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道路・交通最終更新日:2020.09.10 公開日:2020.09.10

10年保存可能な「防災電池」。その保存可能期間は従来の2倍。

通常アルカリ乾電池の使用推奨期限は5年といわれるが、災害時の使用を想定した10年保存可能な「防災電池」が登場。電池のタイプは使用頻度が高い単三形乾電池なので、緊急時に単一形乾電池や単二形乾電池として使う方法も紹介。

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利用頻度の高い単三形乾電池。長期保存後でも高い放電性を維持

兼松が、10年保存可能な「防災電池」を販売開始した。出典:兼松株式会社

 台風や地震などの災害に備えて、用意しておきたいものに乾電池がある。東京都が都内の家庭向けに2015年から配布している防災ブック「東京防災」では、被災地の避難生活を経験した人が重宝したアイテムとして、乾電池が推奨されている。しかし、長期保存しようとすると、放電や液漏れが心配だ。ちなみに、通常の乾電池は使用推奨期限が5年となっている。

 そんななか、兼松が販売開始をした「防災電池」(401セット、1980円/税込)は、従来の2倍の使用推奨期限を誇る、10年保存可能な単三形アルカリ乾電池なのだ。

 10年保存を実現するために、兼松は耐久性と導電膜の強化を施したという。耐久性は、漏液の抑制に重要な役割を担う「ガスケット」に新素材を採用したことで向上。内部の導電膜の強化により、長期保存時でも高い放電性を維持できるようになったのだ。また、梱包においても長期保存が想定されており、梱包容器には紙より劣化の少ないプラスチック製容器が採用されている。

 この「防災電池」のラインナップは単三形乾電池(以下、単三)のみ。単一形乾電池(以下、単一)や単二形乾電池(以下、単二)についても備蓄しておきたいが、こちらは5年をメドに備蓄品の交換が必要だ。今後、10年保存可能な単一や単二も発売を期待したいところである。

 ちなみに、緊急時の対策として、単三を、単一や単二として使う方法が、先に紹介した東京都の防災ブック「東京防災」で紹介されている。まず、単二と単三は高さがほぼ同じなので、単三にタオルやハンカチ等を巻いて直径を調整すれば、単二として使える。単一は高さも異なるので、単二同様に直径を揃えた上で、アルミホイルや1円玉を隙間に入れて調整する方法が紹介されている。ただし、機器の構造を理解できていないとショートの可能性もあり、十分に注意が必要な方法だ。また、複数の電池を利用する機器では、すべての電池を揃えないと問題が発生することもある。あくまで緊急時だけの方法として、単一、単二もしっかりと備蓄しておくことをお勧めしたい。

日常備蓄(ローリングストック)のイメージ

出典:兼松株式会社

 ところで、「日常備蓄」は、「ローリングストック」ともいわれており、普段から少し多めに備蓄品を買い、使用したらその分を補充することで常に一定量を家に備蓄しておくことを指す。日常生活の中で消費しながら備蓄をするので、消費期限や使用推奨期限を切らすことがない点がメリットである。とはいえ、日常的に乾電池を使わない人にとっては、備蓄をしていても、うっかり使用推奨期限が過ぎてしまうことは十分に考えられる。10年保存可能な「防災電池」の登場をきっかけに、日常備蓄の見直しをしてみてはいかがだろうか。

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