【ジャパン キャンピングカーショー2017】軽キャンパー「N-BOX」「スピナ」など
2月2日より5日まで幕張メッセで開催された「ジャパン キャンピングカーショー2017」。300台以上のさまざまなサイズや形態のキャンピングカーが展示された。軽自動車ベースの「軽キャンパー」もそのひとつだ。
近年の軽自動車は、室内に余裕がある車種が多くなってきた。1~2名なら就寝もでき、中には身長180cmの人も足を伸ばして寝そべることができるほどの車種もある。そんな軽自動車を、さらに使い勝手がいいように改造を施したのが軽キャンパーで、ここ数年、流行を見せている。
軽キャンパーは取り回しがよく、キャンピングカーとしては車両価格もぐっとリーズナブル。普段の街乗りでも利用しやすいので、キャンピングカーと普段用と2台もクルマを所有する必要もない。まさに、日本人向きなのが軽キャンパーなのだ。
今回は、そうした軽キャンパーを取り上げてみる。
ミニ・ミニバンともいわれる、ホンダの「N-BOX」シリーズ。室内空間が広く、シートなどを倒してフラットにすれば、身長180cmの人でも足を伸ばして横になれる。
カリフォルニアスタイルの「スピナ キャルルックバージョン」
最初は、ナッツRVの「スピナ」から。日産「NV100クリッパー」およびスズキ「エブリイ」をベースにした軽キャンパーだ。
会場では、ノーマルのスピナのほかに「キャルルックバージョン」が展示されており、これがカラフル。しかも、カラーデザインやエクステリアの形状が「ワーゲンバス」という愛称で知られている、フォルクスワーゲンの古いバンのような雰囲気でおしゃれ。
ナッツRVの「スピナ キャルルックバージョン」。派手なカラーリングや微妙にレトロな感じなどがセンスの良さを感じさせる。
ちなみに、”キャルルック”とはカリフォルニア(アメリカの西海岸)発祥のカスタマイズのことをいう。必ずしも「こうしないといけない」というものはないそうだが、原色の派手なカラーリングなどは特徴だそうだ。
スピナ キャルルックバージョンの価格は319万円(税別)から。
スピナのノーマルタイプの車内。キャルルックバージョンも同じような2対2で向き合える対面ダイネットを架装できる。
軽キャンパー「テントむし」と軽トレーラー「コロ」
続いては、国内ビルダーのバンショップミカミが展示した、軽キャンパー「テントむし(Sタイプ)」と、軽キャンピングカートレーラー「コロ(CORO)」のコンビ。
テントむしは、展示車両のダイハツ「ハイゼット」のほか、マツダ「スクラム」、日産「クリッパー」をベースとしており、乗車並びに就寝も定員4名。価格は348万2000円(税別)だ。
バンショップミカミのダイハツ「ハイゼット」ベースの「テントむし」。後方は軽キャンピングトレーラー「コロ」。
テントむしの後方部分。
軽キャンピングカートレーラーのコロは、全長3390×全幅1460×全高1880mm、車重440kgというスペック。その軽さから、軽自動車でも牽引できる。車両価格は176万8000円(税別)。
テントむしに連結されたコロ。
テントむしは就寝定員が4名ではあるが、やはり軽自動車である以上、できれば2名で使いたいところ。そこで、コロを牽引していれば、就寝時はふたりが移ることで、テントむしでもコロでもそれぞれ余裕を持って寝られるというわけだ。
コロの車内。和室っぽいイメージ。
クルマのルーフの上で寝る! ジファージャパンのルーフテント
ダイハツ「ムーヴ キャンバス」の上にあるのが、ジッファージャパンのカートップテント「マジョリーナ エアランダー」。
イタリアに本社があるジファージャパンが展示したのは、厳密には軽キャンパーではない。車中泊ならぬ「車上泊」というコンセプトを実現した、軽自動車のルーフ上でも利用できるという「カートップ(ルーフ)テント」だ。
ブースでは、ダイハツ「ムーヴ キャンバス」の上に、元祖ルーフテントのふたつ名を持つ「マジョリーナ エアランダー」のカップルサイズ用(大人2名)が実際に組み付けられていた。このカップルサイズは、展開時だと全2100×全幅1300×全高920mmで、収納時が全高が300mmにまでたためる。重さは56kgだ。価格は35万5000円(税別)。
このほか、大人2名+子ども1名のミディアムサイズ(税別39万円)、大人2名+子ども2名のファミリーサイズ(税別42万5000円)などもラインナップされている。
マジョリーナ エアランダーのカップルサイズ用の中。
車検不要の50ccミニカー「ネクストクルーザー」
ブレイズ「ネクストクルーザー」。50cc原動機付きミニカー登録車で、車検、車庫証明いらず。ヘルメット、シートベルトも着用しなくていい。最高時速は約50km。左ハンドル。
最後は、軽キャンパーではないのだが、ブレイズが輸入してバッテリーなどを日本製に変更して販売している、1人乗りの50cc原動機付きミニカー登録車「ネクストクルーザー」だ。キャンプ地などに持っていって遊びたい「大人のミニカー」である。
公道走行には、普通自動車運転免許が必要で、最高時速は50km。車検や車庫証明が不要なので、気軽に所有できる。車両価格は39万8000円(税別)だ。
全長2100×全幅1100×全高910mmで、重量150kg。前進3段・後進1段のセミオートマで、最大出力は3.35kW/8000rpm、最大トルクは3.1N・m/5500rpm。最小回転半径2.4m。燃費は同社が計測したところでは、リッター約27km。タンク容量3.8L満タンで、80~100kmの走行が可能だという。
なお、雨の日は乗らないことが推奨されており、可能なら雨の吹き込まないガレージでの駐車が望ましいとしている(雨よけの専用カバーもオプションで用意されている)。
ネクストクルーザーのコックピット。
そして最後の最後に、軽ではなくて小型車かつこれまたキャンピングカーではないのだが、旅愁を誘うフィアット「500」を紹介。思わず旅に出たくなる、見事な演出である。
キャンプセットをルーフに積んだフィアット「500」。同展示会にフィアットが出展したのは初めてである。
2017年2月16日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)