2022年04月18日 11:00 掲載

交通安全・防災 2021年交通事故死者数最多は神奈川県。都道府県別データを詳しく解説。

警察庁は、2021年の交通事故死者数に関する統計資料を発表した。それによると、2021年の死者数は2636人。2020年の2839人と比較すると203人減少した。都道府県別で見ると最多は統計史上初めて神奈川県となった。

くるくら編集部 大槻 祐士

2021年の交通事故死者数は統計以来最少

2021年|交通事故死者数|交通事故発生件数と死者数の推移(2017~2021年)交通事故発生件数、負傷者数、死者数、10万人当たりの死者数(2017~2021年)。 出典=警察庁統計資料をもとに作成

 警察庁が発表した統計によると、2021年の全国の交通事故死者数は2636人。交通事故死者数の統計が残る1948~2021年の間で、最も死者数が少なくなり、2年連続で3000人を下回った。2020年の2839人と比較すると203人減少で、2016年から6年連続で戦後最少を更新している。

 2021年の交通事故発生件数は30万5425件で、前年より3753件減少。負傷者数は36万1768人で、7708人減少した。

 また、交通事故死者数を人口10万人当たりで見ると、2021年の死者数は2.09人で、0.16人減少しており、こちらも6年連続の減少である。

交通事故死者数最多は神奈川県

 都道府県別の交通事故死者数をベスト5、ワースト5で見てみよう。ベスト5は死者数の少ない順、ワースト5は多い順である。

2021年|交通事故死者数|都道府県別の交通事故死者数(2021年)ベスト5・ワースト5都道府県別交通事故死者数ベスト5・ワースト5(2021年)。 出典=警察庁統計資料をもとに作成

 最も死者数が少なかったのは、島根県で10人。前年よりも7人減少した。前年に死者数最少だった鳥取県は19人。2人増加して2位となった。

 最も死者数が多かったのは神奈川県の142人。前年より2人増加して統計史上初めてワースト1となった。 ただ、死亡者数を年別で比較すると、前年より2人増えたものの過去4番目に少ない。他の都道府県と比べて減少幅が小さいようだ。次いで大阪府が140人、東京都が133人。大都市がワースト3に名を連ねている。

10万人当たりの死者数最多は山梨県

 死者数で見ると神奈川県はワースト1。しかし、人口が多ければそれだけ事故が発生する確率が高くなるため、大都市を抱える都道府県はどうしても死者数も増えやすくなる。そこで、総人口を考慮した上での死者数はどうなるか、10万人当たりの死者数(※)をベスト5、ワースト5で見てみよう。

※人口10万人当たりの死者数とは、都道府県の総人口を10万で割り、出た答えで死者数を割ったもの。
 10万人当たりの死者数 = 交通事故死者数 ÷(総人口 ÷ 10万 )

2021年|交通事故死者数|都道府県別10万人当たりの交通事故死者数(2021年)ベスト5・ワースト5

都道府県別・10万人当たりの交通事故死者数ベスト5・ワースト5(2021年)。 出典=警察庁統計資料をもとに作成

 最も少なかったのは東京都で0.95人。次いで島根県の1.49人、神奈川県の1.54人となっている。神奈川県は数では最多だったものの、10万人当たりにすると事故死者数の少ない都道府県ベスト3となる。東京都、大阪府も同様にベスト5に入っている。

 逆に、10万人当たりで最も多いのは山梨県の3.95人。次いで香川県の3.89人、愛媛県の3.75人となった。ちなみに山梨県は死者数で見るとベスト15と比較的死者数が少ない県。しかし総人口を加味すると死者数は多い。単に死者数を比較しただけでは、実情は分からないようだ。

交通事故死者数の減少数ベストは愛知県

 2020年と2021年の死者数を比較した「増減数」の都道府県別ベスト5とワースト5を見てみよう。ベスト5は死者数の減少が多い順で、ワースト5は死者数の増加が多い順である。

2021年|交通事故死者数|都道府県別・交通事故死者数の増減数(2021年)ベスト5・ワースト5都道府県別交通事故死者数の増減数 ベスト5・ワースト5(2021年)。 出典=警察庁の統計資料をもとに作成

 最も死者数が減少したのは愛知県で37人減。増加したのは岐阜県県で18人増であった。2018年に交通事故死者数が最多だった愛知県は順調にその数を減らし、死者数ワースト5から外れている。

 また、2021年最も死者数が増加した岐阜県は、2020年に41人減と大きく減少させていたが、2021年は18人増となり結果的に2年間で23人減少となった。

交通事故死者数の増減率ワーストは和歌山県

 都道府県別の死者数「増減率」のベスト5とワースト5を見てみよう。ベスト5は死者数の減少率の高い順で、ワースト5は増加率の高い順である。

 ここでの増減率とは、2021年の増減数を2020年の死者数で割ったパーセンテージのこと(小数点以下第2位を四捨五入)。つまり、2020年の死者数に対して、どれだけ増減したかを見る数値だ。

 例えば増減数が同じく10人減だったとしても、20人から10人に減った場合と、100人から10人に減った場合では、前者の減少率が高くなる。前年に死者数の少なかった県が、さらに死者数を減らすことは難しいため、努力の程を垣間見ることのできる数値である。なお、2021年の全国の死者数増減率は7.15%減となった。

2021年|交通事故死者数|都道府県別・交通事故死者数の増減率(2021年)ベスト5・ワースト5

都道府県別交通事故死者数の増減率 ベスト5・ワースト5(2021年)。 出典=警察庁の統計資料をもとに作成

 最も死者数の減少率が高かったのは島根県で44.4%減。最も死者数の増加率が高かったのは和歌山県の72.2%増であった。ワーストの和歌山県は2020年に死者数を15人減らしていたが、2021年に13人増やして結果的に2年間で2人減少となった。そのため増加率がかなり多くなっている。2年連続で死者数を大きく減少させることの難しさが垣間見える結果だ。


 このように交通事故死者数は例年減少しているものの、連続して減少させ続けるためには、ドライバー1人1人が安全運転を心がけることはとても重要である。法定速度を守って走行し、歩行者や自転車などに配慮する、飲酒運転は絶対にしないなど、当たり前のことが真に当たり前になるよう意識して運転したい。

 ※都道府県別の全データをご覧になりたい方は、次のページをご覧ください。

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