2022年01月21日 06:00 掲載

交通安全・防災 AIが片側交互通行をコントロール。日本初「長野方式」の最新道路対策を、国道19号・犬戻トンネルの地すべりにみる【第1回】

国土の7割が山地と丘陵地帯の日本は、地すべりが発生しやすい。2021年7月6日に国道19号の犬戻トンネル近辺(長野市内)で発生した地すべりでは、人的被害こそなかったが、復旧工事に時間を要し、2022年2月上旬までは片側交互通行規制が続くという。その現状を伝えると同時に、現在どのような対策が採られているのか、また国土交通省が導入したAIなどの最新技術について、3回に分けてお伝えする。

神林 良輔

国道19号の犬戻トンネルの上で発生した地すべり(土砂にブルーシートが被せられている)。写真=くるくら編集部

国道19号の犬戻トンネルの上で発生した地すべり(土砂にブルーシートが被せられている)。写真=くるくら編集部

 2021年7月6日、名古屋市と長野市を結ぶ国道19号の長野市内に位置する犬戻(いぬもどり)トンネル付近(長野市篠ノ井小松原地先)で地すべりが発生した。発生はトンネル上部とトンネル脇からであったが、道路には土砂が流れ込まなかったため、通行中の車両や歩行者が被害を受けることはなかった。しかし、再度の地すべりに対する安全を確保するため、現在もなお片側交互交通が実施され、多くの利用者に影響を与えている。

今回発生した地すべり。画像下部中央に見えるのが、犬戻トンネル西側出口。写真=長野県提供

国道19号・長野市内の犬戻トンネル近辺で発生した直後の地すべりの全景。画像下部中央付近に犬戻トンネル西側出口が見える。写真=長野国道事務所提供

建物(電気室)に押し寄せた土砂。壁が壊れ、建屋内に土砂が流入している。 写真=くるくら編集部

建物(電気室)に押し寄せた土砂。壁が壊れ、建屋内に土砂が流入している。写真=くるくら編集部

犬戻トンネル西側出口付近で片側通行規制を実施中

国道19号の犬戻トンネルを含む区間の交通量は1日に2万台強。写真=くるくら編集部

国道19号の犬戻トンネルを含む区間の1日の交通量は2万台強。写真=くるくら編集部

 国道19号はその一部区間が旧中山道に相当する幹線道路の1つで、長野県内の区間は国土交通省関東地方整備局・長野国道事務所が管理している。国土交通省が2015年に公表した「平成27年度 全国道路・街路交通情勢調査 一般交通量調査 集計表」(道路センサス)によれば、国道19号の犬戻トンネルを含む区間における交通量は、上下線合わせて1日2万台強もある。同区間は周辺に並行する迂回路などがないため、交通が集中しやすい。特に上り線(長野→松本・名古屋方面)に関しては、犬戻トンネルの東側において国道19号現道と国道19号南長野バイパスが合流するため、交通量が増加する傾向となっている。

 国道19号の通行止めは、地すべりが発生して8日後の7月14日には解除された。しかし、2021年12月27日現在、片側交互通行規制が実施されていて、2022年2月上旬まで続けられる予定だという。この規制のため、慢性的な渋滞が発生。朝夕の通勤・帰宅ラッシュ時などの交通量が多い時間帯は、通過するのに20分以上の時間を要する場合もあるという。

国道19号の長野市篠ノ井近辺の広域図。地図左下方向が松本・名古屋方面。赤丸が片側交互通行規制区間。地図データ (c) 2021 Google マップ

国道19号の長野市篠ノ井近辺の広域図。地図左下方向が松本・名古屋方面。赤丸が片側交互通行規制区間。地図データ (c) 2021 Google マップ

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