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最終更新日:2017.12.25 公開日:2017.12.25

【オートカラーアウォード2017】記念すべき第20回、最もカラーが評価された1台は!?

年1回、その年の最も美しいカラーデザインのクルマを決定する「オートカラーアウォード」。今年で記念すべき20回を迎えた。

 一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)が主催する、”その年で最も優れた車両のカラーデザインを顕彰する制度”である「オートカラーアウォード(ACA)」。2017年で20回目の開催を迎え、12月16日にグランプリが発表された。

 「最も優れた車両のカラーデザイン」とは、単に”ボディカラーが美しい”という点だけを評価するわけではない。ACAは、車両のカラーデザインの企画力や、形との調和を含む、内外装すべてのカラーデザインの美しさを評価するものである。より具体的な審査基準は、以下の通りだ。

●市場に影響を与えたか
●車両のカラーデザインとして企画/発想が優れているか
●デザインの企画/発想が他業種の手本となり得るか
●従来にない色域に挑戦して成果を上げているか
●新しい技術を効果的に採用しているか
●内外装のカラーが調和しているか
●インテリアカラーが美しいか
●エクステリアカラーが美しいか

 そして審査の仕方は、一般審査員100名、JAFCA自動車色彩分科会審査委員10名、そしてACA審査委員3名の投票により決定する。持ち点は一般審査員が1人1点、JAFCA自動車色彩分科会審査委員が30点(最もよいものに20点以上、残りの点数を二分して最大3ノミネートに投票可能)、そしてACA審査委員は持ち点100点(最もよいものに60点以上、残りの点数を二分して最大3ノミネートに投票可能)となっている。

 JAFCA自動車色彩分科会審査委員はカワサキ、スズキ、ダイハツ、日産、トヨタ、ホンダ(二輪・四輪)、マツダ、三菱、ヤマハの9社10名で構成される。ACA審査委員は、Qurz〈クルツ〉Inc.の インダストリアルデザイナー・島村卓実氏、ワコールアートセンターのシニアプランナー・松田朋春氏、JAFCAのクリエイティブディレクター・大澤かほる氏の3名となっている。

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2017年の15ノミネートを紹介!

2017年のノミネートはこちら!

 ACAは1998年にスタートし、今年で20回目を迎えた。当初はクルマのみが対象だったが、2014年からはバイクも対象に。今回は15車種がノミネートされ、バイクは4車種含まれる。

 項目は、車種名とメーカー名、その車両の画像を挟んで、テーマ、外装色及び内装色だ(紹介の順番はメーカーもしくはブランド名の50音順)。

Ninja H2/Ninja H2R(カワサキ)

テーマ:SHIROGANE & WAZAMONO
(左:H2)外:ミラー コーテッド スパーク ブラック/フレーム:メタリック グラフィティー グレイ
(右:H2R)外:ミラー コーテッド マット スパーク ブラック/フレーム:ゴールデン ブレイズド グリーン(キャンディー)
(共通)エンジン:フラット ウォーム メタリック グレイE/G+赤

スイフトスポーツ(スズキ)

テーマ:「スイフトスポーツらしさ」と「走りへの期待」
外:チャンピオンイエロー/内:ブラックインテリア+レッドアクセント

スペーシア(スズキ)

テーマ:ラフにガンガン使える楽しいカラー!毎日を笑顔にするスーツケース!!
(左)外:オフブルー×白ルーフ/内:ベージュ、(右) 外:ツールグリーン×黒ルーフ/内:ブラック

ミラ イース(ダイハツ)

テーマ:軽の本質を極める!新型ミラ イース
外:スカイブルーメタリック/内:ブラック&ライトグレー

エクストレイル(日産)

テーマ:Orange to Challenge チャレンジするオレンジ
外:プレミアムコロナオレンジ/内:ブラック

C-HR(トヨタ)

テーマ:大人の感性に響くセンシュアルコンパクトSUV
外:メタルストリームメタリック/内:リコリスブラウン

LS(レクサス) ※左と中が「LS 500h」、右が「LS 500」

テーマ:LEXUSの世界 匠-Craftsman ship
(左)外:ソニッククォーツ/内:クリムゾン&ブラック、(中)外:マンガンブラスター/内:ホワイト、(右)外:ソニックアゲート/内:キャメル

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ノミネート車種後半を紹介!

モンキー(ホンダ)

テーマ:モンキー50周年、おめでとうありがとうを込めたスペシャルカラー
(左)外:パールサンビームホワイト・マグナレッド(右)外:ブラック・クロームメッキ

GOLD WING TOUR(ホンダ)

テーマ:心震わすロードトリップへ
外:キャンディー アーダント レッド/ダークネス ブラック メタリック

フィット(ホンダ)

テーマ:DON’T STAY FIT! イメージを革新するCMF
外:ルージュアメジスト・メタリック/内:ブラック×グレーライン

N-BOX(ホンダ)

テーマ:「N for “happy”life」ぬくもりと強さ、2つのN-BOX
(左)外:モーニング三須とブルー・メタリック/内:ベージュ×ブラウン、(右)外:プレミアム・グラマラスブロンズ・パール/内:ブラック

CX-5(マツダ)

テーマ:エンジニアとの共創活動によるマツダブランド価値創造
外:ソウルレッドクリスタルメタリック/内:ピュアホワイト

CX-8(マツダ)

テーマ:マツダインテリア 空間/質感の深化
外:マシーングレープレミアムメタリック/内:ディープレッド

(左)デリカ D:5 アクティブギア/(右)RVR アクティブギア(共に三菱)

テーマ:「ACTIVE GEAR」
(左)外:アイガーグレーメタリック/内:ダイヤモンドブラックマイカ×ブラック、(右)外:チタニウムグレーメタリック/内:ブラック

(左)MT-10/(中)MT-09/(右)MT-07(すべてヤマハ)

テーマ:受け入れられる非常識 Night Fluo
外:ブルーイッシュグレーソリッド4

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ランキングを発表!

まずは一般審査員100名による投票!

 順を追って投票結果を発表する。まずは、一般審査員100名の投票結果だ。なお、一般審査員とは事前に申し込みを行って登録された一般の方々である。

二輪が健闘し、ヤマハ「MT-10/MT-09/MT-07」が1位、接戦で2位のカワサキ「Ninja H2/H2R」を抑えた。3位はそれぞれ色の異なる3台を持ち込んで力が入っていたレクサス「LS」。厳密には「LS 500」およびそのハイブリッド仕様の「LS 500h」。

次は分科会審査委員10名による投票!

 続いては、JAFCA自動車色彩分科会審査委員10名、合計して300点が加算される。なお、自社製品に対しては投票してはいけない決まりだ。

一般審査員のトップ3の順位が入れ替わる状況に。「Ninja H2/H2R」が1位、「LS」が2位、「MT-10/MT-09/MT-07」は3位に後退した。また、4位以下も変動がある。

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いよいよ最終ランキングの発表!

ACA審査委員3名による投票! まずは15~6位

 ACA審査委員3名は1人100点の持ち点なので、合計して300点が加算される。JAFCA自動車色彩分科会審査委員の合計点と同じではあるが、最低でも1ノミネートに一気に60点以上が入るため、ここまでの順位を一気に覆す可能性がある。そして、ACA審査委員の投票を加えた最終的なランキングの15~5位は、以下のようになった。

バーの色は、一般審査員が銅(茶)、JAFCA自動車色彩分科会審査委員が銀(灰色)、ACA審査委員が金(黄土色)。15~6位はこのような結果となった。

続いて5位と4位の発表!

 惜しくも表彰台を逃してしまったが、5位がダイハツ「ミラ イース」、4位がホンダ「N-BOX」となった。

「N-BOX」は、惜しくも表彰台まで届かず、4位に甘んじた。しかし、軽自動車の中ではトップとなった。

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いよいよベスト3の発表!

いよいよベスト3の発表! まずは第3位から!

 まずは第3位。レクサス「LS」! 一般審査員の投票で3位、JAFCA自動車色彩分科会審査委員の投票を加えて2位に上がってきていたので上位は確実視されていた。しかし、ACA審査委員での得票をあまり伸ばせなかったため、最終的には3位となった。

3位となった「LS」。部門別で見れば、四輪の中のトップである。3位獲得の大きな要因は、JAFCA自動車色彩分科会審査委員の投票が大きかったのは明白だ。

そしてグランプリと2位の発表!

 次は最後のグランプリと2位を同時発表だ。2017年のグランプリは、ヤマハ「MT-10/MT-09/MT-07」が獲得!! 2位は、カワサキ「Ninja H2/H2R」となった。20回目にして初めてクルマ以外が獲得。しかも、バイクの1-2フィニッシュとなった。グランプリの受賞理由などは次ページで!

「MT-10/MT-09/MT-07」は、ACA審査委員の評価がものすごく高かったことがわかる。得票数が多すぎて、バーが画面からはみ出してしまったほどである。

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グランプリの受賞理由は?

“非常識”を表現することに成功したバイクたち

手前が「MT-10」、そのひとつ奥が「MT-9」、最奥にあるのが「MT-7」。このイエローは正確には”アシッドイエロー”という名称だ。MTシリーズは、ヤマハのバイクの中で、”自由に楽しむ、自在に操る”をコンセプトとした、俊敏な走りと独創的なスタイルを特徴としたスポーツモデルだ。

 バイクのカラーデザインというと、通常は最も目を引くタンク部分が重視される。しかし「MT-10/MT-09/MT-07」では、そこをホイール(タイヤ)に目を向けさせるという新しい発想が採用されており、「自由な印象を受けた」というのがグランプリ受賞の大きな理由。

 通常、バイクのカラーリングにおいては、ホイール部分への塗装は「チッピング(欠け落ち)」と呼ばれる汚れがあることから、タブーとされてきた。しかし、デザイナーが自分の意思で常識を覆したという点が評価された。

 またイエローという色が選択されたことに対しては、タイヤのブラックと対比させることでより鮮やかに見えること、またタンクのソリッドグレートの組み合わせはその形と相まって、これまでに見たことのない新しいセンスを感じさせるということも評価された。

 新しい色彩調和に挑戦したデザインということで、20周年という節目を迎えたACAにもふさわしく、今後もこれまでの殻を破って、次代を造っていくようなカラーデザインを期待したいとしている。

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ヤマハからのメッセージ

MTシリーズならではの世界観を強調するためのデザイン

グランプリ受賞を喜ぶヤマハスタッフ。2016年の2位獲得を超え、グランプリを獲得した。MTシリーズのカラーデザインを担当したのは、左から4人目の安田将啓氏と同5人目の片平憲男氏。

 MTシリーズのコンセプトは、”自由に楽しむ、自在に操る”。そのユニークな世界観を強調するため、クールでインパクトの強いカラーデザインに仕上げたという。

 ボディのソリッドグレーは”チープに見えてしまう可能性がある”というリスクの高い色なのだそうだが、突き抜けたインパクトを実現するため、塗装による装飾的要素を排除したシリアスさを表現する色として開発したのだそうである。

 そこに、アクセントカラーとしてホイールにアシッドイエローを塗装することで、その2色によってMTシリーズの”機能性”と”ファッション性”の両立を目指したそうだ。

2017年12月26日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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