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最終更新日:2018.03.28 公開日:2018.03.28

燃費ランキング2018。軽自動車ベスト10!

 国土交通省は3月20日、2017年末時点で販売されているすべての乗用車を対象に、6種類のカテゴリー別にガソリン1L当たりの燃料消費率(燃費)が最も優れたクルマのベスト10を発表した。

 カテゴリーは、以下の6種類だ。

●普通・小型車(記事はこちら)
●軽自動車
●ハイブリッド車を除いた普通・小型車
●ハイブリッド車を除いた軽自動車
●2020年度燃費基準達成・向上達成レベルの普通・小型車
●2020年度燃費基準達成・向上達成レベルの軽自動車

 ここでは、軽自動車の最も燃費の優れたベスト10を紹介する。

 なお燃費は、カタログにも掲載されている、国交省の審査値(規定通りに測定されたことが認められた値)であるJC08モードによる値だ(最新のWLTCモードは今回は使われていない)。

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最も燃費の優れた軽自動車第・上位3位は!?

軽自動車で最も燃費の優れたクルマはこれだ!

 それでは、1~3位の発表だ。

 なお、実際には同じ車名であってもグレードや仕様によって燃費はそれぞれ異なることもあるが、国交省のランキングに従い、当記事でも全グレード中で最も優れた燃費をその車種の燃費として扱った。

 また軽自動車の特徴として、ダイハツとスズキのクルマをベースとしたOEM車が多いことが挙げられる。国交省のランキングでは、OEM車も1車種として扱っているが、当記事では同一車種として扱うこととした。

 それから、ハイブリッド車に関しては燃費の後ろに「(H)」を入れた。ハイブリッド車の定義に関する注意点だが、これもまた国交省のランキングに従い、モーターで車輪の駆動をアシストする機構を備えたもののみをハイブリッド車としている。減速時のエネルギーを回生しても、それを直接駆動に利用しないシステムの搭載車はハイブリッド車に含めていない。

1位:アルト X・S・L(スズキ) 37.0km/L

37.0km/Lで軽自動車の燃費ランキング1位を獲得したのは、スズキのセダンタイプ「アルト」。4つあるグレードの内、上位から「X」、「S」、「L」のFF車(車重650kg)の値だ。「アルト」は、減速時にオルタネーター(発電機)で発電しバッテリーに充電する「エネチャージ」を備える。エンジンの発電負荷低減による省燃費を狙ったものだが、回生した電力は直接駆動に利用しないので、今回はハイブリッドシステム搭載車には含まれていない。そのほかのグレードの燃費は、「X」、「S」、「L」の4WD仕様が33.2km/L、グレード「F」は25.2~29.6km/L。なお、OEM車にマツダ「キャロル」がある。

2位:アルト ラパン X・S・L・
F リミテッド・S セレクション(スズキ) 35.6km/L

35.6km/Lで2位を獲得したのは、スズキ「アルト」をベースにハッチバックタイプとして開発された「アルト ラパン」。現在、「ラパン」とだけ呼ばれることも多く、「アルト」とは独立した1車種となっている。35.6km/Lの値を記録したのは、4つあるグレードの内の「X」、「S」、「L」と、特別仕様の「F リミテッド」と「S セレクション」の合計5グレードのそれぞれFF車(車重680kg)。「アルト」と同様に、「エネチャージ」やアイドリングストップ機能を備える。「X」、「S」、「L」、「F リミテッド」、「S セレクション」それぞれの4WD仕様は33.2km/L。グレード「G」のFFは29.6km/L、4WDは27.4km/L。

3位:ミラ イース(ダイハツ) 35.2km/L

ダイハツ「ミライース」のFF車である「L」と「B」が35.2km/Lで3位となった(車重650kg)。「ミラ イース」には、同社のエコ技術「イース・テクノロジー」が導入されており、軽量化とパワートレインの熱効率の向上などで、低燃費を実現している。熱効率の向上に関する技術としては、エンジン冷却水とCVTフルードを熱交換させて温度を最適化し、エンジンの燃焼効率とCVTの変速効率を高めて燃費の向上につなげている「CVTサーモコントローラー」などがある。また、「ミラ イース」も減速時のエネルギー回生システムを搭載。そして、そのほかのグレードの燃費はFFが32.2~34.2km/Lとなっている。トヨタ「ピクシス エポック」とスバル「プレオ プラス」はOEM車。

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続いて同率4位3車種!

4位:ワゴンR HYBRID FZ・HYBRID FX
(スズキ) 33.4km/L(H)

33.4km/Lで4位となったのは、スズキのワゴンタイプ「ワゴンR」のハイブリッドグレードの「HYBRID FZ」(車重790kg)と「HYBRID FX」(車重770kg)。モーター機能付き発電機で減速時のエネルギー回生を行いバッテリーを充電し、クリープ時(時速約13km以下)はモーターのみで車輪を駆動、加速時はモーターがエンジンをアシストするという仕組みだ。「HYBRID FZ」と「HYBRID FX」の4WD仕様は30.4km/L、ガソリン車「FA」は23.4~26.8kmとなっている。OEM車として、マツダ「フレア」がある。

5位:ハスラー X・G(スズキ) 32.0km/L(H)

スズキのクロスオーバーSUVタイプの軽自動車「ハスラー」。そのグレードの内、「X」(車重800kg)および「G」(車重790kg)のFF車が32.0km/Lで5位となった。型式は共にDAA-MR41S。「ハスラー」からはハイブリッドシステムに「Sエネチャージ」という名称が与えられたが、基本的には4位の「ワゴンR」の仕組みと一緒で、モーター機能付き発電機(ISG)で減速時のエネルギー回生を行いバッテリーを充電し、加速時にモーターがエンジンをアシストする仕組みだ。アイドリングストップ後は、ISGのスターターモーター機能により、ベルトを介してエンジンを再始動する仕組みで、ギヤの噛み込み音がなくスムーズなのが特徴だ。全グレードの内、ターボモデルは26.2~27.8km/L、ノンターボは24.2~32.0km。マツダ「フレア クロスオーバー」はOEM車。

6位:ムーヴ X・L(ダイハツ) 31.0km/L

ダイハツのトールワゴンタイプ「ムーヴ」。そのグレードの内でFF車の「X」および「L」(車重は共に820kg)が31.0km/Lを記録し、6位にランクインした。「ムーヴ」にも同社のエコ技術「イース・テクノロジー」が採用されており、空力性能の進化、転がり抵抗の低減、高張力鋼板のフレームへの採用とボディの樹脂化による車体の軽量化などが施されている。また減速時のエネルギー回生システムなども搭載。「ムーヴ」のそのほかのグレードも含めた燃費はFFが27.4~31.0km/L、4WDが25.6~27.6km/L。またOEM車にスバル「ステラ」がある。

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続いて7~10位!

7位:キャスト スタイル G”SA III”・X・
アクティバ G”SA III”・X(ダイハツ) 30.0km/L

トールワゴンタイプ「スタイル」(画像左上)、クロスオーバーSUVタイプ「アクティバ」(画像右下)、スポーツタイプの「スポーツ」の3タイプがあるダイハツ「キャスト」シリーズ。30.0kmで同率7位となったのは、「スタイル G”SA III”」(「G “プライムコレクション SA III”」を含む)および「X」(「X “SA III”」を含む)、「アクティバG”SA III”」(「G “プライムコレクション SA III”」を含む)および同「X」(「X “SA III”」を含む)の4(8)グレード。すべてFF車で、車重もすべて840kgだ。「キャスト」シリーズも同社のエコ技術「イース・テクノロジー」を搭載しており、クルマが停車する少し手前からエンジンをストップする「エコアイドル」などの機能を利用できる。「スタイル」と「アクティバ」のほかのグレードの燃費は25.0~30.0km/L、「スポーツ」は24.6~24.8km/L。トヨタ「ピクシス ジョイ」シリーズはOEM車。

7位:スペーシア HYBRID G(スズキ) 30.0km/L(H)

スズキ「スペーシア」は、別車種として扱われている「スペーシア カスタム」とともにハイブリッド車のみがラインナップされており、2グレードずつあるが、「スペーシア HYBRID G」のFF車(車重850kg)が燃費30.0kmで同率7位となった。「ワゴンR」や「ハスラー」などと同様に、モーター機能付き発電機を搭載し、渋滞時の低速走行などではモーターによるクリープ走行で低燃費に貢献する仕組み。加速時はモーターがエンジンをアシストするが、さらに「パワーモード」も搭載。エンジンやCVTの制御を変更し、モーターアシストのトルクアップを行い、坂道や高速道路の合流でより強い加速が必要な状況に対応したという。「スペーシア」も「スペーシア カスタム」もともに、ほかのグレードも含めた燃費は26.4~28.2km/L。マツダ「フレアワゴン」はOEM車。

9位:N-WGN C・G・L パッケージ・
N-WGN カスタム G・L パッケージ(ホンダ) 29.4km/L

ホンダの軽自動車「N」シリーズの1車種である「N-WGN」およびその上級モデル「N-WGN カスタム」(車重は830~840kg)。「N-WGN C」、同「G」、同「L パッケージ」、「N-WGN カスタム G」、同「L パッケージ」の5グレードのFFが29.4km/Lで9位となった。「N-WGN」および「N-WGN カスタム」に搭載されている「S07A」は、ストップ&ゴーの多い街中で、時速50kmまでの加速にこだわってスムーズな走りを実現したという。さらに、燃焼効率を高めて低燃費を実現するため、同社の軽自動車としては初めての1気筒当たり2本のインジェクターを装備。さらに、同社の乗用車用エンジンとしては初となる、中空にした内部にナトリウムを封入したバルブを採用して放熱効果を高め、ノッキングを抑制。「N-WGN」および「N-WGN カスタム」のほかのグレードも含めた燃費は、24.2~29.4km/L。

10位:ミラ ココア プラスX・X・L(ダイハツ) 29.0km/L

ダイハツ「ミラ」シリーズの若い女性を意識した、ハッチバックタイプ「ミラ ココア」。「ココア」とも呼ばれる。「ココア プラスX」(“Limited”を含む)、「ココア X」(“Limited”を含む)、「ココア L」のFF仕様3(5)グレードが燃費値29.0kmで10位となった(車重もすべて810kg)。「ミラ ココア」にも、クルマが停車する少し手前からエンジンをストップする「エコアイドル」などの機能を備えたエコ技術「イース・テクノロジー」が搭載されている。余談だが、エンジンには”Top from A to Z”の意味を持つ「TOPAZ NEO(トパーズ ネオ)」という愛称がつけられており、ここも女性向けの工夫を感じるところだ。「ミラ ココア」の燃費値は、FFが29.0km/L、4WDが26.8km/L。

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最後は燃費ベスト10をグラフで!

軽自動車ベスト10をグラフで!

 軽自動車においては、ハイブリッド車が必ずしも上位に来るという結果にはならなかったところが興味深い。ただし、上位にランクインしたクルマには、減速時のエネルギーを回生して車内の電力として利用するクルマがあるなど、エネルギーの有効活用への工夫はされている。

ベスト10のメーカー内訳は、スズキが5車種、ダイハツが4車種、ホンダが1車種となった。普通/小型車のベスト10はすべてハイブリッド車が占め、全車30km以上の燃費だったが、軽自動車若干それに及ばないベスト10となった。

2018年3月28日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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