2022年06月28日 21:20 掲載
次世代技術 メルセデス・ベンツ、1回の充電で1200km以上走行可能なEVを開発。「ビジョンEQXX」の驚異的性能とは?
ビジョンEQXXが目指すもの
メルセデス・ベンツ ビジョンEQXX|Mercedes Benz VISION EQXX
メルセデス・ベンツは「ビジョンEQXX」という名のプロトタイプEVを開発し、電気自動車の新たな記録を次々と樹立している。まず、今年4月にメルセデス・ベンツのドイツ・ジゲルフィンゲン工場から南仏カシスまでの約1000kmを途中で充電することなく走行。しかも、このときはフィニッシュしてもまだ140kmの走行が可能な状態だったという。
続いて去る6月に行なったテストでは、ドイツ・シュトゥッツガルトから再びフランス・カシスを経由。そこからイギリスへと足を延ばし、F1グランプリが開催されるシルヴァーストーン・サーキットでバッテリーの電力を使い果たすまでを周回し、総計1202kmを走りきったのである。
これでおわかりのとおり、EQXXは1回の充電で走行できる航続距離が驚くほど長い。なにしろ、100kWh前後の大容量バッテリーを積んだ最新EVの航続距離は600kmほど。メルセデスでもっとも航続距離の長いEQSでさえ最長780kmなのだ。
では、EQXXとはどのようなモデルなのか?
はじめに申し上げておくと、EQXXは特別な高級車でもなければ航続距離だけに特化したレーシングカーのようなクルマでもない。ビジョンEQXXの開発を指揮したメルセデス・ベンツのマーカス・シェーファーは、その位置づけを次のように説明する。
「EQXXで開発した技術は、2024年ないし2025年にデビューするコンパクトサイズのEVに用いられることになります。その際の価格も、同じ時期に発売されるコンパクトサイズのメルセデス・ベンツと同程度になります」
ちなみに、メルセデスのモデル名で最初に"ビジョン"とつくのはコンセプトカーを意味していて、発表から2〜3年で"ビジョン"のないモデル名に改められて量産されることが多い。ただし、EQXXはひとつのモデルとして発売されるのではなく、将来的なコンパクトEVに用いられるテクノロジー全般を開発するためのコンセプトカーと目されている。
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次世代技術