千葉の激混みルート「船取線」に新バイパス! 延伸事業化も近づく「南本町馬込町線」はどこまでできた?【いま気になる道路計画】
千葉県船橋市と鎌ヶ谷市方面を結ぶ県道 船橋我孫子線、通称「船取線」の渋滞が激しい。混雑緩和のため、バイパスとなる都市計画道路「南本町馬込町線」が整備中だ。その事業内容やメリット、進捗状況などを見ていこう。
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船橋市の新たな南北軸「南本町馬込町線」とは
都市計画道路「南本町馬込町線」の概要。青線が開通済み、赤線が事業中、点線は未着手。
千葉県内の道路ネットワークの貧弱さは枚挙にいとまがないが、その中でも重要な南北軸となる千葉県道8号「船橋我孫子線」、通称「船取線」の深刻な渋滞は、広範囲の利用者を悩ませている。
特に船橋~鎌ヶ谷の移動は、この道路に大きく依存しているのが実情だ。狭い2車線道路に1日あたり2万台の交通流がなだれ込み、連続する信号待ちによって慢性的な渋滞が生じている。
下総台地が複雑に刻まれた凹凸だらけの地形のため、エリア全体でまっすぐな道路がほとんどなく、船取線の実用的な抜け道は、ほとんど存在しない。移動が制約されやすいネットワークとなっている。
そんななか、船橋市内で悲願のバイパスとなる都市計画道路「南本町馬込町線」の整備が進行中だ。
渋滞の連なる船取線。青色部分が渋滞区間。
都市計画道路「南本町馬込町線」は、船橋市役所付近の京葉道路下を起点に北上し、JR船橋駅の西側を抜け、イオンモール船橋・船橋運動公園・馬込斎場を沿道に持ちながら、馬込霊園前で船取線へ合流するルート。基本的に両側歩道・中央分離帯付きの4車線道路、総延長は約5.5kmで計画されている。
全線開通すれば、船橋中心街から船取線のバイパスとして機能し、駅や商業施設、公園などの交通需要を分散し、船取線の混雑緩和に期待がかかる。また、船橋駅北口に直結するアクセス道路として激しい渋滞となっている南北軸「夏見小室線」に対しても、直接的なバイパスとなる。
船橋市の事業着手10か年計画の「代表格」
船橋市の都市計画道路「南本町馬込町線」の開通済み区間。(Google Earthより)
南本町馬込町線は、すでに複数工区が開通または事業進行中。さらに船橋市の道路整備の10か年計画である「船橋市道路整備プログラム」において2031年度までに事業着手をめざす優先整備工区に、残る工区のほぼ全線がリストアップされている。同プログラムに掲載される事業の総着手延長の約7割を占めており、まさに船橋市が総力を注ぐ、現在もっとも注目度の高い道路計画だ。
整備状況を北側(馬込霊園前)から順番に見ていこう。
●【開通済み】船取線~馬込斎場
2020年に約600m区間が暫定2車線で開通。これまで木下街道からしかアプローチできなかったところに、船取線からの短絡ルートが誕生した。南本町馬込町線の終端部の先行開通だ。
●【着手予定】馬込斎場~長津川緑地(旭町工区)
未着手の1660mがまるごと優先区間に指定されている。旭町から長津川緑地を越え、ヤマダ電機などがある塚田駅東側へ出る区間だ。急峻な崖を横断するルートにあるため、設計や工事は難しいと見られる。深い切土や高架橋も必要になるかもしれない。
●【開通済み】長津川緑地~船橋松戸線
延長1.5kmが一部4車線で開通済みだ。東海神駅北側まで南北軸を形成し、イオンモールへのアクセスも担っている。
用地取得も大詰め。東海神工区は本格着工も遠くない
都市計画道路「南本町馬込町線」は、東海神駅周辺の区間が事業中。
●【工事中】東海神駅前
船橋松戸線から南下し、船橋駅北口エリアへ直結する約400mの未開通区間だ。用地取得率は約92%(2024年時点)に到達。すでに現場では準備工事として、交差点付近の形状変更や地下横断施設の構築、水道移設などが進められている。船橋市の議会答弁によれば、開通目標は「2032年度」だという。
ここが開通すれば、船橋駅~夏見地区の移動がスムーズになり、船橋松戸線や夏見小室線の渋滞を回避できるようになる。
●【開通済み】船橋駅西側
京成本線の高架化・踏切解消と合わせて整備が進められ、2012年に開通した区間。東武アーバンパークライン・JR・京成本線をくぐる貴重な南北軸となり、船橋駅北口・南口エリアの分断状態が緩和された。南側は現在、本町通りにT字路接続して終わっている。
●【着手予定】本町通り~国道14号(本町⼯区)
優先工区に指定されている245mの区間。完成すれば、混雑する国道14号の交通流を北方向へ分散させる機能が期待される。一方、国道14号に新たな交差点が生まれることで、信号待ちや右折滞留などにより、さらなる混雑を招く可能性もあるため、周辺の構造改良は必須だ。
このように、船橋中心街~鎌ヶ谷方面のバイパスとなる「南本町馬込町線」は、計画上は貫通に向けて準備万端だ。当面のトピックとしては、「東海神駅前」の区間において、都市計画の手続きや用地取得の完了時期がいつになるのかに注目だ。
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