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クルマ最終更新日:2017.10.20 公開日:2017.10.20

【もうすぐ東京モーターショー2017】トヨタ追加情報 燃料電池車は続けます 

20171018_02_02使用.jpg トヨタは10月18日、東京ビッグサイトで開催される第45回東京モーターショー2017(10月27日~11月5日(一般公開は10月28日から))に燃料電池車(FCV)2台を出品すると発表した。

 現在のEVは、航続距離こそ改善しつつあるが、充電に時間かかかりすぎることと、ハイスピード走行ではバッテリーがすぐになくなってしまうことが課題になっている。一方、「水素」をエネルギーとして走るFCVは、EVよりも航続距離が長く、充填時間は3分ほど。ハイスピード走行も問題ない。そして排出するのは水だけだ。

 だが課題もある。EVの場合、発電所で作った電気をそのまま使うので、コンセントさえあれば全国津々浦々で「エネルギー」補給が可能だ。だが水素は、たとえば発電所で作った電気を使って水を電気分解しなければ得られない。その水素を再び電気にしてモーターを動かす。電気→水素→電気という、この過程でエネルギーをロスする。石油や石炭などの化石燃料から作ることもできるが、水素スタンドへの運搬手段を考えなければならない。水素は貯蔵も運搬も難しく、巨額のインフラ投資が必要になる。そもそも、水素スタンドの整備も必要だ。

 EVとFCV、一長一短ありといったところだが、現在は開発や製造が比較的容易で、FCVより合理的なEVのほうに注力するメーカーがほとんどだ。世界中のメーカーが一斉に開発することで、コストを含めたEVの課題が、一気に解決される可能性が高くなっている。そういった意味でも、FCVは旗色が悪い。

 だが、それでもトヨタはFCVの開発を継続するようだ。将来へ向けて、様々な技術の開発を行う。体力のある世界トップの自動車メーカーだからこそ可能なことだ。そして世界中の”EVシフト”が万一頓挫した場合、このFCVは相当強力な武器になる。トヨタが目指す”水素社会”の到来というわけだ。

 それで、やっと本題。「Fine-Comfort Ride」(写真上)は、6人乗りFCVのコンセプトカー。インホイールモーターを使用し、航続距離は1000kmを想定している。”プレミアムサルーン”を謳うが、ミニバンの未来形という見方もできる。

20171018_01_01使用.jpg

 さらに、FCV技術の活用先としてバスを想定したコンセプトカー「SORA」。出発地と目的地が明確で、長い航続距離が求められる公共交通インフラのほうが、FCVとしては馴染みがよいかもしれない。実際、このモデルの市販型は18年から販売開始予定で、20年の東京オリンピックに向けて、都内を中心に100台以上の導入が予定されている。定員79名。

2017年10月20日(JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一)

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