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公開日:2026.04.02

大宮~東北道が信号ゼロに!?「核都市広域幹線道路」で首都高が「埼玉スタジアム」まで直結へ。事業化に大きく前進【いま気になる道路計画】

東北道の浦和料金所付近。約1km北側に埼玉新都心線が接続する可能性がある。

圏央道と外環道の中間に位置する新たな環状高速道路として、「核都市広域幹線道路」構想が進められている。なかでも、埼玉県内では「首都高埼玉新都心線」を延伸し、東北道へ直結する計画の事業化に向けた検討が最終段階に入っている。詳細とメリット、現在の進捗を見ていこう。

東北道の浦和料金所付近。約1km北側に埼玉新都心線が接続する可能性がある。

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省

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「核都市広域幹線道路」は圏央道・外環道の中間にできる「第三の環状高速」

核都市広域幹線道路の概要。

核都市広域幹線道路の概要。

浦和・大宮を擁するさいたま市周辺を中心に、埼玉南部エリアでは東西方向の道路ネットワークの弱さが長年の課題とされてきた。

戸田付近では外環道(東京外かく環状道路)、桶川付近では圏央道が整備され、郊外部における信号のない広域ネットワークを担っている。一方で、その間およそ20kmにわたっては高速道路が存在しない「高速空白地帯」となっており、岩槻・越谷方面へ向かうには一般道での信号待ちや慢性的な渋滞を避けられない状況だ。

こうした課題を解消するため、両路線の中間を通過する新たな高速道路の計画が進められている。それが「核都市広域幹線道路」だ。

核都市広域幹線道路の概要。

核都市広域幹線道路の概要。

核都市広域幹線道路は、都心から約15km圏の外環道、約50km圏の圏央道の中間を担う「第三の環状高速」となる構想である。

ルートは、横浜方面から立川・所沢・大宮を経て、越谷から柏方面へ至るというのが大まかな見立てだ。もっとも、当初から一本の高速道路として計画されているわけではなく、各地域で進められている個別の高規格道路の計画に対し、「核都市広域幹線道路」という統一コンセプトで“お墨付きが与えられる”という解釈が近い。

横浜エリアでは「横浜北西線の延伸」が想定されており、多摩エリアでは長年の課題であった南北方向の高速道路として期待されているが、現時点で具体的な進展はほとんど見られない。

一方、埼玉県内では所沢~大宮~越谷・吉川に至る広い範囲が検討区間とされており、その一部区間では事業化へ向けた動きが大きく前進している。なかでも注目されるのが「首都高埼玉新都心線」を東北道まで延伸する計画だ。

埼玉新都心線を東北道へ直結。埼玉スタジアムも便利に!

核都市広域幹線道路(埼玉新都心線~東北道付近)の概要。

核都市広域幹線道路(埼玉新都心線~東北道付近)の概要。

「首都高埼玉新都心線」は、さいたま市東部へ延びる延長約5.8kmの路線で、都心から北上する「埼玉大宮線 与野JCT」から分岐し、「さいたま見沼IC」まで途切れている。それをさらに東に約4~5km延伸すれば、東北道に到達するというわけだ。

計画の詳細を見ていこう。東北道との接続位置は、浦和IC~岩槻ICのほぼ中間にあたり、具体的には埼玉スタジアムの北側とされている。終点となるICは、東北道のさらに東側に設けられる計画だ。構造は高架を基本とし、片側2車線、総幅員は25.5mとなる見込みだ。

この区間が開通すれば、埼玉大宮線と東北道という2つの放射方向の高速道路を互いに結ぶ役割を担い、環状機能を持つ「核都市広域幹線道路」の一部として、その機能を発揮することが期待される。

また交通要衝である大宮エリアにとっては、埼玉スタジアムへのアクセス性が向上する点も大きなポイントだ。連絡バスは信号待ちの影響をほとんど受けなくなり、イベント時に求められる定時性の向上が期待される。

さらにスタジアム北側には大規模な物流施設が集積しているほか、競走馬のトレーニングセンターも立地しており、広域ネットワークへのアクセス性が重要な施設が多い。加えて、終点ICのすぐ北側では、埼玉高速鉄道の岩槻延伸計画(浦和美園から岩槻方面)の「中間駅」の設置が検討されており、今後の大きな発展も予想されている。

埼玉新都心線の延伸は最終ルート案の決定へ

ルート案は2つまで絞られている。

ルート案は2つまで絞られている。

「首都高埼玉新都心線」の進捗は、事業化の一歩手前にあたる「計画段階評価」のフェーズにある。

計画段階評価では、一般的に2~3回の地域アンケートを実施して、概略ルートや構造の決定に向けて絞り込んでいく。その後、都市計画決定や環境アセスメントといった手続きが終われば、事業化へと進む流れとなる。

「首都高埼玉新都心線~東北道」では、すでに1回目のアンケートを踏まえてルート案が絞り込まれており、最終案の選定に向けた2回目のアンケートが2026年3月まで実施されていた。

ルート案は大きく以下の2つに分かれている。

【北側ルート】
直結点まで最短距離で結ぶルート案で、自然が残る広大なエリア「見沼田んぼ」の回避を考慮した点が特徴だ。
【南側ルート】
やや南へ迂回するルート案で、沿線に住宅地が比較的少ないため、用地確保などが進めやすいメリットがある。

今回の2回目アンケートを踏まえ、2026年度の早い段階で最終案が決定する見通しだ。ただし、その翌年に事業化へと移行できるかというと、ハードルは低くない。

例えば、関門海峡を跨ぐ「下関北九州道路」の事例では、2024年5月にルートが決定。2025年末に都市計画決定と環境アセスメントの手続きが完了して、事業化までにおよそ2年を要した。

果たして、首都高埼玉新都心線の東北道延伸は、2028年春の事業化を迎えることができるのだろうか。あわせて「核都市広域幹線道路」として、一体的な機能発揮が期待される「大宮以西」や「東北道~越谷・吉川方面」の区間についても、今後どのタイミングで具体化が進むのかが焦点となる。計画全体がどのような形になっていくのか、引き続き動向を注視していきたい。

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