12月は1年で交通事故が1番多いって本当?
11月も半ばが過ぎ肌寒くなってきた今日この頃、師走とも呼ばれる12月が目前にせまり、年末の慌ただしさを感じるという人も多いことだろう。そんな12月は、1年のうちで最も交通事故の発生件数が多い月だということをご存じだろうか?今回は、交通事故の発生件数や死者数の集計および分析を行っている公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)が発表している「交通事故統計年報(平成28)」から、月別の交通事故件数を取り上げ、12月の交通事故について考えてみる。
降雪時の夜間は特に視界が悪くなる。さらにスリップの危険性もあるので、注意して運転したい。
11月も半ばが過ぎ肌寒くなってきた今日この頃、師走が目前にせまり、年末の慌ただしさを感じるという人も多いことだろう。そんな12月は、1年のうちで最も交通事故の発生件数が多い月だということをご存じだろうか?
今回は、交通事故の集計および分析を行っている公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)が発行する「交通事故統計年報」と警察庁の統計から、月別の交通事故件数を取り上げ、12月の交通事故について考えてみたい。
(関連記事:【交通事故統計】グラフに表れる驚きと納得!1948年から2017年までの推移)
年末に多発する交通事故
公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)発行の「交通事故年報」と警察庁交通局の統計を参照し作成。
上グラフを見てみよう。平成29年12月は交通事故発生件数が約45,000件と1年間で最多となっていることがわかる。そのうち死亡事故に至った件数も381件と同じく12月が最多となっていることがわかる。この傾向は平成27、28年の推移を見ても明らかで、12月は交通事故が1年で一番多いというのは間違いのない事実である。
さらに、各年ともにグラフの山になっている部分は、3月、7月、10月、12月であることもわかる。3月、7月、10月などは、行楽シーズンで交通量が増える時期に事故件数が増えると考えられるが、それ以上に12月は事故が多いこともわかる。
夜間の交通事故は死亡事故になりやすい
夜間に発生した事故の方が、死亡事故になりやすいことがわかる。
交通事故の発生割合を昼夜別で見てみると、約7割の交通事故が昼間に起きていることがわかる。しかし、死亡事故の発生割合を昼夜別に見てみると、どちらもほぼ同じ割合であることがわかる。つまり、夜間に起きた交通事故は、昼間よりも死亡事故になる確率が高いのである。12月は、日没時間が早まることで視界が悪い夜の時間が長くなり、必然的に死亡事故が発生しやすくなるといえるだろう。
冬季運転の準備を始めましょう
ドライバーの方々は、12月は事故が多発する月であると意識することから始めたい。まずは、早めにヘッドライトを点灯して視界を確保するだけでなく、歩行者に車の接近を知らせることで事故予防の第一歩を踏み出したい。
これからのシーズンは、普段から走り慣れた道でも、街路樹のイルミネーションに見とれるあまり車道にはみ出してくる人がいるかもしれない。クリスマスパーティーへと急ぐ子どもが飛び出してくるかもしれない。忘年会で酔っ払った人が赤信号を横断してくるかもしれない。さらには、スリップした車が対向車線を越えてくるかもしれない。このような「かもしれない」は、あり得ないかもしれないが、常に「かもしれない」運転を心がける姿勢でハンドルを握りたい。