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公開日:2026.01.15

西東京~拝島の新バイパス「新五日市街道」とは? 実は一部が開通済み! 西東京を貫く東西軸の将来計画はどうなる【いま気になる道路計画】

吉祥寺上空から西東京方面を望む。(c)show-m – stock.adobe.com

東京の西東京市から福生市方面を結ぶ、壮大な新バイパス「新五日市街道」の計画が進行中だ。西東京の重要なネットワークとなるこの道路は、どこまで整備されているのだろうか。その事業内容やメリット、進捗状況などを見ていこう。

吉祥寺上空から西東京方面を望む。(c)show-m – stock.adobe.com

文=鳥羽しめじ

資料=東京都、福生市、小平市

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狭い「五日市街道」のバイパスとなる「新五日市街道」

新五日市街道の計画ルート。ほとんどが未着手となっている。

新五日市街道の計画ルート。ほとんどが未着手となっている。

東京都の23区外である西側地域は、道路ネットワークが貧弱で南北・東西ともに幹線が限られており、狭い生活道路を抜け出ても、幹線道路がパンク状態となっている。

そのため、古くから新たな移動軸となる都市計画道路が設定され、少しずつ整備が進められてきた。そのひとつが東西軸となる「新五日市街道」だが、現在も完成していない。一体どのような全貌で、どこまで整備が進み、どの区間が完成しているのだろうか。詳しく見ていこう。

現在の五日市街道。

現在の五日市街道。

「新五日市街道」は、青梅街道の西武柳沢駅付近から西進し、玉川上水や西武拝島線と並行しながら、拝島駅北側で国道16号へ到達、最終的にはあきる野市までつながる総延長約33kmの都市計画道路。基本的に計画幅員18mの両側歩道付き2車線道路だ。

旧来の「五日市街道」は、この計画のもう少し南側を抜ける、砂川七番を経由する東京都道7号「杉並あきる野線」のこと。旧態依然とした幅員の狭い2車線の生活道路で、中距離以上のネットワーク交通流をさばける余裕はなく、慢性的な混雑に悩まされている。また歩道も路肩も狭いため、交通安全上の懸念も大きい。

「新五日市街道」は、その五日市街道をまるごとバイパスする新ルートとして計画されている。

「新五日市街道」の開通済み区間はほんの一部

新五日市街道のうち、先行開通した花小金井駅南口。ほんの一部だけが完成形になっている。

新五日市街道のうち、先行開通した花小金井駅南口。ほんの一部だけが完成形になっている。

新五日市街道のうち、先行開通した武蔵野美術大学前。ほんの一部だけが完成形になっている。

新五日市街道のうち、先行開通した武蔵野美術大学前。ほんの一部だけが完成形になっている。

しかし、多くのドライバーは「新五日市街道? そんな道路あったっけ?」と不思議に思うかもしれない。それもそのはず、約17kmにわたる壮大なバイパス部分は、まだほとんど具体的な整備が見えないからだ。

都市計画決定されたのは各自治体で1961年~1967年。それから60年以上が経過しているが、事業化している区間すらわずかなのが現状だ。

開通済み区間は以下の3か所だ。

・花小金井駅の駅前道路
 南口のロータリー整備に合わせて300mほど完成。
・武蔵野美術大学前
 約500mが優先整備路線とは別の「新みちづくり・まちづくりパートナー事業」で整備されている。
・松中団地前
 西武立川駅の北側にのびる幅員の大きい道路が、将来の新五日市街道だ。団地の整備にあわせて、完成幅が確保された。

いずれも「他の開発にあわせて将来形で整備した」というレベルのピンポイントな対応だが、周囲と比べて“不自然に広い道路”の風景が、都市計画の存在をうっすらと示唆している。

約8kmが都の計画で「優先整備」対象に

新五日市街道(都-80・81)は、東京都の「第五次事業化計画」で優先整備路線に位置づけられている。

新五日市街道(都-80・81)は、東京都の「第五次事業化計画」で優先整備路線に位置づけられている。

「新五日市街道」の計画は、今後どうなっていくのだろうか。

現在、事業化済みなのは小平市の「小川町二丁目区間(府中街道~山王通り)」の延長444mだ。JR新小平駅のすぐ南側で、公園整備事業とあわせて事業が進められる。

さらに東京都が策定する10か年計画「第五次事業化計画」(2026~2035年度)では、「優先整備路線」として新五日市街道の2区間が大々的にリストアップされている。

まずは「青梅街道~花小金井~新小金井街道」の計2,050mだ。完成すれば西東京~小平を結ぶ2本の東西軸(青梅街道・五日市街道)のちょうど真ん中に、3本目の東西軸が誕生することとなる。第四次事業化計画の際は目立った進展はなく、第五次事業化計画へと引き継がれた。

もうひとつが「芋窪街道(多摩モノレール)~福生市境」の計5,010mだ。完成すれば、五日市街道のバイパスとして交通容量を補佐する存在となる。こちらは20年前の「第三次事業化計画」からの宿題で、優先整備目標が必ずしも早期完成につながらない現実をうかがわせる。

また、五日市街道が急角度で拝島駅方面へ進路を変える部分(西砂地区)は、将来的に新五日市街道が北東から合流してくる場所だ。そこから拝島駅方面では、現道の4車線化事業が計画されている。

立川市内は前述の優先整備路線に含まれ、福生市内は事業化済みだ。さらに開通済みの松中団地区間でも、4車線化の都市計画変更が検討されている。


このように、全体としては進捗がほぼない「新五日市街道」も、東京都としては合計約8kmにわたって優先整備するという意志を明らかにしている。次に動きがあるとすれば、優先整備路線のどれかが事業化される可能性が高いだろう。とはいえ前述の通り、優先整備路線にリストアップされたからといって、すぐに事業化するとは限らない。地元自治体からの強い要望が都をどう動かしていくのか、引き続き注視していきたい。

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