DeNAとクロネコヤマト、自動運転配送「ロボネコヤマト」を始動
ロボネコヤマトのロゴ。
ディー・エヌ・エー(DeNA)とヤマト運輸は7月20日、自動運転を活用した次世代物流サービスの開発を目指し、実用実験「ロボネコヤマト」の実施に向けて計画策定に合意したことを発表した。同プロジェクトは、2017年3月から1年間実施する予定だ。
自動運転分野に進出中のDeNA
DeNAは現在、インターネットサービス分野で培ったノウハウと自動運転技術を連携させ、新たな道路交通サービスの開発や、私有地向けの移動サービスの提供に関して研究開発を進めている。
その一環として、2015年5月には、自動運転技術の開発に力を入れているロボットベンチャー・ZMPとのロボットタクシー事業の実現に向けた合弁会社「ロボットタクシー」を設立。5月のG7伊勢志摩サミットでロボットタクシーサービスが披露された。
また7月7日には、私有地における無人運転バスを使用した新交通システム「ロボットシャトル」に関して、仏EasyMile S.A.社と提携したことを発表。この8月から、イオンモール幕張新都心店の顧客向けに、同店に隣接する豊砂公園の敷地内で(同公園は、イオンモールが千葉市より管理の一部を委託されている)、同サービスの試験導入を行うことも併せて発表している。
今回、DeNAが自動運転技術の物流領域での活用を模索していたところ、顧客の利便性をより高めることを目的としていたヤマト運輸と目的が合致。そして、次世代物流サービスの開発を目指すプロジェクトとして、ロボネコヤマトが立ち上がったというわけだ。
ロボットシャトルのイメージ。
特区で2種類のサービスを実施
具体的には、まず実施場所だが、国家戦略特区のいずれかの地域を検討中とした。
そしてサービス内容としては、「オンデマンド配送」と「買物代行」の2種類の実用実験を行う予定だ。
オンデマンド配送サービスは、利用者が望むときに望む場所で荷物を受け取れるというもの。スマートフォンで荷物の現在値や到着予定時刻の確認が可能だ。共働き夫婦や一人暮らしの人を主な利用者としているという。
なお、同サービスのすべてを自動運転車両が行うわけではなく、一部に導入したサービスを展開する予定だという。
一方の買物代行サービスは、地域の複数商店の商品をインターネット上で購入し、オンデマンド配送サービスにて一括して運べるというもの。乳幼児のいる家庭やお年寄りなどを主な利用者と考えているという。
実用実験では、利用者のニーズに応えられているかどうかの検証と、利用者からのサービスに関しての細かな要望などの収集を行うとしている。
また使用車両は、市販車をベースに、後部座席に荷物の保管ボックスを設置した専用車両を使用。また、自動運転導入時の使用車両は未定としている。
ロボネコヤマトで利用される手動運転車両のデザイン。
ロボネコヤマトでは、DeNAのIT技術を活用した自動運転関連のサービス設計ノウハウと、ヤマト運輸の物流ネットワークを組み合わせることで、より利便性が高く、自由な生活スタイルを実現する物流サービスを目指すとした。
さらに、ロボネコヤマトをオープンなプロジェクトとし、今後、さまざまな事業者の参画も視野に入れて進めていくとした。
2016年7月21日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
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