2020年06月02日 12:40 掲載

交通安全・防災 【JNCAP2019】予防安全・前期+後期全16車種によるランキング


神林 良輔

第11位:N-BOX/N-BOX カスタム(ホンダ)

合計:129.2点(91.6点)

2019年度JNCAPの予防安全で129.2点を獲得し、全16車中の第11位となったホンダ「N-BOX/N-BOX カスタム」(画像は「N-BOX」)。

ASV+++
●対歩行者:72.6点(昼間:22.6点/夜間・街灯あり:39.5点/夜間・街灯なし:10.5点)●高機能前照灯:1.4点 ●踏み間違い:1.2点

軽自動車
試験に用いられた車種(車両型式):G Honda SENSING(DBA-JF3)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ・超音波
安全運転支援システム名:Honda SENSING

 2017年9月に発売された軽自動車「N-BOX/N-BOX カスタム」(2代目 ※4)は、安全運転支援システム「Honda SENSING」の8種類の基本機能に、同社初となる後方誤発進抑制機能を加えた9種類を標準装備としている。これにより、2017年度の予防安全評価で79点満点中の76.6点を獲得し、20車種中の第5位となった。

※4 N-BOX カスタム:N-BOXの上級モデル

 2019年10月のマイナーチェンジでは、衝突被害軽減ブレーキとリアワイドカメラの性能向上が図られた。衝突被害軽減ブレーキは、夜間・街灯なしの状況での歩行者検知性能を高め、さらには目の前を横断する自転車に対応した。横断する自転車に対応したのは、ホンダ車の中で2車種目である。一方のリアワイドカメラは、画素数が従来の30万から100万へと増強し、視認性が大きく改善。そして2020年1月に2019年度の予防安全性能評価を受け、129.2点を獲得したことが追加発表された。

第12位:N-WGN/N-WGN カスタム(ホンダ)【後期】

合計:123.7点(87.7点)

2019年度JNCAPの予防安全で123.7点を獲得し、全16車中の第12位となったホンダ「N-WGN/N-WGN カスタム」(画像は「N-WGN」)。

ASV+++
●対歩行者:67.1点(昼間:24.1点/夜間・街灯あり:36.9点/夜間・街灯なし:6.1点)●高機能前照灯:1.4点 ●踏み間違い抑制:1.2点

軽自動車
試験に用いられたグレード(車両型式):L Honda SENSING(6BA-JH3)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ・超音波カメラ
安全運転支援システム名:Honda SENSING

 2019年8月9日に発売された、ホンダの軽自動車「N-WGN/N-WGN カスタム」(2代目 ※5)。2代目「N-BOX」のプラットフォームをベースにした軽自動車「N」シリーズの第3弾で、コンパクトなボンネットタイプとなっている。

※5 N-WGN カスタム:N-WGNの上級モデル。

 安全運転支援システム「Honda SENSING」の最新バージョンを標準装備し、8種類の基本機能に加え、後方誤発進抑制機能とハイ/ロー自動切替型前照灯も搭載した。また衝突被害軽減ブレーキは、軽自動車で初めて目の前を横断する自転車にも対応。さらに、夜間・街灯なしの歩行者検知も、従来のHonda SENSINGよりも性能向上が図られている。また同社の軽として、後方の障害物を検知して知らせる「パーキングセンサーシステム」を標準装備とした。

第13位:ポロ(フォルクスワーゲン)【後期】

合計:110.5点(78.4点)

2019年度JNCAPの予防安全で110.5点を獲得し、全16車中の第13位となったフォルクスワーゲン「ポロ」。

ASV+++
●対歩行者:79.2点(昼間:20.6点/夜間・街灯あり:37.0点/夜間・街灯なし:14.3点)●車線逸脱:装備なし ●高機能前照灯:装備なし ●踏み間違い抑制:0.6点

試験に用いられたグレード(車両型式):TSI Comfotline(ABA-AWCHZ)
センサー方式:ミリ波レーダー・超音波
安全運転支援システム名:-

 2019年度の予防安全性能評価を受けた輸入車の1車種が、フォルクスワーゲン「ポロ」だ。同車は初代が1975年に誕生し、世界で累計1400万台以上が生産されている人気車種である。国内には3代目の時代に、1996年から本格的に輸入されるようになった。現行の6代目は、8年ぶりのフルモデルチェンジが実施されて2018年3月に登場。なお、2019年度の予防安全性能評価でASV+++を受けた車種は、「ポロ」までである。

 6代目「ポロ」は新型プラットフォームの「MQB」モジュールを採用。これにより、従来は上級モデルにのみ採用されていた安全運転支援システムの搭載が可能となった。ただし、車線逸脱抑制と高機能前照灯を装備していないために21点の減点で、合計110.5点にとどまっている。ちなみに、欧州自動車アセスメント・Euro NCAPでは、2017年に最高評価の5つ星を獲得した。

第14位:ロッキー(ダイハツ)

合計:73.6点(52.2点)

2019年度JNCAPの予防安全で73.6点を獲得し、全16車中の第14位となったダイハツ「ロッキー」。

ASV++
●対車両:31.7点 ●対歩行者:12.9点(昼間:12.9点/夜間・街灯あり:装備なし/夜間・街灯なし:装備なし)

試験に用いられた車種(車両型式):G(5BA-A200S)
センサー方式:ステレオカメラ・超音波カメラ
安全運転支援システム名:スマートアシスト/スマートアシストプラス
同一性能のOEM供給車:トヨタ「ライズ」

 2019年11月発売のダイハツのコンパクトSUV「ロッキー」。その車名は、かつてのコンパクト・クロスカントリー4WD車と同じであり、22年ぶりの復活となった。ダイハツのクルマづくりの新コンセプト「DNGA」(※6)で開発された第2弾である。2019年度の予防安全性能評価を受けたことが、2020年2月に追加発表された。

※6 DNGA:Daihatsu New Global Architectureの略。

 「ロッキー」に搭載されたダイハツの安全運転支援システム「スマートアシスト」(予防安全系)および「スマートアシストプラス」(運転支援系)は、メーカーオプションを含めると17種類もの機能を有する。センサーはステレオカメラを採用するが、夜間には対応していないため、衝突被害軽減ブレーキの対歩行者の夜間で55点という大きな減点となった。車線逸脱、高機能前照灯、ペダル踏み間違いなどはそれぞれフルで得点しているが、55点の減点は大きく、評価はASV++止まりだった。

第15位:タント/タント カスタム(ダイハツ)

合計:72.0点(51.1点)

2019年度JNCAPの予防安全で72.0点を獲得し、全16車中の第15位となったダイハツ「タント/タント カスタム」(画像は「タント」)。

ASV++
●車両:31.6点 ●対歩行者:11.4点(昼間:11.4点/夜間・街灯あり:装備なし/夜間・街灯なし:装備なし)

試験に用いられた車種(車両型式):タント カスタム X(6BA-LA650S)
センサー方式:ステレオカメラ・超音波
安全運転支援システム名:スマートアシスト/スマートアシストプラス
同一性能のOEM供給車:スバル「シフォン/シフォンカスタム」

 ダイハツの新たなクルマづくりコンセプトのDNGA第1弾として、2019年7月に発表されたトールワゴンタイプの軽自動車「タント」(4代目)。「タント/タント カスタム」(※7)はセンサーとして、「ロッキー」と同じくステレオカメラを採用。そして同様に夜間に対応していないため、「タント/タント カスタム」も衝突被害軽減ブレーキの対歩行者の夜間で55点という大きな減点があり、ASVの評価も「++」にとどまった。

※7 タント カスタム:タントの上級モデル。

 「タント/タント カスタム」の「スマートアシスト」および「スマートアシストプラス」は、「ロッキー」と比較すると機能が2種類少なく、メーカーオプションも含めて合計15種類。 その中には、軽自動車初となる機能が2種類ある。スマートアシストに含まれる自動防眩型前照灯「ADB」(※8)と、スマートアシストプラスに含まれる駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」だ。ADBとは対向車を検知すると、相手のドライバーがまぶしくないよう配光範囲を自動的に調節する。スマートパノラマパーキングアシストは、縦列駐車などのスペースの狭い駐車場に止める際に、ステアリング操作をアシストする駐車支援システムだ。

※8 ADB:Adaptive Driving Beamの略。

第16位:ミニ 3ドア/5ドア(ミニ)【後期】

合計:28.8点(20.4点)

2019年度JNCAPの予防安全で28.8点を獲得し、全16車中の第16位となったミニ「ミニ 3ドア クーパーS」。

ASV+
●対車両:17.9点 ●対歩行者:4.9点(昼間:4.9点/夜間・街灯あり:装備なし/夜間・街灯なし:装備なし)●車線逸脱:装備なし ●高機能前照灯:装備なし ●踏み間違い抑制:装備なし

試験に用いられたグレード(車両型式):3DOOR COOPER S(DBA-XM20)
センサー方式:単眼カメラ
安全運転支援システム名:-

 1958年に、英BMC社(※9)の天才エンジニアとして知られたアレック・イシゴニスの手によって生み出された「ミニ」。世界的に高い人気を、60年以上にわたって維持し続けているコンパクトカーだ。現在はBMW傘下のミニ・ブランドから発売されており、現行車は傘下となってからの3代目となる。3代目は2014年3月、7モデルあるうちのフラッグシップである3ドア(ハッチバック)が先陣を切って発売。その後、同年10月に5ドアもフルモデルチェンジが実施された。さらに両モデルとも、2018年5月にはビッグ・マイナーチェンジが行われ、現在に至っている。

※9 BMC:British Motor Corporationの略。倒産により現在は存在しない。

 予防安全性能評価の得点は28.8点だった。衝突被害軽減ブレーキの対車両が17.9点で、昼間の対歩行者は4.9点。対歩行者の夜間には対応していない。そのほか、車線逸脱、高機能前照灯、踏み間違い抑制も機能を備えていないために減点が大きく、ASVとしての評価は「+」止まりである。ただしEuro NCAPではデビューイヤーの2014年に試験を受け、5つ星のうちの4つ星評価を得ている。


 年度を追うごとに予防安全性能評価は試験項目が増え、難易度が増しているはずだが、2019年度は4車種が満点を獲得したほか、100点満点換算で90点台は7車種(そのうち2車種が99点台)を獲得。ASV+++の評価を受けた車種も、16車中の13車種となった。

 JNCAPは、2020年度の試験から予防と衝突の両安全性能評価を統合する計画だ。すべての車種が予防と衝突の両安全性能評価の試験を受け、合算した得点となる。また予防安全系の試験項目としては、2021年度に衝突被害軽減ブレーキの対自転車が、2023年度に交差点が導入される計画だ。

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