.jaf.or.jp/trouble/handling/03.htm