2020年06月02日 12:40 掲載

交通安全・防災 【JNCAP2019】予防安全・前期+後期全16車種によるランキング


神林 良輔

ASVとしての優秀さなど、得点の見方

 続いては、各車の得点の内訳や、安全運転支援システムの特徴などを紹介する。まず得点の見方だが、以下の4段階に評価が分けられており、「+」が多いほどASV(※1)として優秀であることを示す。さらに満点の場合は、「予防安全性能評価大賞」がその車種に対して贈られる。

※1 ASV:Advanced Safety Vehicleの略。先進安全自動車のこと。

~12点以下:無印
12点超~46点以下:ASV+
46点超~86点以下:ASV++(ダブルプラス)
86点超~:ASV+++(トリプルプラス)

 また、得点の内訳については、減点があった項目のみを記載した。よって、満点の4車種については、各項目の記載はしない。

第1位:アルファード/ヴェルファイア(トヨタ)【後期】

合計:141.0点(100点)

2019年度のJNCAP予防安全評価で141点満点を獲得し、第1位になったトヨタ「アルファード」(兄弟車「ヴェルファイア」も同様)。

ASV+++・予防安全性能評価大賞

試験に用いられた車種・グレード(車両型式):アルファード 2.5L S"Cパッケージ"(DAA-AYH30W)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ・超音波
安全運転システム名:Toyota Safety Sense

 2015年1月26日に3代目が登場した、トヨタの大型ミニバンの兄弟車「アルファード/ヴェルファイア」。2018年度の予防安全性能評価で126点満点を獲得し、2019年度も141点満点を獲得し、2年連続の予防安全性能評価大賞受賞となった。

 2018年1月にマイナーチェンジが実施され、トヨタの安全運転支援システムの第2世代「Toyota Safety Sense」が標準装備となった(一部のグレードにおいて、一部の機能はオプション)。さらに同年10月にはアクセルの踏み間違いなどを防止するためのインテリジェントクリアランスソナーも標準装備とした。

第1位:セレナ(日産)

合計:141.0点(100点)

2019年度JNCAPの予防安全で満点の141点を獲得し、全16車中の第1位となった日産「セレナ」。

ASV+++・予防安全性能評価大賞

試験に用いられた車種・グレード(車両型式):セレナ e-POWER ハイウェイスターV(DAA-HFC27)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ・超音波
安全運転支援システム名:全方位運転支援システム
同一性能のOEM供給車:スズキ「ランディ」

 2016年8月に登場した、日産のミニバン「セレナ」の5代目は、2016年度の予防安全性能評価において、JNCAP史上初となる71点満点(当時は4種類の試験内容)と予防安全性能評価大賞を獲得した。

 2019年8月にはマイナーチェンジが実施され、日産の安全運転支援システム「全方位運転支援システム」が全車標準装備に。このとき同時に、自動車専用道路・同一車線運転支援技術「プロパイロット」も搭載され、センサーとしてミリ波レーダーも追加搭載された。ミリ波レーダーは、かつては衣服のような非金属の物体や人体はあまり反射しないため、歩行者検知には用いられていなかったが、近年は技術が進み、センサーの感度や解析精度が向上。カメラとミリ波レーダーで補完し合うことで夜間の歩行者検知精度を上げられるようになった。「セレナ」でも夜間の歩行者検知に利用されており、通算2度目となる2019年度の予防安全性能評価を受けた際に、衝突被害軽減ブレーキの夜間における対歩行者の試験でも減点ゼロを記録。141点満点を獲得したことが2020年3月に発表された。予防安全性能評価大賞を受けるのも2度目となる。

第1位:NX(レクサス)

合計:141.0点(100点)

2019年度JNCAPの予防安全で満点の141点を獲得し、全16車中の第1位となったレクサス「NX」。

ASV+++・予防安全性能評価大賞

試験に用いられたグレード(車両型式):300h F SPORT(DAA-AYZ10)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ・超音波
安全運転支援システム名:Lexus Safety System +

 レクサス初のコンパクト・クロスオーバーSUVとして2014年に発売された「NX」。発売初年度に「NX」は、スタートして1年目となる予防安全性能評価を受けた。当時は2種目・40点満点で、「NX」は26.9点を獲得した。

 その後、2017年9月にビッグマイナーチェンジを受け、レクサスブランドの安全運転支援システム「Lexus Safety System +」が標準装備に。さらに、2019年4月には同システムの改良が行われて予防安全性能が強化され、同年度に2度目の予防安全性能評価を受けた。141点満点を獲得し、予防安全性能評価大賞を初めて受けた。

第1位:UX(レクサス)

合計:141.0点(100点)

2019年度JNCAPの予防安全で満点の141点を獲得し、全16車中の第1位となったレクサス「UX」。

ASV+++・予防安全性能評価大賞

試験に用いられたグレード:250h F SPORT(6AA-MZAH10)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ・超音波
安全運転支援システム名:Lexus Safety System +

 「UX」は、レクサスのコンパクト・クロスオーバーSUVの1車種で、都会派のコンセプトで開発され、2018年11月に発売された。一部の機能を除いて、レクサスの安全運転支援システム「Lexus Safety System +」の最新版が全車標準装備となっており、2019年の評価で141点満点を獲得、予防安全性能評価大賞を受けた。

 「Lexus Safety System +」の最新版は、衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」が、昼間の自転車にも対応している点が特徴だ。なお、現在のJNCAPでは衝突被害軽減ブレーキにおける対自転車の評価試験は実施されていないが、2021年度から導入される予定だ。

第5位:ES(レクサス)

合計:140.2点(99.4点)

2019年度JNCAPの予防安全で140.2点を獲得し、全16車中の第5位となったレクサス「ES」。

ASV+++
●対歩行者:79.2点(昼間:24.2点)

試験に用いられたグレード(車両型式):300h(6AA-AXZH10)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ・超音波
安全運転支援システム名:Lexus Safety System +

 2018年10月に登場した、レクサスのフラッグシップセダン「ES」の7代目。「Lexus Safety System +」の最新版を装備するが、衝突被害軽減ブレーキの対歩行者で昼間に0.8点の減点があり、満点にわずかに届かなかった。

 日中の方が視認性が高いとされるのが一般的だが、自動車メーカーのエンジニアに聞いたところ、画像認識にとっては日中は陽光が大きな外乱要素となるため、夜間よりも逆に難しいという。まず、時間帯や季節、雲の量で明るさが大きく変化するうえ、物体に陽光が当たる部分と陰となる部分のコントラストの差など、カメラのダイナミックレンジの性能などに課題が残るからだ。夜間、中でも街灯のある場合は対向車のヘッドライトはあるものの画像認識をしやすく、対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ試験は昼間より夜間の方が減点が少ないという車種も少なくない。

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