88万円で買える新型電動トゥクトゥク「COCO」は日常使いの強い味方! 実際に走るとどんな乗り心地?【試乗レビュー】
日本でのEVへの関心はまだまだ低い印象を受けるが、日常使いの小型モビリティなら十分可能性があるのではないだろうか? 今回、コスパとデザインが魅力の電動トゥクトゥク(EVトライク)「ビベルトライクCOCO(ココ)」に試乗したので紹介しよう。
この記事をシェア
「バブル」と「ビベル」
神奈川県伊勢原市に拠点を構える株式会社バブルは、EVトライクブランド「VIVEL(ビベル)」の企画・開発から運営まで行っている。
もともとバイクショップだったというバブルが、なぜ3輪EVを手がけるようになったのか? そして、新開発された「COCO」とはどんな乗り物なのだろうか? バブル代表の鈴木俊介氏に話を伺ってきた。
「バイクは機動性が高く、気軽に乗れる点は魅力ですが、近距離移動においてはヘルメット着用のわずらわしさや、乗車定員の少なさ、天候に左右されやすい点がネックです。
クルマもまた、ちょっとした買い物や送迎等に使うには運転の面倒もあり、またガソリン代や車検などの維持費も無視できません。
そこで、近距離移動に適しながら維持コストも抑えられる、手軽で便利な乗り物を検討した結果、辿り着いたのがEVトライクでした」
「近年、小型モビリティが次々と登場している中、新たなモビリティとしてEVトライクを普及させることはできないだろうかと思ったのが、開発のきっかけでした」と話すバブル代表の鈴木氏
こうして、鈴木氏の情熱でスタートしたビベルでは、2021年にEVトライクのプロトタイプが完成。車両試験や不具合の修正に、日本の保安基準への適合化を行い、2023年にシリーズ第1号を発売した。
ちなみにビベル(VIVEL)という名前は、フランス語で“生きる・暮らす”を意味する Vivre(ヴィーヴル) と、店名(社名)であり、愛犬の名前でもある バブル(Bubble) を組み合わせた造語で、誰かと共に、豊かに生きる乗り物という想いを込めたそうだ。
その後、スクエアボディに2種類のモーターと2種類のバッテリーの組み合わせを選択できる新型「ビベルトライク」を発売。後席の代わりにリアボックスを追加し、運搬作業に適した軽貨物モデル「ビベルトラック」もラインナップに加えた。
バブル店内のガレージにはビベルのスタンダードモデル「ビベルトライク」が並んでいた
そして2025年になると、ビベルトライクのデザインに丸みを持たせ、性能をブラッシュアップした新型「ビベルトライクCOCO(ココ)」が誕生。COCOは同年の10月から予約受付を開始し、2026年1月からデリバリーが始まっている。
側車付き軽二輪×EVの組み合わせが優秀!
ここで、新モデルCOCOの魅力に触れる前に、ビベルトライクシリーズに共通するメリットについて、整理してみよう。
・車両区分は「側車付き軽二輪(サイドカー)」扱いとなるため、運転には普通二輪免許は不要で、普通自動車免許があればOK。
・車庫証明や車検も不要、税金は軽二輪と同じで、ランニングコストもクルマの10分の1程度に抑えられる。
・充電はどの家庭にもある100V電源に対応、自宅で手軽に充電できて経済的。
・3輪なので、横風や急操作時の安定性は4輪車に及ばないが、2輪車より格段に安定しており、転倒を気にせず安心して乗れる。
・最高速度は時速50kmまで。生活道路で問題なく流れに乗れて、安全性も高い。
・シンプルなハンドル設計でトライクの運転に不慣れな人でも操作しやすい。
・車両本体価格は税込69万円~88万円と控えめ。
以上のようなメリットが挙げられる。
ビベルトライクシリーズは路上でも悪目立ちせず、街中に溶け込むシルエットだ
COCOのココが魅力!
それでは次に、新型ビベルトライクCOCOの魅力に焦点を当ててみよう。
まずはデザインだが、スクエアボディを活かした精悍な雰囲気のデザインであったビベルトライクに対し、COCOは女性も乗りやすいよう、丸みを帯びた可愛らしいデザインに変更。やや縦長丸目の2眼ヘッドライトを組み合わせ、次世代モビリティらしさも漂わせている。
また、装備面ではタッチ式ディスプレイ、バックモニター、前・後席シートベルト、リアボックス(48L)を標準装備。コントロールパネルでは音楽と動画再生といったエンタメ機能を操作できる。
ビベルトライクCOCO|VIVEL TRIKE COCO
ビベルトライクCOCO|VIVEL TRIKE COCO
街中でCOCOに試乗した感想は?
COCOの魅力を知ったところで、実際に試乗してみた。
運転席と後席への乗り降りはスムーズ。運転席は割とゆったり座ることができる。ハンドルはオートバイタイプで、左右には小物やドリンクなどが入れられる多目的ポケットが備わり、デジタルメーターとディスプレイもシンプルで見やすい。
後席は大人1人と子ども1人が乗っても窮屈にならない広さ。また車両後部にはコンパクトなトランクが用意され、ちょっとした買い物品や手荷物程度であれば収納できる。ただし欲を言えば、買い物カゴがそのまま入る程度の容量が欲しかったところだ。
COCOのハンドルでは右手でアクセルとウインカー、左手でブレーキ操作を行う
COCOの運転席・後席どちらにもシートベルト付き。運転席のアームレストは上下に調整可。後席のシート下にバッテリーを積んでいるため、この場所に荷物の収納はできない仕様
キーを回して電源を入れ、ハンドル右側の前進/後進ギアを選択してサイドブレーキを解除したら走行準備が完了。スロットルを回すとEVらしく静かで滑らかな発進をしてくれる。
ハンドリングはやや重めで、スロットルの遊びも少し大きい。しかしモーターへの反応はダイレクト。その特性を踏まえつつ、スロットルを開けていくと緩やかに加速していき、速度を上げても不安は感じられないが、それに伴う車体の振動は少々気になった。
最高速度は安全性を考慮して50km/hまでに設定されており、生活道路であれば問題なく流れに乗ることができるが、広い幹線道路などを走る場合は一番左側を走るのが無難だろう。
そもそも速度を出して楽しむ車両ではなく、近距離の移動を快適にするモビリティなので、購入検討の際は、その点を理解しておく必要があるだろう。操作自体はシンプルでバイクに乗ったことのある人であればすぐに慣れる。また、初めて乗るという人でも少し練習をすれば問題なく運転することができるほど操作はイージーだった。
走りについて、基本的に安定感はあるが、カーブを曲がる際にしっかりと速度を落とさないとリヤタイヤの滑りを感じたり、ハンドルを急に大きく切るとリヤタイヤが浮く感覚があるので、その点に関しては注意が必要となる。
側車付き軽二輪の法規上の制限速度は一般道で60km/h、高速道路で80km/hとなっているが、COCOの場合は最高速度が50km/hに抑えられているので、基本的には一般道での使用を想定している
街中の走行では、近距離や狭い道路、入り組んだ道では小回りが利き、ストレスなくスムーズに移動できることを確認。やはりCOCOは住宅地や街中でこそ強さを発揮する乗り物だ。
操作がシンプルな上、最高速度は低めの設定で安全性も高い。多少の雨風であれば気にならないし、航続距離も100kmと日常使いなら問題はない。
独特の開放感があり、ゆっくり走る楽しさがあるところもCOCOならではの魅力だ。この乗り物でちょっとした買い物やお出かけ、そして子どもの送迎などに使うのも大いにアリだと感じた。
COCOは駅前での送迎シーンが良く似合う
COCOはどんな人向け?
ビベルトライクCOCOは日常的にクルマを使っている人よりも、大きなクルマの運転に不安のある人や、個性を求める人に向けたパーソナルモビリティだ。実際にCOCOは、女性や高齢者を中心に高い支持を集めているという。
「一般的な二輪車や四輪車の方が良いと感じる人には、オススメしません。そのどちらにもないものを求めている人に乗ってもらいたいです」と鈴木氏は語ってくれたが、試乗してその通りだと感じた。
ビベルトライクの取り扱い店舗は現在、全国で進んでおり、春頃までに20店舗以上へ拡大する見込みとのこと。また、今後はオートバックスでの取り扱いも予定しており、実現すれば多くの場所で購入やアフターケアなどのサポートを受けられるようになるだろう。
興味のある人は是非一度、その走りや乗り心地を体験して欲しい。COCOは気軽に使えるフレンドリーなモビリティだ。
SPECIFICATIONS
ビベルトライク ココ|Vivel Trike Coco(CLi POWER)
ボディサイズ:全長2360×全幅1080×全高1680mm
車両重量:253kg
モーター出力:2.0kW
一充電走行距離:約100km
充電時間:AC100Vでは約5~8時間
最高速度:50km/h
積載重量:255kg
乗車人数:3人
車両区分:側車付き軽二輪(要普通自動車免許)
税込価格:88万円
リアボックスへは車外からアクセス可能




