「岡山環状南道路」が2026年度開通へ! 壮大な「岡山環状道路」の全貌とは。中心部の大渋滞をスルーする“岡山の外環道”の現在【いま気になる道路計画】
岡山市街地の外縁部をぐるりとつなぐ「岡山環状道路」計画が進行中だ。中心部の混雑を避けて中長距離移動を円滑にするこのプロジェクトは、一体どこまで進んでいるのだろうか。その事業内容やメリット、進捗状況を見ていこう。
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岡山環状道路は全長約40kmの壮大な道路計画
渋滞する岡山市内の道路。
岡山市は、人口70万人以上を抱える政令指定都市であり、中四国・関西・山陰の結節点となっているため、東西南北のどの方面からも交通流が集中する都市だ。
中心部では古くから生活交通と中長距離の通過交通が混在し、慢性的な渋滞となっている。そこで中心部から中距離交通を分離するため、環状バイパス道路の整備が進められてきた。その中でも都市圏郊外をぐるりとつなぐのが、未完成の「岡山環状道路」である。
岡山西バイパスの高架区間の概要。
岡山環状道路の総延長は約40km。北は山陽自動車道の南側を並行し、そこから時計回りに東岡山、百間川(ひゃっけんがわ)河口、新岡山港・岡山港・岡南飛行場を経て、JR山陽本線「北長瀬駅」付近を抜けるように北上して、山陽道「吉備スマートIC」まで一周するルートだ。
東側~南側は岡山市が、西側は国が整備主体となっている。北側はまだ都市計画決定されていないが、それ以外は大部分で事業化済み、あるいは開通済みだ。
岡山環状道路が全線開通すれば、東西方向は国道2号のバイパスとなるほか、南北方向では郊外エリア間をまっすぐつなぐ主要軸の誕生となる。これまで混雑によって所要時間が読めなかった地域住民の生活交通を円滑にする存在だ。
また物流面でも、「岡山港」と「吉備スマートIC」が直結され、所要時間は現在の50分から29分に大幅短縮されると見込まれている。
東側はブツ切れの開通部が複数。整備中の立体交差も
一部暫定開通している岡山赤穂線(中井~宍甘)。
岡山環状道路の整備状況について、工区ごとに整理していこう。
●岡山赤穂線 中井~宍甘(しじかい)【事業中】
岡山県道96号「岡山赤穂線」は、市街地の東側を抜ける東西軸として、百間川を越えたJR高島駅北側まで4車線道路が整備されている。これをさらにJR東岡山駅前まで3.5km延伸させる工区だ。
完成すれば国道250号「宍甘交差点」まで到達し、赤穂方面から岡山市中心街までのバイパスがつながることになる。
事業化されたのは2015年、現在は用地取得の段階で、取得率は37%(2025年4月時点)となっている。現地では更地化が進んでおり、道路の完成イメージがうっすら分かる状況だ。またJRの高架をくぐる部分が、先行して着工している。
●九蟠(くばん)東岡山停車場線【一部開通済み、中間部は未事業化】
岡山環状道路の東側を南北に走る約7kmの区間だ。北側にあたる宍甘交差点からJR大多羅(おおだら)駅手前の約1.5kmが4車線で完成済みとなっている。
JR大多羅駅付近から南下して国道2号までの区間は、概略ルートが決まっているだけで未だ事業化されていない。ただし岡山市の10か年計画「みちづくり計画」(~2028年度)では“三環状道路の整備を重点的に進める”方針となっており、近いうちに事業化を果たす可能性もある。
国道2号から南側は暫定2車線で開通済みとなっており、4車線化の将来に向けて都市計画幅の立派な敷地が確保されている。その2車線が突然途切れる場所が、将来的に環状道路が西方向へ進路を変える予定地点だ。
●百間川渡河部【未事業化】
百間川を渡る橋が整備される区間は、未事業化のままとなっている。
●江波升田線【事業中】
新岡山港の南側を東西に走る部分だ。百間川と旭川に挟まれた江波エリアの約1.4kmが2014年に事業化しており、2025年4月時点で用地取得率は25%となっている。
●江波~国道30号【開通済み】
旭川を越えるエリアから国道30号までの河口エリアの約7kmは暫定2車線で開通済み。2022年に笹ヶ瀬川に架かる「笹ケ瀬令和橋」が開通したことで国道30号へ直結し、岡山港や南区中心部をつなぐ東西ネットワークが完成した。
西側は「岡山環状南道路」工区が開通間近!
2026年度開通予定の「岡山環状南道路」工区。
●岡山環状南道路【全線開通間近】
岡山環状南道路は、国が4車線整備する西側の約2.9kmの南北軸だ。国道30号と国道2号という、大渋滞となっている2つの放射軸を短絡するルートだ。岡山環状道路のキーとなる区間と言えるだろう。
工事は既に大詰めとなっており、「2026年度開通」が発表されている。盛土や高架など立体交差が主体だが、国道2号と交差する「大樋橋西交差点」は2号側が上を通る形となる。
●岡山西バイパスほか【暫定開通済み】
国道2号以北は、山陽道 吉備スマートICの手前まで、片側2車線ずつのバイパスが暫定開通。しかし、これはあくまで側道部分の暫定形だ。
岡山市の西側に誕生した待望の南北軸であるため、1日2万台を超える交通流が集中。平面交差点が続くため、信号待ちによる渋滞が慢性化している状況だ。特にひどいのがJR山陽本線をまたぐ跨線橋で、ここは片側1車線のため強烈なボトルネックとなっている。
最終完成形となる高架の本体工事は、まず北側の「西長瀬~楢津」3.5kmで事業中。ここが完成すれば、JR南側から旧一宮町の国道180号旧道(西国街道)までを信号に捕まらずに移動可能となる。
2020年に事業化され、調査設計を経て、2023年から橋脚設置工事が始まった。
●吉備IC~岡山IC~高島
山陽道と並行する北側の東西軸は、まだ概略ルートすら決まっていない。基本的にまっすぐ東進し、半田山周辺の山岳地帯をトンネルで貫通。岡山理科大学付近をかすめて、旭川を渡って中区へ入る区間だ。
そこから岡山赤穂線までは県道219号「原藤原線」としてつながっているが、幅員の狭い2車線なので、将来的に拡幅することとなりそうだ。
このように、「岡山環状道路」は開通間近な区間と未事業化区間が入り乱れている状況だ。
まずは2026年度、「岡山環状南道路」が開通して、吉備スマートIC~岡山港までが1本につながることが大きなトピックになるだろう。その次は、岡山西バイパスの高架完成だ。臨海部の東側、百間川を越えて国道2号へつながるまでの全区間の事業化にも期待がかかる。岡山環状道路の全線開通まで、引き続き進捗を注視していきたい。
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