2020年06月08日 14:20 掲載

交通安全・防災 【JNCAP2019】衝突安全・前期+後期全12車種によるランキング

JNCAP(自動車アセスメント)の2019年度後期分が、5月27日に発表された。ここでは、2019年度に衝突安全性能評価を受けた全12車種を、合計得点の高い順にランキングで紹介する。

神林 良輔

JNCAPの衝突安全性能評価のひとつ、オフセット前面衝突試験の車内(後席)の様子。運転席と後席助手席側に座らされたダミー人形にかかる衝撃値などから、衝突安全性能を算出する。

JNCAPの衝突安全性能評価のひとつ、オフセット前面衝突試験の車内(後席)の様子。

 JNCAPとは、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が毎年実施している、新車の安全性能評価試験のことだ。毎年10月下旬から12月初旬にかけて前期として発表され、翌年5月末に後期が発表される。

 評価試験を受けるのは、現行車種(新車)の中から特に販売台数の多い車種が選定される。実施年度か、その1~2年前に発売、もしくはマイナーチェンジによる性能向上が行われた車種が選ばれることが多い。また、メーカーが試験を依頼するケースもある。どちらのケースにしろ試験用の車両は、試験車両であることを伏せて、ユーザーと同様にディーラーで購入するのが原則。そして全車種同一条件の下に厳密で正確な試験を実施している。

 2種類ある安全性能評価のうち、ここで取り上げるのは、事故時に乗員と歩行者の保護性能を扱う衝突安全性能評価だ。パッシブ・セーフティとも呼ばれ、JNCAPでは真正面からコンクリート・バリアに正面衝突するフルラップ前面衝突試験など、実際にクルマをぶつけてその安全性能の評価が行われている。もうひとつの予防安全性能評価はアクティブ・セーフティとも呼ばれ、衝突被害軽減ブレーキなど、事故を未然に防ぐ(もしくは軽減する)ための機能を評価するものだ。

衝突安全性能評価は2018年度から得点の算出方法が大きく変更

 衝突安全性能評価は、2018年度に大きな変更が行われた。衝突安全性能評価における試験は、大別して乗員保護、歩行者保護、シートベルトの着用警報装置の3種類が行われる。2011年度から2017年度までは、乗員保護と歩行者保護は同等に取り扱われ、どちらも100点ずつ。そこにシートベルトの着用警報装置の8点を加えた合計208点満点だった。

 しかし2018年度からは乗員保護に重きが置かれて全59点、歩行者保護が全37点、シートベルト着用警報が全4点という配分で、合計100点満点となったのである。2019年度の試験結果は、得点の配点が新しくなって2年目となる。

2019年度予防安全性能評価・全16車種によるランキング

 2019年度のランキングは以下の通り。今回は90点台の車種はなかったが、12車種中の10車種と85点以上で、3.2点の間にひしめく接戦となった。各車ごとの得点の内訳や、衝突安全性能などについては後述する。なお同点の場合、獲得した★の数が多い方を先に紹介した。

第1位・88.9点:RAV4(トヨタ)
第2位・88.7点:N-WGN/N-WGN カスタム(ホンダ)
第3位・88.5点:アコード(ホンダ)
第4位・87.5点:インサイト(ホンダ)
第5位・87.3点:UX(レクサス)

第6位・86.5点:デイズ/デイズ ハイウェイスター(日産)・eKワゴン/eKクロス(三菱)
第7位・85.9点:NX(レクサス)
第8位・85.7点:ロッキー(ダイハツ)
第8位・85.7点:Cクラス(メルセデス・ベンツ)
第8位・85.7点:ポロ(フォルクスワーゲン)

第11位・80.2点:タント/タントカスタム(ダイハツ)
第12位・77.9点:ミニ 3ドア/5ドア(ミニ)

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まずは1~6位を紹介!

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