衝突被害軽減ブレーキは止まれない(こともある)! 映像を国交省が公開。
衝突被害軽減ブレーキは、車に装着されたカメラやレーダーなどで前方の車や歩行者などを検知して、衝突の恐れがある場合に音や警告灯でドライバーに警告を出す。ブレーキ操作がなく衝突が避けられないと車のシステムが判断した場合に、自動的にブレーキが作動する装置だ。現在は、衝突前に減速するだけでなく、完全に停止するまで自動で作動する装置もある。JNCAPでもこの装置についてもテストしていて、車ごとの有効性を検証している。
最近、そうした衝突被害軽減ブレーキを装備した車の普及が加速している。そんな中、国土交通省では4月20日、衝突被害軽減ブレーキでも衝突を回避できない場合があることを示す映像を公開した。この映像では、衝突被害軽減ブレーキは相当の効果があるものの、速度が高すぎる場合や夜間、雨天の際は止まり切れない場合もあった。また、坂道や滑りやすい路面、逆光時には減速を開始するものの衝突してしまうケースがあることを、実車による検証によって明らかにしている。加えて、歩行者の色や車の色などによっても作動しないことがあると警鐘を鳴らす。
装置の有無や、機能の違いは車のメーカーや生産年次によって異なる。衝突被害軽減ブレーキ搭載車のユーザーは、システムが作動する条件について取扱説明書で今一度確認する必要があると言えそうだ。
公開された映像はコチラ↓
2018年4月24日(JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一)