2018年08月11日 01:24 掲載

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渋滞を解消する「渋滞吸収走行」とは!


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長期休暇の時期にはつきものの渋滞。どんなメカニズムで起こるのだろうか。

なぜ道路渋滞は、いつも同じ場所で発生するのか

 高速道路の渋滞と言えばかつては料金所で発生していたが、ETCもすっかり普及して、現在は料金所での渋滞はほぼ解消されている。しかし、それ以外の渋滞が起こりやすい場所では、いまも変わらず発生している。ラジオなどで聞く道路交通情報では、首都圏なら「小仏トンネル」や「綾瀬バス停付近」、関西圏なら「宝塚トンネル」や「亀山ジャンクション」など、同じ地名をよく耳にする。それらの地点では、なぜ渋滞が発生しやすいのだろうか。

渋滞の原因はどこ?

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NEXCO東日本調べ。渋滞発生の原因と発生箇所。

 NEXCO東日本のデータによると、2017年に関東支社管内で発生した渋滞のうち73%が交通集中によるもので、事故や工事などが原因の渋滞は意外と少ない。そして、交通集中による渋滞の発生箇所は、上り坂及びサグ部が61%となっている。なぜ上り坂やサグ部では渋滞が起こりやすいのだろうか?

サグ部における渋滞のメカニズム

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サグ渋滞のメカニズム。坂道で速度が低下した車の後続車が、連鎖的にブレーキを踏み渋滞が起こる。

 「サグ部」とは、下り坂から上り坂にさしかかる凹部のこと。上り坂やサグ部に差しかかると、クルマは自然と減速してしまう。そうすると前の車との車間距離が詰まるため、後続車が思わずブレーキを踏み、またさらに後続車もブレーキを踏む、それがどんどん連鎖して、結果的に渋滞を引き起こすのだ。

 そんな渋滞発生のメカニズムを研究している、東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授の研究室とJAF、警察庁は、2009年に「渋滞吸収隊」なるチームを結成し、共同で実証実験を実施した。

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