【東京モーターショー2017】速そうなクルマをどどんと集めてみた!
10月27日より11月5日まで、東京ビッグサイトで開催された第45回東京モーターショー2017。その中で展示された、各メーカーのスーパーカー、そしてレーシングカーなど、速い&速そうなクルマばかりを集めてみた。まずは市販スーパーカーから。
イケヤフォーミュラ「IF-02RDS」
フォーミュラーカーや競技用車両専用パーツの開発などを手がけるイケヤフォーミュラが「究極のロードゴーイングスポーツカー」の”序章”として開発したのが、この「IF-02RDS」だ。
近年、スーパーカーを超えた”ハイパーカー(スーパー・スーパーカー)”と呼ばれる、まさにレース専用車をそのまま公道に持ってきたような超ハイパフォーマンスカーが増えているが、同車もそうした1台を目指して開発されているところ。ナンバープレートがあるとおり、公道走行が可能だ。全高が108cmしかなく、乗り降りも一苦労するほどだ。
全長4660×全幅1975×全高1080mm、ホイールベース2750mm。車重1150kg。エンジンは直列4気筒ターボ、排気量1998cc。最高出力は推定220~260kWとし、最大トルクは未公表。サスは前後ダブルウィッシュボーン。テストコースでの走行シーンなども動画で公開されている。
ホンダ「NSX」
ホンダブースでは、パークブログでも何度かお届けしている2代目「NSX」も展示。初代「NSX」には走りを追求した「NSX-R(タイプR)」や、オープントップの「タイプT」などが設定されていたので、そうしたニューモデルを期待したファンも多かっただろうが、今回は残念ながらなし。ただし、オープントップモデルは開発中といわれている。2代目NSXの詳細な記事を読みたい方はこちらから(新しいタブが開きます)
全長4490×全幅1940×全高1215mm、ホイールベース2630mm、トレッド前1655/後1615mm。車重1780~1800kg。V型6気筒DOHCツインターボエンジンの排気量は3492cc。3モーター搭載の4WDハイブリッドシステムのトータルでの最高出力は427kW、最大トルクは646N・m。サスは前後共にダブルウィッシュボーン。最高速度や時速0→100kmは未公表。価格は2370万円(税込)。助手席に同乗試乗した際の動画はこちらから(新しいタブが開きます)。
アウディ「R8 スパイダー V10」
2017年6月から日本での販売がスタートしたばかりの、アウディのフラッグシップであるスーパーカー「R8 V10」のオープントップ仕様。V10エンジンはリアミッドシップで搭載されており、「quattroドライブ」による4輪駆動。ソフトトップのフレームにはアルミおよび鍛造マグネシウムを採用して大幅な軽量化が図られており、油圧電動式により開閉は20秒で行われる。
全長4425×全幅1940×全高1240mm、ホイールベース2650mm、トレッド前1645/後1610mm。車重1770kg。V型10気筒DOHCエンジンの排気量は5204cc。最高出力397kW/7800rpm、最大トルク540N・m/6500rpm。サスは前後共にダブルウィッシュボーン。最高速度は時速318km、時速0→100kmは3.6秒。価格は2618万円(税込)。
BMW「i8 プロトニック フローズン イエロー」
全国限定4台販売の特別仕様となっている、BMWのプラグイン・ハイブリッド・スーパーカー「i8」。ボディーカラーは光沢を抑えたマット仕上げの「フローズン・イエロー」。そして、フローズン・グレー・メタリックのアクセント、フロントとリアにシャイニー・ブラックのエレメントとなっている。内装も専用のシートやヘッドレストなどになっている。
全長4690×全幅1940×全高1300mm、ホイールベース2800mm、トレッド前1645/後1720mm。車重1510kg。直列3気筒DOHCエンジンの排気量は1498cc。1モーター搭載による4WDのハイブリッド・システムのトータルでの最高出力は266kW、最大トルク570N・m。サスは前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク。最高速度は時速250km、時速0→100kmは4.4秒。価格は2298万円(税込)。
メルセデス・AMG「GT R」
メルセデス・ベンツのハイパフォーマンス部門AMGが開発した、国内では2017年6月から販売が開始された、現在のAMG系のクーペタイプ最上位モデル。ロー&ワイド、ロングノーズのプロポーションが特徴だ。同社史上初となるカーボンファイバー製トルクチューブや四輪操舵システムなどを備える。
全長4550×全幅1995×全高1285mm、ホイールベース2630mm、トレッド前1695/後1685mm。車重1640~1690kg。V型8気筒DOHCツインターボエンジンの排気量は3982cc。最高出力430kW/6250rpm、最大トルク700N・m/1900-5500rpm。サスは前後共にダブルウィッシュボーン。最高速度は時速318km、時速0→100kmは3.6秒。価格は2300万円(税込)。
トヨタ「GR HV SPORTS concept」
続いては、スポーツカーやスーパーカー、ハイパーカーのコンセプトカーを紹介しよう。
トヨタ「GR HV SPORTS concept」は、エアロトップスタイルのハイブリッド・スポーツカーのコンセプトモデル。レーシングカー「TS050 HYBRID」に搭載され、レースで磨かれたハイブリッドシステム「THS-R(TOYOTA Hybrid System-Racing)」を搭載しているほか、オートマと6速マニュアルをボタンひとつで切り替えることも可能。重量配分を考慮してバッテリーを車体中央下部に配置するなど、ハイブリッド・スポーツカーとして走りを追求した設計となっている。
全長4395×全幅1805×全高1280mm。駆動方式はFR。ボディカラーは力強さの表現を狙って、マットブラックを採用。「TS050 HYBRID」をイメージした部分は、LEDヘッドランプやアルミホイール、リア・ディフューザーなど。
メルセデス-AMG「プロジェクトワン」
F1マシンのメルセデス-AMG「ペトロナス F1 W08 EQ パワー+ 」に搭載されるパワーユニットをそのまま使用する形で開発中の1台。 1.6L・V6エンジンに、90kWの電動ターボ、そして合わせて120kWとなるモーターを4基搭載し、合計の最高出力は735kW(1000ps)オーバー。最高速度は時速350km、時速0→200km加速が6秒だという。
F1のパワーユニットを搭載するメルセデス-AMG「プロジェクトワン」。ニュルブルクリンク北サーキットをどれだけのタイムで走れるのかが期待される1台だ。
BMW「コンセプト8シリーズ」
BMWの市販車は1~7のナンバーで分類され、ナンバーが大きいほどより高級車となる。例外なのが、ハイブリッドスーパーカーの「i8」。かつて「8」は20年前にフラッグシップモデルの最高級セダンに使われていたが、現在はスーパーカーのナンバーという位置づけのようだ。この「コンセプト8シリーズ」について、同社は”モータースポーツのDNAを宿したラグジュアリーなスポーツカー”とうたっており、デザイン的にスーパーカー、ハイスペックの高級ラグジュアリーカーと思われる。
スペックは未公表。20年前の「8」シリーズは高級セダンの外見だったが、コンセプトモデルとはいえ、フロント部分はかなり迫力のあるデザインとなっており、BMWのトレードマークであるキドニー・グリルも凄みすら感じる。
BMW「コンセプト Z4」
BMWは数字に加えて、ノーマルなセダンやクーペ以外は、頭にアルファベットを組み合わせることで、そのクルマがどのようなタイプなのかを表している。Zは2シーターのオープンモデルであることを示し、この「コンセプト Z4」は数年後の発売を予定しているモデルのデザイン試作車で、アジアプレミアの1台。BMWの従来のオープンモデルはロングノーズのイメージだが、同車はボンネット(エンジン・フード)を短くしており、従来よりも運転席が車体の中央に位置するデザインになっているのが特徴だ。
スペックは未公表。フロント・ホイールアーチ後方のエア・ブリーザーから始まる車体側面の深く彫りの入ったデザインは、現行のBMWが比較的直線的なのに対し、斜め上へ向かっており、特に下側のラインは跳ね上がるようになっているなど、新しいデザインを採用している。
ザガート「イソリヴォルタ ビジョン グランツーリスモ」
続いては、レーシングカーを紹介しよう。
最初に紹介するのは、レースゲーム「グランツーリスモ」用にイタリアの名門カロッツェリア・ザガートがデザインした、バーチャルレーシングカー「イソリヴォルタ ビジョン グランツーリスモ」。同作品はこれまでにも、世界中のさまざまなメーカーからバーチャルマシンの提供を受けており、同車はPS4用の最新作「グランツーリスモ スポーツ」にアップデートで将来的に追加される計画だ。
同車は1960~70年代に耐久レースで活躍したレース専用車「イソ・リヴォルタ」にインスピレーションを得て開発されたという。バーチャルとはいっても、現実のクルマと同様に開発されており、スペックも一部が公開されている。
サイズは未公表だが、車重は1129kgと発表されている。V型8気筒ツインターボエンジンの排気量は6122cc。先代「イソ・リヴォルタ」にならってアメリカンV8ということで、エンジンは米キャラウェイ製。最高出力743kW、最大トルクは未公表。最高速度は時速365km。
トヨタ「TS050 HYBRID改良型」
2017年のル・マン24時間レースなど、WEC世界耐久選手権にLMP1-Hクラスから出走した、トヨタのハイブリッドレーシングカー「TS050 HYBRID(2017年仕様)」のレプリカ。8号車は中嶋一貴らが搭乗した。
TS050 HYBRID(2017年仕様)のハイブリッドシステムは、2.4L・V6ツインターボガソリンエンジンと前後輪のモーター。ハイブリッドシステムの1周当たりのエネルギー放出量は8MJに対応している。そして合計出力は、735kW(1000ps)以上。ちなみに同車のモーターは前後で手がけるメーカーが異なり、前輪用がアイシンAW製、後輪用がデンソー製となっている。
全長4650×全幅1900×全高1050mm。2016年仕様と名称は同じだが、2017年仕様は最高速の抑制のために変更された空力に関するレギュレーションに合わせてモデファイされている。ただし、実際にはタイムがさらにあがっており、7号車の小林可夢偉選手が、予選タイムを2秒以上更新する3分14秒791で記録更新している。
マクラーレン-ホンダ「MP4-31 ’17カラーモデル」
マクラーレン・ホンダの2016年型マシン「MP4-31」を、2017年の「MCL32」のカラーにしたレプリカ。「MP4-31」のMP4とは「マクラーレン・プロジェクト4」もしくは「マルボロ・プロジェクト4」の略称。タバコメーカー・マルボロのバックアップを受けたロン・デニス(マクラーレンの総帥として長らく指揮を執った)が、プロジェクト4という名称の計画の基にマクラーレンチームを買収する形でF1に進出。マクラーレン(マルボロ)とプロジェクト4が合体したことを意味する名称として、マシンに使われた。
後ろの数字は必ずしも連続してはいないが、開発されたマシンのナンバーを表す。かつてアイルトン・セナとアラン・プロストによって全16戦中15勝を達成した1988年のマクラーレン・ホンダ「MP4/4」などは非常に有名。1997年のマクラーレン・メルセデス「MP4-12」から「/」から「-」に一部改められ、2017年に「MCL」と大きく変わった。
搭載されていたパワーユニットは、ホンダ製「RA616H」。1.6L・V型6気筒。最大回転数は1万5000rpm。最小重量は145kg。エネルギー回生システムは、クランクシャフトに取り付けられた装置「MGU-K(Motor Generator Unit – kinetic)」が最大回転数が5万rpm、最大出力120kWで、1周当たり2MJの最大回生量。ターボに接続された「MGU-H(Motor Generator Unit – Heat)」は、最大回転数12万5000rpmで、最大出力、最大回生量、最大エネルギー放出量すべて無制限。
佐藤琢磨選手2017年インディ500優勝車
「インディ500」は世界三大レースに数えられ、東京~広島間に匹敵する500マイル=800kmを走り、1人のドライバーが走るレースとしては最長で、最も過酷な1戦とされる。米国を中心にカナダでも開催されるインディカー・シリーズの1戦でありながら、あまりにもレースとして別格なので、ひとつの独立したレースとして全米はもちろん、世界中で認識されている。勝者は、「インディ500王者」と呼ばれる。
このマシンは、佐藤琢磨選手が2017年に乗ったアンドレッティ・オートスポーツ26号車で、インディ500優勝時のレプリカ。マシンは伊ダラーラ製「DW12」のワンメイクで、サイドポンツーンからリアタイヤまでつながったカウルや、リアウィング両脇のサブウィングなど、高速サーキット仕様となっている。
エンジンはホンダ製2.2L・V6DOHCツインターボエンジン「HI17TT」を搭載。エンジンの重量は約112.5kg、最高回転数はリミッターがあるため1万2000回転。
スバル「BRZ」(スーパーGT GT300クラス2017年仕様)
スバルは、「BRZ」で2012年からスーパーGTのGT300クラスに参戦している。2017年仕様は、水平対向ボクサーエンジン「EJ20型」の特性を改善。エンジン内の摺動部(ピストンなど滑らせながら稼働する部位のこと)の摩擦の低減、排気管長の最短化などによる立ち上がりトルクの増大化、耐久性の向上などが図られた。そのほか、シャシー各部の軽量化や低重心化、空力性能の改善、慣性モーメントの向上も図られた。
軽量化はバンパー周辺やテールランプユニットなどのオーバーハングパーツについて行われた。なお、ギアボックスとデフを合わせたトランスアクスルを採用したのも大きな改良点。トランスミッションのギア変更作業の効率化を実現したほか、前後重量配分を前年モデルよりも後方に移す狙いもあり、コーナー脱出時のトラクションをアップさせることに成功した。
メルセデス-AMG「ペトロナス F1 W08 EQ パワー+」
2017年のF1コンストラクターズ王者マシン、メルセデス-AMG「ペトロナス F1 W08 EQ パワー+」。「EQ パワー+」とはメルセデス-AMGのパワーユニットで、1.6L・V6ターボと回生エネルギーシステムなどにより、735kW(1000ps)以上を絞り出すのは、同じパワーユニットを搭載する計画のコンセプトカー「プロジェクトワン」で記したとおり。なおメルセデス-AMGチームのハイブリッド・パワートレインは最も優れているとされ、、2014年から2017年まで4年連続でコンストラクターズ王者を獲得する原動力となった。
F1はハイブリッドエンジンとして、回生エネルギーのMGU-Kに加えて、2014年からターボの熱エネルギーも利用するMGU-Hも採用しており、メルセデス-AMGはその大きな変化で波に乗った。同チームのマシンはパワーユニットが他チームを圧倒するとされている。
ルノー・F1ショーカー
ルノーブースで展示されていた、ルノー・スポール・F1チームの2017年型マシン「R.S.17」風のカラーリングが施されたF1ショーカー。今シーズンのカーナンバー30はセカンドドライバーのジョリオン・パーマー(父親は往年のF1ドライバーのジョナサン・パーマー)。ただし、シーズン途中でカルロス・サインツ(55号車)に交代している。ちなみにサインツも2世ドライバーで、往年のWRC世界ラリー選手権王者カルロス・サインツの息子。あえて「Jr」を外し、父親と同名で登録している。
ルノーの2017年は、コンストラクターズでは総得点49点で、10チーム中7位。ルノーはエンジンサプライヤーとしてレッドブルなどと組んでいたときは、2010年から2013年まではコンストラクターズ王者を4年連続で獲得していたが、シャシーも開発して単独で参戦するようになった2016年からは苦戦している。
2017年11月27日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
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