クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ最終更新日:2023.05.15 公開日:2023.05.15

2億円でも予約が入る!? SkyDriveが個人向けにも空飛ぶクルマを予約販売中!

空飛ぶクルマを開発しているSkyDriveは、2023年4月から空飛ぶクルマの商用機「SD-05」の個人向け予約販売を開始。海外や国内からの予約が入り、大阪・関西万博での飛行実現にも、ますます注目が集まっている。

文=くるくら編集部

記事の画像ギャラリーを見る

SkyDrive「SD-05型」

画像=SkyDrive Inc

 愛知県豊田市に拠点を構え、空飛ぶクルマを開発している「SkyDrive(スカイドライブ)」は、2023年4月から空飛ぶクルマの商用機「SD-05」の個人向け予約販売を開始している。

 SD-05は2025年の大阪ベイエリアでの事業開始を目指して現在開発中の、2人乗りの商用機。諸元については現段階では下記のような数値が発表されている。なお、価格は150万ドルで日本円にして約2億円とのこと。

機体名称:SkyDrive SD-05型
サイズ:全長9.4m×全幅9.4m×全高2.7m(プロペラ含む)
駆動方式:12基のモーター・プロペラ
最大離陸重量:1100kg
最大巡航速度:時速100km
実運用航続距離:5~10km
実運用飛行時間:5~10分

さっそく予約した人たち

 SD-05は当初はBtoB向けに予約販売を開始しており、2022年11月にベトナムの「パシフィックグループ」がSD-05を最大100機のプレオーダー(10機の確定、90機のオプション)で合意。パシフィックグループでは、ベトナム名物の交通渋滞や、排ガスなどの課題解決貢献に期待しているという。SkyDriveではその後も個人での問い合わせが多数あったことから、個人向けの予約販売も2023年4月から開始した。

 個人向けでは、4月13日にホンダジェットの日本1号オーナーでもあり、パイロット免許を持つ千葉功太郎氏が最初の予約購入者となったことが判明した。千葉氏は現在、インターネット領域等のスタートアップ60社以上、VC50ファンド以上に投資するエンジェル投資家として活躍中。SkyDriveのことは2018年ころから応援していたそうだ。

 また、4月17日には省力化・インフラ整備・新エネルギーなどの幅広い分野で活躍するトータル・エンジニアリング企業「大豊産業」がSD-05のプレオーダーに合意。香川県、愛媛県を始めとした四国の移動課題解決や、地域活性化を目的として予約を申し込んだという。

(写真左)SkyDrive 代表取締役CEO 福澤 知浩氏、(写真右)Pacific Group会長兼社長Minh氏

ドローン・エアモビリティ前提社会を目指す「DRONE FUND」や「千葉道場ファンド」の代表を務める千葉功太郎氏が申込書にサインする様子。動画=SkyDrive Inc

(写真左)大豊産業 代表取締役社長 乾 和行氏

空飛ぶクルマは2025年からが本番?

大阪・関西万博の会場イメージ図。画像=2025年日本国際博覧会協会

 経済産業省 製造産業局と国土交通省 航空局を中心に、2018年に官民協議会で策定した「空の移動革命に向けたロードマップ」では、2023年から電動・垂直離着陸型・無操縦者航空機(eVTOL)などでの事業開始を目標としている。各企業でのeVTOLの試験飛行や実証実験は、最近になって活発化してきたが、予定よりも若干遅れている印象もある。しかし、本番は何といっても2025年に開催される大阪・関西万博の「未来社会ショーケース事業出展」でのお披露目だろう。SkyDriveも2023年2月には空飛ぶクルマの運行事業者に選定され、大阪・関西万博の目玉のひとつとして、SD-05などが世界から注目を浴びる絶好の機会となる。

2018年に官民協議会で策定された「空の移動革命に向けたロードマップ」。資料=国土交通省 航空局「空飛ぶクルマについて」より引用

 では、2025年の大阪・関西万博以降の空飛ぶクルマはどうなっていくのだろうか? 2020年に行われた官民協議会では、関連事業者からビジネスモデルが提示されている。その内容では、

・緊急時、災害時には、物資輸送や医師・被災者などの人員輸送
・事業目的では、配送・遊覧・観光・都市内移動・離島間交通・事業拠点間移動など
・個人利用では、エンタメ(スポーツ、ホビー)・自家用・カーシェアなど(2030年以降)

 このような運用が提案されている。注目すべきは災害時や自家用を除くほとんどが「定路線・定期運航」で運用されるということだ。また、空飛ぶクルマの離着陸場所にはヘリポートのようなインフラが必要なため、一般人が自家用モビリティとして所有するイメージは、実際には相当先の話になるだろう。”空飛ぶクルマ” という呼び方は自家用車という印象が強すぎる感もある。ヘリコプターやマルチコプターなどがより利用しやすくなった、”エアタクシー” とでも呼んだ方が近いイメージを抱けそうだ。

空飛ぶクルマなら設備もコンパクトになり、都市内でもさまざまな場所に設置が可能。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)